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生まれて初めてパチンコを打った話

TLの人達とかアニクラ現場で流れるパチ曲への反応とかでやべー印象ばっか持ってて、一生近寄らんどこって思ってたんですよ。それに一度味をしめたら絶対にどこまでも深みにハマっていくタイプの人間だという自己分析があり、周囲の人間からの忠告があり、こりゃやめた方がいいわってずっと思ってました。
でもこんな複雑なこと考えなくていいんです。世界は案外シンプルです。
きっかけは極めて些細なことで、バイト先でイライラしてただけです。今日は片道徒歩1時間ないくらいのバ先へ往復徒歩で済ませるつもりでちゃんとしたスニーカーを履いて家を出たんですが、何とそれが家を出て10分で靴ズレしました。すごくお気に入りの靴なので履く時に気を遣わなくちゃいけないんだなぁと思ってすごく萎えました。で、足を痛めつつものんびり歩いてるとバイトに間に合わないので、痛みを堪えて小走りでバイト先に到着。
できるだけ移動したくないのでメインレジを期待してたら希望通りメインレジに入れて、そこはまぁ良かったんですけど、メインレジって物凄く時間の経過が長く感じられるものなんですよね。そして今日は靴ズレのストレスを抱えての出勤だったので、何かと神経過敏になっていたんです。客の数は多いし、袋詰め面倒臭い野菜ばっか売れるし、客からの注文は多いしって気がして、バイト中ずっとイライラしてました。で、どうにかしてこのストレスを発散しようと思ったわけです。
僕がストレス発散するといえばまず候補に挙がるのがサウンドボルテックス(AC音ゲー)なんですが、自宅〜バ先にはありません。今ボルテをするには交通費を払ってゲーセンに行かなければならず、今日は特別安い日でもなく、移動もめんどくさくて却下。次はヤケ食いですがちょうど今朝なんとなく体重計に乗って絶望したので却下。友人と遊ぼうと思ってたけど既に誘ってて断られてるの思い出して更に萎え。そんな考え事をする間もなく客が押し寄せ……という悪循環の中にいました。
そしてようやく一息ついた時に、今日の帰りは電車使っちゃおうかなとか思った直後、こんな悪魔的発想が脳裏を過ったのです。

「――バ先から駅までの間に、パチ屋あるじゃん。」

ここ2ヶ月ほど大学への通学定期を更新していなかったことから自宅からバ先の往復は徒歩だったのですっかり忘れていたのですが、そういえばバ先から駅に向かう途中にパチンコ屋がありました。なるほどパチンコか、あの爆音とド派手な演出ならこの鬱憤も吹き飛ばしてくれるかもしれない。でも俺が1度パチンコに手を出したら、もうやめられなくなるかもしれない。でもでもこうして考えるとパチンコって楽しそうだな……
とかなんとか考えている内にバイトが終わりました。頭の中にパチンコの4文字が浮かんでからは本当に一瞬でバイトが終わりました(既に中毒者みたいな文字列)。んで結局行っちゃうことにしました。この自粛期間、思いきった買い物の大きな出費はあったんですけど、音ゲーとか買い食いとかの小さな出費があんまりなかったので、その分のお金と思えばいいかな、という軽い気持ちで行くことにしました。ちなみに直前で悩んでパチンコ屋の前2往復くらいしました。

ついにパチ屋の自動ドアの前に立ちます。ドアには「押してください」の文字。なるほど、あくまでお前自身の手でこの扉を開けということか、面白い。僕は覚悟を決め、新世界への1歩を踏み出しました。
ドアが開くにつれ、中からは容量オーバーとなり行き場を失っていた騒音達が溢れ出んばかりに響き渡ります。店内はほの暗く、客も全員で10人程度とまばら。しかし筐体に照らされ窺えるその誰もの表情が、僕にはなんだか恐ろしく感じられました。
でも泣き言ばかり言っていられない、俺も踏み込むんだ、と思い、自分が楽しめそうな筐体を探します。この男、既にこの時点でストレス発散という本来の目的なんて忘れて、パチンコを楽しむ気満々です。
僕の中でパチンコはシンフォギアのイメージが強かったので、初めはシンフォギアのものを打つつもりでいました。アニクラ現場でシンフォギアの曲が聞こえるやいなや突如DJの前に座りだし、右手首を捻り。左手のスマホを片目にしながら不満げに首を振るあのオタクたちの光景が、僕には忘れられなかったのです。しかしいざ店内に入ると、目につくのは北斗の拳、エヴァ、海物語と、確かにパチンコというイメージの強いものばかりが並んでいましたがそこにシンフォギアはありませんでした。仕方がないので、せめて自分のよく知っている作品のものなら楽しめるだろうと、偽物語の台の前に座りました。
そして財布から1000円札を取り出し、恐る恐る「右上」の投入口に紙幣を持っていきます。しかし引っ張られる感覚はまるでなく、押し込んでみても無反応です。故障かな?と思ったんですが、見たところ稼働していなさそうなのは右の台。おかしいな……と首を傾げて数秒、店員さんが駆けつけます。
「お座りの台の投入口はこちらですよ」
と、左上の投入口を指されました。ええはい、そういうことです。
打ち始める前から既にF**kin'Noobっぷりを晒したところで、ようやく僕の人生初のパチンコが始まりました。貝木泥舟からの胡散臭い説明を2回聞き、ようやくゲームスタートです。
打ってる間は特に何も言うことはないんですが、遊戯中も何度も店員さんに助け舟を出してもらいましたね。「まだ左打ちなのでもっと軽く捻るだけでいいですよ」「捻った状態にしておくと玉が連射されますよ」「お皿がいっぱいになっているのでお替えしますね」「その他分からないことがあれば筐体上のボタンでお呼びください」。何から何まで本当にありがとうございました。つんぼなので騒音に包まれた店内では聞き取るのも精一杯でしたが。
そんなこんなで1時間ほど打ってみて、2回目の当たりモード(名称わからん!)が終わったところで撤退を選びました。なんかいい感じに玉出てるっぽかったし、マジでいつまででも打ってられそうだったので、理性のある内に退いておこうと思いまして。あ、ゲームの終わらせ方から換金に至るまで1から100まで店員さん頼りです。換金所の人顔見えないようになってて多分法的にグレーなやつだと思うんですけど堂々と「これどうすればいいんですかー!?」って聞いちゃいました。ごめんなさい。
ちなみに結果は1000円入れて2500円になりました。+1.5kってやつですね。ビギナーズラックって本当に存在するんだなって怖くなりました。

さて、では初パチンコの感想をまとめていきます。

メチャクチャ、とは言いませんが、かなり楽しかったです。自分に正直になります。はい、楽しかったです。パチンカスの素質に溢れた人間ですみません。
どういう仕組みで玉がいっぱい出てくるモードになるのか、どうすれば続くのかとか、マジで終始何もわからなかったんですけど、可愛いキャラが可愛い声で喋って、好きな曲が爆音で流れて、クソうるせえ効果音と目に優しくない演出で脳汁強制分泌されて、まあ楽しかったですね。それで手持ちの金が増えてるのは素直に意味わからんです。1時間楽しい思いして1500円って、やっぱり労働が馬鹿みたいに感じられますね。そう思うんだろうなとは思ってましたけど。
僕はかれこれ10年くらいゲーセンの音ゲーをやってて、僕の中で「娯楽というのは金を消費するものだ」という考えがずっとありました。一般的に考えれば何の変哲もない常識何でしょうが、パチスロに関しては例外なんですね。金銭を受け取り、娯楽を享受する。この楽しみを経験して何も失っていないというのは非常に恐ろしいことです(嘘です、時間と信用と社会性と人間性と思考力を失っています)。
サラッと言いますが、今後に関してもある程度パチは打ちに行くと思います。ヤバいものだとわかっててももう一度行きたくなるくらいには楽しかったので。ただ、まだ冷静に考える力は(ある程度?)残っていると思うので、勿論節度を弁えて、何かすごく嫌なことがあった時とか友人と一緒の時に限ったり、月何回までとかいくらまでとかちゃんとルールを設けてやりたいですね。1年後この記事を笑って流し読む人間にはなりたくないです。

最後にお金に関する考えなんですが、やはり今日筐体に投じた1000円はそのまま吸い込まれて行くべきだったと思います。冷静に考えて、お金を投じて娯楽を得るというこの構図は絶対に見失ってはいけないと思いました。ハマってしまったらこんな当たり前のことだって分からなくなるんだろうなってマジで怖くなりました。

やっぱ阿良々木月火は可愛いし井口裕香最高。

以上、一級フラグ建築士がお届けしました。

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