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ハエの声が聴こえる

絵を描いていると、驚くほど多くの人が邪魔をしてくる。(noteではそれが一切ないので、奇跡と思っている)


絵で食べていくなんて絵空事。絶対に無理だよ
そんな絵を描くなんて、紙がもったいない
それ、まさか面白いとおもってるんじゃないよね?


これは、わたしが絵を描いていて、先生と呼ばれる人たちから直接言われた言葉である。わたしはこれまで、こう言った言葉たちを真正面から受け止め、傷ついてきた。


安い絵の具使ってるんでしょ、みればわかるよ


と言われたこともある。ちなみに、わたしが好きなイギリスのアーティストはダラーショップ(100均)で売っている絵の具を使って描くことで有名だ。土や新聞紙を使ってアートを作る人だっている。画材の値段なんて作品の価値と全く関係がない。


もし、絵を描こうとしていて、または新しいことを始めようとしていて、だれかの声に気持ちを阻まれているとしたら、それは大変、勿体無いことだ。


なぜなら、彼らは全員、ハエだからである。


わたしは、こういう言葉を発してくる人のことを、ハエと呼んでいる。


有毒ではない。噛み付いてはこない。でもブンブンと舞ってたしかにうるさい。殺虫剤でも使いたくなるが、人間に対してそれはできない。


わたしは、インドでこのうるさいハエとの付き合い方を学んだ。その話でもしようと思う。


インドを旅しているとその虫の多さにおどろくとおもう。特にハエ。ひっきりなしにハエがくる。それはどこにでもいる。たったいま、サーブされた料理にもハエがとまっているくらいである。


前に進みたいのに、目の前を舞って邪魔をする数十匹のハエ。彼らはただ、自由に飛んでいるだけなのだ。それが人の迷惑になっているなんて微塵も考えてない。


どうやって対処するか。それは、とても簡単だ。
前に進みたいときは、ただ、手を顔の前でバタバタとして、できるだけ追い払う。視界をつくり、前に進むだけ。またハエが来たら、手で追い払う。それを繰り返す。



わたしは一度、美大で教授に言われたことがある。


微熱さんは、そのうち絵を描かなくなるね。俺は何十年もこの仕事してるから見ればわかる。画家になれる人は描き続けるけど、微熱さんは途中でやめるだろう。


そのとき、わたしは思わず、目の前で手をバタバタ、として追い払う仕草をしてしまった。心で思っていることが身体にも現れてしまうことがあるのだ、と自分で自分に驚いた。でもそれは確かに効いた。


被害者振りたくはない。言いたいことは言えばいい。言論の自由があるのだから、私に何を言ったって、いいはずだ。


でも、覚えておきたいのは、何を言ってきても、相手は「ハエ」だということだ。ハエはブンブンと飛び、邪魔だ。でもそうやって生きているのだ。


あなたはあなたのしたいことをすればいい、と思う。私は私のしたいことをするから。やりたいと心にあることを、勇気を持ってすれば、必ずできるようになると思う。まずは小さなことから、踏み出してみてもいいかもしれない。何か楽しいことが起こるかもしれないから、やってみよう。


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