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観戦記④

4回目の今回は2回目と3回目の続きとなる。
やってきたのはもちろんJITリサイクルインクスタジアム。
第100回全国高校サッカー選手権大会山梨県予選決勝、山梨学院高校対韮崎高校戦。
山梨学院は2年連続の出場、韮崎は13年ぶり35回目の出場を掛けた一戦となる。
100回大会にふさわしい高校サッカー史に名を刻む2校の一戦となった。

1.勝ち上がり

学校紹介は前回したので今大会の勝ち上がりを見てみたい。

山梨学院

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3回戦から登場した山梨学院は笛吹高校を5-0で下し、準々決勝では帝京第三高校をPK戦の末下し準決勝に進出した。
準決勝では日本航空を3-0と一蹴し、決勝進出を決めた。
準決勝の模様は以下の記事をご覧ください。

韮崎高校

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山梨学院同様に3回戦から登場。
準決勝では日大明誠相手に延長の末に下し、決勝進出を決めた。
準決勝の模様は以下の記事をご覧ください。

2.スタメン

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山梨学院
1.山田 海人【FC東京むさし】3年
2.小川 玲【田口FA】3年
3.溝口 慶人【FC多摩】3年
4.保坂 好寿【Uスポーツクラブ】3年
5.柴田 元【東京SC】3年
6.谷口 航大【鹿島アントラーズ】3年
7.長島 大翔【東急Sレイエス】3年
8.佐藤 柊椰【東松山ペレーニャ】3年
18.山口 宇汰【鹿島アントラーズ】3年
9.茂木 秀人 イファイン【FC東京深川】3年
20.小島 慈央【東急Sレイエス】3年
ベンチ
17.佐川 太一【POMBA立川】3年
12.星野 悠介【Uスポーツクラブ】3年
13.小林 士恩【フォルトゥナSC】3年
19.菅原 斗聖【鹿島アントラーズ】3年
14.石川 隼人【GRANDE.FC】3年
15.崎山 亮【厚木DREAMS】3年
16.川崎 龍健【ブリオベッカ浦安】3年
10.大島 悠斗【FC東京むさし】3年
11.佐竹 祥太【FCヴィアージャ】3年

韮崎
1.名取 拓海【若草中】3年
2.平賀 大輝【日本航空学園FC.甲斐CIELO】3年
3.岡田 聖亜【フォルトゥナSC】3年
4.大野 孔之【ヴァンフォーレ甲府】2年
5.渡邉 優星【FCラーゴ河口湖】3年
6.土屋 葉月【若草中】3年
7.佐藤 寧峰【韮崎SC】3年
8.萩原 悠翔【ヴァンフォーレ甲府】2年
19.赤池 駿【増穂GlanzSC】2年
10.鈴木 斗真【一宮中】3年
11.熊谷 顕士【フォルトゥナSC】3年
ベンチ
12.池上 風雅【日本航空学園FC.甲斐CIELO】3年
13.相澤 涼真【城南中】2年
16.金丸 侑司【双葉中】2年
14.大柴 伶太【韮崎東中】3年
15.倉岡 泰輝【Uスポーツクラブ】2年
17.外川 翔瑛【FCラーゴ河口湖】2年
20.平井 蒼吏【FCラーゴ河口湖】2年
9.坂本 陸仁【韮崎SC】3年
18.小林 陽向【甲府東中】3年

共にスタメンは準決勝と同じとなった。

3.試合展開

立ち上がりは山梨学院がシンプルに前線へロングボールを送ることで韮崎陣内でのプレーが多くなる。
共に中盤の攻防では球際激しくバトルしていく。
前線にロングボールを送っていく山梨学院に対し、韮崎はボランチの萩原を中心にボールを動かし攻め手を探っていく。
立ち上がりこそ山梨学院が押し込んでいったが、徐々に韮崎ペースへと移行していく。
気合い満点の韮崎に対し、普段通り淡々とやるべきことをこなしていく山梨学院という構図の試合となる。
最初に決定機を作ったのは山梨学院。
16分にゴールキックのセカンドボールを拾った山口選手がドリブルで運ぶと右サイドの長島選手にラストパス。
トラップで持ち出し、シュートを放つが枠を外れてしまう。
すると徐々に山梨学院がボールを保持する流れとなる。
19分には右サイドの溝口選手からのクロスに小島選手がヘディングシュートを放つが枠を外れる。
韮崎は鈴木選手からのFKで反撃を見せる。
25分には韮崎決定機に決定機。
赤池選手がドリブル突破からクロスを上げると最後は土屋選手がシュートを放つも枠外へ。
33分には山梨学院の山口選手がミドルシュートを放つも名取選手がパンチングで防ぐ。
前線のパワーを活かす山梨学院に対し、機動力を活かしていく韮崎。
共に持ち味を出した前半だが、スコアは動かずハーフタイムへと突入する。
後半開始から山梨学院は佐藤選手に代えて石川選手を投入する。
これにより、前回大会全国優勝したボランチコンビとなる。
後半から山梨学院はCBがマンツーマンで韮崎のFWを見ることとなる。
鈴木選手には柴田選手、熊谷選手には保坂選手が付く格好となる。
51分には韮崎に決定機。
萩原選手がドリブルで運ぶと左サイドの土屋選手へ。
萩原選手がリターンパスを受けるとシュートを放つが山田選手が防ぐ。
56分には韮崎が選手交代を行う。
土屋選手と赤池選手に代え、外川選手と坂本選手を投入する。
準決勝で途中出場から流れを変えた坂本選手を起用し、韮崎は得点を取りに出ていく。
62分に山梨学院は背後へ抜けた茂木選手に対し、谷口選手が前向きでサポートからシュートを放つが枠を外れてしまう。
69分には山梨学院は長島選手に代えて崎山選手を投入する。
72分には韮崎が熊谷選手に代えて倉岡選手を投入する。
直後に山梨学院はロングスローのこぼれから山口選手がシュートを放つが、名取選手が防ぐ。
73分に山梨学院は小島選手に代え、大島選手を投入する。
75分には山梨学院に決定機。
韮崎のクリアが茂木選手の前にこぼれ、シュートを放つが枠外となる。
終盤になり、落ち着きがなくなる山梨学院DFライン。
ミスも目立ち始め、韮崎にチャンスを与えていく。
アディショナルタイムには韮崎に決定機。
坂本選手が左サイドから抜け出し、シュートを放つも山田選手の正面へ。
直後には山梨学院にも決定機。
崎山選手からのクロスに石川選手がシュートを放つもDFがブロックする。
共に得点は挙げられず、80分を終える。
延長に入り、5分には山梨学院は山口選手に代えて川崎選手を投入する。
延長に入っても韮崎の選手の足は止まらず、出足の良さで勝り山梨学院に対し優位に試合を進めていく。
延長前半では試合は動かず、後半に入ると韮崎は萩原選手に代えて平井選手を投入する。
延長後半1分に山梨学院は小川選手からのクロスに茂木選手がヘディングシュートを放つが名取選手が防ぐ。
すると3分に韮崎が先手を取る。
左サイドから渡邉選手がFKを入れると山梨学院DF陣がお見合いをしてしまい、平井選手が押し込む。
リードを奪った韮崎が逃げ切るかに思われたが、8分に山梨学院はロングスローで前線に上がっていた柴田選手のプレスからボールを奪うと溝口選手からのクロスに茂木選手が合わせ、同点に追いつく。
その後スコアは動かずPK戦へと突入する。
韮崎の一人目の佐藤選手のキックを山梨学院の山田選手が止めるとその後は共に全員決め、山梨学院が全国大会への切符を手にした。

4.あとがき

前回注目選手について記載したので今回は省かせていただき、あとがき兼感想を多めに書かせてもらいます。
まずは両チームの皆様、最高の試合をありがとう。
100回大会にふさわしい決勝戦でした。
山梨学院の皆様、優勝おめでとう!
全国の舞台で山梨の代表、第一シードとして暴れてきて欲しい。

勝負の世界、勝者と敗者が生まれてしまうことは致し方ないこと。
それを承知の上で言いたい。
韮崎にも全国に出て欲しかった。
PKで決着をつけていいのか?と思うほど韮崎の選手たちは躍動した。
PKを止めれたのが、キャプテンの佐藤選手であったのはサッカーの神様なぞいないと言い切れるほど残酷なものである。
彼の存在無くして今年の韮崎はあり得なかったと言えるのではないか。
私は韮崎の試合は2試合しか見ていないが、彼の存在がチームに与える影響が大きいことは理解できた。
また、PKを止められた後、敗戦が決まった後の彼の振る舞いは見事であった。
どんな状況でもチームのことを考え、行動できる姿はサッカーを離れても私自身見習いたいと思うほどの人間性を感じた。
今後サッカーを続けるかはわからないが、また彼のプレーを見たい。
そう思わせてくれた。
また、鈴木選手は今後も楽しみなタレントであり、今後も追いかけていきたい。
1年生の頃から彼のプレーは見ているが大きく成長した姿が見れて嬉しかった。
萩原選手と大野選手はヴァンフォーレアカデミー出身の2人は2年生。
2人の活躍で来年こそ韮崎を全国に導いて欲しい。
県総体、関東大会、インターハイ予選に続き決勝戦で韮崎は敗れシルバーコレクターと揶揄する人もいるかもしれない。
だが、私にとっては韮崎は決して敗者ではない。
このチームと出会えて良かった。

そして、優勝した山梨学院にも触れなくてはいけない。
前回大会の全国チャンピオンである彼らは期待とプレッシャーの中、戦ってきただろう。
その期待に見合う成績はここまで収めることは出来て来なかった。
新人戦、県総体で優勝したものの、招待された大会やプリンスリーグでは全国の猛者達に差をつけられ、全国の舞台で力を示そうと意気込んでいたであろうインターハイの予選では試合の直前に出場が認められず不戦敗となる悔しさも味わった。
最後のチャンスとなった選手権で彼らの悔しさや想いが爆発できたことは一人のサッカーファンとして嬉しかった。
帝京第三、日本航空、韮崎と山梨の高校サッカーを支えてきた学校を下しての選手権出場は100回大会の山梨代表にふさわしい。
前回大会の王者として、100回大会の第一シードして全国の舞台で躍動する姿を見たい。
山学旋風を再び巻き起こして欲しい。

観戦に訪れて良かった。
そう思える試合であった。
こういう感動を味わいたいから会場に足を運んで観戦をしたい。
観戦出来なかった方にも見てほしい試合である。
試合の配信映像がありますので是非ご覧いただきたいです。

私は山梨のサッカーは全国に誇れるものであると思っています。
ヴァンフォーレの存在も高校サッカーもどちらもです。
大学サッカーも山梨学院大学が総理大臣杯ではベスト4に入り、全国の舞台で躍進したように今後期待が持てる。
中学サッカーも全国大会が山梨開催であったこともあるが、全国の舞台で足跡を残した。
クラブチームでもヴァンフォーレだけでなく、Uスポーツクラブも関東リーグに所属しており、グランデアメージングアカデミーも今後力をつけていくだろう。
山梨のサッカーの未來は明るいと私は思っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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