わたし

私は自分が嫌いだ。

私はなにもできない人間だから、周りから期待しないでほしいと思った。

誰かがこっちを見ていると悪口を言われていると思った。

とにかく自信がなかった。

周りに嫌われなくないから、周りと合わせるようになった。

気づけば自分の意見が言えない人間になった。

そこも自分の嫌いなところだった。


昔、インターネット上で女性の緊縛画像を見かけた。

当時の私は衝撃を受け、親が玄関を開ける音が聞こえるまでじっと目に焼き付けていたのを覚えている。

もっと見たい。知りたい。

そこから私のえっちなことに対する関心が高まった。

そこからほぼ毎日アダルトサイトや二次創作サイトを漁った。

キーボードのローマ字打ちができなかった私は、ブックマークしていたサイトから「エ」と「ロ」の字を探し出して検索エンジンにコピーアンドペーストして検索をかけていた。

日常生活では、周りに合わせてただうなづく日々。

家に帰るとすぐにPCを開いた。

形がなかったスライムみたいなものがかたどられた私になっている感覚だった。

セクシーなものやえっちだ!と思う感情は千差万別だ。

自分にとって最高にセクシーなものが、誰かにとってトラウマ級の地雷かもしれない。

ただその当たり前の個人差が自分にとってちょうどよかったのだろう。

えっちでセクシーなものを見ていると自分が自分であるように感じるのだ。

私は私という媒体を使ってえっちでセクシーな作品を作りたいと考えている。

自分のことを好きになりたいからだ。

自分のことが嫌いなまま死ぬより、好きになって死にたい。

それが周りにどう思われるかはもうこの際どうだっていいとまで思えるようになった。

自分が好きになれるまで。

誰かに好きと言ってもらえるまで。

静かに北海道の隅からなにかを発信していこうと思う。

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