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宮下草薙さんとインディアンス田渕さんに会った話【素人がM-1に出場した結果...】
以前書いた通りM-1グランプリ2019で自分が組んでいたコンビ「ビクトリアン」は一回戦を通過することが出来た。
次の舞台は浅草、東京漫才の歴史の深い地だ。
二回戦からはアマチュアが減って、周りのレベルも上がるし、売れっ子芸人も続々と参戦してくる。
自分が出る日の出場者の他には、宮下草薙さんやインディアンスさん、そして存じ上げてなかった頃のラランドさんがいて、ここから勝ち上がるのは至難の技だった。
だがテレビで見てた芸人さんに会えるかもという期待感もあり、未知の舞台が怖くもあるが心待ちだった。
新たな挑戦
一回戦を突破した「美容師」というネタはビクトリアンの勝負ネタで、ここぞという時にはいつもこのネタをかけていた。
相方は当然、二回戦でも「美容師」をやろうとしてたが自分の考えは
「ボケとツッコミを変える」
当時は自分がツッコミで相方がボケ。組んでから一度も変えてこなかったが、二回戦から是が非でも変える気でいた。
その理由はM-1公式に上がった自分達のネタ動画を見てると、自分のツッコミが気持ち悪いほど笑えなかったからだ。
・ボケで起きた笑いが、自分が突っ込むとスッと止んでしまう事
・声質が全く耳に残らない事
・大きい声や強めの言葉が全く自分に適していない事
自分はまだツッコミをやりたかったが、動画が見ていられず変えざるを得なかった。
ついに目の前に現れて
一回戦からニヶ月経って人生で一番緊張する日を迎えた。
その日の昼食にはビートたけしさんが、行きつけだった、もんじゃ焼き屋でパワーを頂いたので気合十分である。
会場に着いてエレベーターに乗ると完熟フレッシュの池田57CRAZYさんが既に乗ってらして、驚いたが、近くで見ると迫力があったので、話しかけることはできず。
しかし降りる階でエレベーターが開くとインディアンスの田渕さんが突如、目の前に現れて興奮した。
反射的に「すいません、写真一緒に撮ってもらってもいいですか?」と尋ねると
『良いですよ!」
と即、返答を貰い、120%の笑顔で写真を一緒に撮らせて頂いた。ここで写真を載せることは出来ないが、本当にテレビのまんまというか、溢れ出る優しさのオーラが出てて感激してしまった。
しばらくして出番が近づき練習してると宮下草薙の草薙さんが楽屋に入られた。
楽屋が一瞬ざわついて、テレビに出てる人を間近で見ると妙な違和感がある。
反射的に「すいません、写真撮ってください。」とお願いしたが『あっ、それは、、」と断られてしまったのですぐ身を引き、ネタの練習に戻った。
今思えば、大事な舞台の前に、素人が容易く話しかけるのは、非常識だった。楽屋の他の芸人さんにも申し訳ない事をしたので反省している。
後に宮下さんも見かけたが声をかけるのは控えておいた。
地獄の3分間
舞台袖で待機中、緊張しすぎて逆に迷いがなく、やるしかないと追い詰められると心はすっとする。
そして誰にも見せたことの無い新ネタで舞台に挑んだ自分達は地獄を見る事になる。
初めのボケはややウケ、それ以降全くウケずに3分間なんの反応もなく終了。
なんとかセリフは飛ばなかったが心は、初めの一分間でどっかに飛んでいってしまっていた。アマチュアだからと言って情けは無し。
今までで一番の大舞台で大スベリをかまして東京から撤収したのだった。
M-1は表裏一体
帰りの道中で結果が発表されてたが、見なくても二人とも分かっていたのでそっと確認してすぐ閉じた。
良い経験になったと心に収め、ビクトリアンのM-12019は、これにて終幕。
一回戦を通過した時は、他の人が簡単に出来ないことをやり遂げた達成感で溢れて、二回戦では現実の高い壁を見せつけられ、M-1の酸も甘いも味わせてもらった。
十五年以内にあの舞台に行ってみたい。
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