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【気まぐれDiary】あるひとつのエッセイから

人って、ひょんなことから落ち込んだり、
また立ち直ったりすることって往々に多い。

今日は、友人からもらった本を読んでいた。
タイトルは【おつかれ、今日の私】
マガジンハウスから出ている
ジェーン・スーさんのエッセイだ。

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作者はどうやら40代半ば位?
日常の人間関係を切り取ったエッセイで、
「おつかれさま」と呼べるような出来事を
短編小説のようなリズムで書かれている。

エッセイらしい本を読んだのは久しぶりだ。
以前にずいぶんと話題になった
「フランス人は10着しか服を持たない」
という本があったけど、それ以来かも。

たくさんの頷きがあるエッセイだったけど、
「おつかれ、若かった頃の私」というくだりは、
今の起点に戻させてくれるストーリーだった。

冒頭から「40代以降の加齢は楽しい」と?
どう言うこっちゃ?!と思いながら読み進めた。
一部を要約・ご紹介すると、、

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・・若い頃と違って、嫉妬や僻みという
感情から解放され、素直に「羨ましい」と
言えるようになって来た。

誰かの気まぐれな評価を気にし続ける
根気がなくなったからと断言できる。
いろいろ面倒くさくなくなったせいだろう。

そう、すべては「面倒くさい」のおかげなのだ。
面倒くさいから執着力が低下して、
「ま、いいか」の境地になる。

いま楽しいのは間違いなく、
この「ま、いいか」のおかげだ。

あー良かった。
そうわかっただけでもバンザイだ・・

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このくだりを読み進めていくうちに、
なんだかよく分からないけど
すっごく可笑しくなってきて、
声を出して笑ってしまった。

そして不思議なことに、
最近抜けきれなかった落ち込みが
すぅーっと薄れていく感じがしたのだ。

家に帰ってまた読み返したけど、
それでも同じところで笑えてきて
同じように声を出して笑ってしまった。

私って単純なのか?
それとも、ネジがどっか行っちまったのか?笑

「素直な自分」と「抗う自分」
「神経質な自分」と「鈍感な自分」
「寂しがり屋な自分」と「自由を愛する自分」

そんな幾つもの自分を否定しない
作者の心の扱い方がとても好きになった。

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素直すぎて凹む時もあれば、
抗う自分を褒めたい時もある。

人の機微を見抜く冴えた自分もいれば、
時間が経過して初めて分かる鈍感さに
沈み込みたくなる自分もいる。

それでも、不器用なまま生きていても
価値がないなんて思わなくていい。

誰もがそうやって
その道を辿って気づいていくのだから。

きっと、誰かにそう言って
もらいたかったんだろうな。

おつかれ、わたし!
それに気づけて私もバンザイだ(笑)

Kimi

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