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花に楽園

いくつかことわざがあるように、女性を花に喩えるのが好き。素敵だよね。わたしは自分の性に誇りがあって、毎日るんっと鏡を覗く。見た目も喋り方も仕草も、かわいくいられるのって幸せ! と顔を眺めながら恍惚とします。

美しさの定義を物語の作者に差し出されているのが好き。『星の王子様』『不思議の国のアリス』などでの薔薇たちや、『宝石の国』の骨たち。彼らは記述こそされていないが、台詞のいたるところから女性的なやわらかさやこまやかさを感じてしまい、気がつけば庇護したくなっている。

百合というジャンルに触れるたび、ああ、ああ、と心が満ちみちる。悶えているだけ?
やっぱり華だ。上手に表現できないけれど、なんというか、‘‘女の子’’という概念まるごと好きなんだと思う。神聖で儚くて美しくて清らかで愛しいの。恋と似てるね。盲目フィルターが掛かってるのかもしれない。
友情との境目が判断できなくなっちゃって、調べると診断が出てきたので受けてみた。色んなことが丁寧に書かれてあった。パンロマンティックさんとデミセクシュアルさんが仲間のようです。概要を読みながら、かもねーと思った。社会は細かい。

わたしは眠りの国にいる。たしかに花だった。咲いているのか萎れているのか枯れているのかわからなかった。雲を踏んでいるような心地でした。
わたしは水の泡(あぶく)として、逃げようと浮かんだり無秩序に踊ったり、している。
わたしは泥で、隅っこの寒いとこで静かになる。いつまでも濡れさせていて。
わたしは世界。

誕生花が林檎なの、時々、運命かしらと思う。神さま、わたしが死んだら招いてくれるの。そして楽園に行けたらば、眩しい白の羽と金粉を身につけたい。酔うような美しさで人を惑わせたい。俯瞰したいなんておぞましいですね。

はやく光になりたい。眩く輝きたい。相棒のくせに、心が従ってくれない。丁寧に考え事をしなくとも溶け込めちゃう、あなたがたはきれい。羨ましくて妬ましくて嫌いだ。ひそみにならってごめんなさい。醜さは癒えないし、感じなきゃよかったのに、知っているので泣くしかなくて。

きっと綺麗になるよ。
言って聞かせて生きている。

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