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カタカナ靴に気づかされる

自分は人目をよく気にする。無論そんなのは他人も同じで、自信を持てるように自分磨きをしていくのだろう。だけど自分は「アイツ何しても無駄なのに頑張っちゃってるよ」と周りから思われる事を恐れ、自分を磨く事から今まで逃げてしまっていた。


そんな状況から逸脱するべく、友人の春樹と靴を買いに行く事になった。おしゃれは足元からだ。
一人で買いに行かないのは自分のセンスが不安でどれが似合っているかを春樹に確認してもらう為だった。
アウトレットパークに到着し、店を回りながら靴を物色していくと春樹が「これすごく良いよ!」と太鼓判を押しながらアディダスの靴を持ってきた。

蓋を開けてみるとその靴は黒ベースで靴底は蛍光オレンジ、虹色で大きくadidas(アディダス)のロゴが入りそしてかかとには英語でなにかしらオシャンティーな言葉が書いてるのだろうEXILE系男子が好みそうな代物だった。
「おいらなら絶対買うけどね」相当推しているがこの靴は春樹の好みのファッションであり自分はこの靴すきじゃ

しかし早くおしゃれにならなければという焦りの気持ちと春樹の評価を優先して、すぐさま買う決断をしてしまった。
値段は4000円弱なので決して安い買い物ではない。

履いていた靴がボロボロだったので履き替えて歩いてると、足元からこんな文字が目に入った


この靴の本当の素顔を見てしまった。内面を見ず外見だけで彼氏にすると落とし穴があるのと近い感覚。
履く前からこの素顔を知っておけばこんな事にはならなかったのに...とDVされた女性のような心理状態に陥った。


片足だけ試着してすぐに購入したのでかかとの文字が英語と日本語で片方ずつ分かれているとは気づかなかったのだ。
隣にいた春樹はしばらく黙り込んだ後

「チャームポイントじゃない?」

きっと春樹なりの精一杯のフォローなんだろう。
でも自分はどう頑張ってもカタカナからチャーミングさを汲み取ることはできなかったし、「チャームポイントで丸く収まるか」と何故か春樹を憎む始末だ。自分で購入したくせに。

自分が好きなものをただ選べば良かったのに他者からの評価を気にしてばかりでいると何も楽しくない。あの時、意思を持ってればと今も後悔している。正直に生きよう。


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