見出し画像

歴史考察 #143『お釈迦様はムスクの香り?』

こんにちは、véritéです。

柔軟剤などに含まれる人工的な香りで体調をくずす人が少なくない昨今。
香りを纏うことがぐぐっと減りましたが、80年代のサーファーブームと同時に人気だった「ムスク」の香りを私も好んで纏っていたものです。

そんな「ムスク」とは、オスの麝香鹿(ジャコウジカ)の香嚢(こうのう)に溜まる麝香腺分泌物から採れる香りで、嗅覚の一時中枢である嗅球の特定領域に入力され、高次脳へと伝わることが明らかにされており、フェロモンのような生理作用をもたらすとも言われています。

そのことから麝香鹿は乱獲され、昨今では絶滅の危機に…😢
そのため現在は、市場に出回っているほとんどが合成ムスクだそうです。

そして、鹿といって思い出されるのは「お釈迦様」です。
お釈迦様が過去世において菩薩の修行をしていた時、大きな群れの「鹿の王」だったというのです。

…であるならば、ジャコウジカから採取される「ムスク」の香りは、「お釈迦様=神の香り」ともとれますね。

そんな「ムスク」の歴史はとても古く、クレオパトラは ムスクの香りをあびるように使い、ローマの権力者アントニウスを魅了したといわれ、楊貴妃もまたムスクを身体に塗りたくっていたといわれ、また、イスラム社会でも「ムスク」は媚薬として使用されていたようです。
(「ムスク」は「モスク」にも似てますね~)

そんな「ムスク」の語源を調べてみますと、ジャコウジカの香嚢の見た目が睾丸に似ていることから、サンスクリット語で睾丸を意味するmuskaに由来するんだとか...

まもなく甘く優しい金木犀の香りが舞う季節が始まりますね✨
今秋も自然が生み出す香りの芸術をしっかりと体感したいと思います✨

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?