片目になってから運転免許取った

10歳で(原因不明なので何かが)発病して、左眼の見えない人生の方が長くなってしまった。とはいえ、100%見えないわけではなく、99%見えていない状態で、ジワジワと眼球が痛みを伴いつつ縮んでいくのが分かる。怖え・痛え・面倒くせえ。

そんなやる気ない40代のオバサンだが、なんと自動車運転免許(AT限定)を取得しているのである。18歳の頃に、どんな悪どい手を使ったのだろうか。免許を発行した公安、ほんまに大丈夫か。と思いながら、日々安全運転に努めている。

子どもの頃に習得していたからか「自転車」は片目失明後も問題もなく、事前の練習も不要で乗ることができた。左側が大幅に見えていないので気を付けておく必要はある。例えば、交差点で左から運転音の静かな車(プリ〇スとか)が突っ込んでこないか?などは気づきにくいようだ。何でも静音がいいとは限らないのだなあと思う。

さて、車の免許が取れる年齢になった頃の私は、失明した方の眼が絶不調で、手術を受けて養生中につき体力もなかった。そもそも免許取得の権利があるのだろうか?免許には視野に対する制約があり、取得後も、免許更新の度に視力だけでなく視野の検査が課されるので、免許ゲットしたらヒャッハー安泰だ!…ともいかない。

眼科医に相談した結果、視野も条件を満たしてるとの事で挑戦することにした。田舎で車が運転できないのはつらいのだ。やってみる価値はあるというもの。

超田舎の教習所では、山道(急すぎて先が見えない)、雪道(積雪で道の端が見えない)、高速道路(田舎過ぎて他に車がいない)の実技もあった。追い抜けない道路を走る、超低速トラクターの罠があるのも特徴的。

教習所でバックの練習中、当たったらわかるように揺れる部品がカチャ…と少し音を立てた事もあった。

教官「ん?音したで?」(標準語訳:何か気づかれましたか?)
私「風で揺れましたね~」(標準語訳:今日は風が強いですね)
教官「ちゃうわ!」(標準語訳:もう一度バックの実技受けてね!)

このように、教習所段階では視力など一切関係なかったね!左折時、コーナーに寄りすぎる傾向があるのは、眼のせいではなく我が技量のせいなのか。

免許取得後も、5年毎の更新前には「今回、視力と視野が足りなかったらどうしよう…」と胃を痛める毎日を過ごす。そんな事を繰り返す事数回、結婚してから行った眼鏡屋で言われたことがある。

「血眼になって調べて、少しでもダメなら即免許を取り上げてやろうと思って免許更新をやってるんじゃないですよ。もしダメなら対策してから再更新に行けるのだから、安心していいですよ。警察も免許を持っている人が多い方がいいですからね。」

今までこんな事言われたことなかったので驚いた。おかげで今期の更新も無事に終えることができたのだが、検査の人が前より親切に見えたのだった。

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