イェール大学で経験した人生を揺さぶる教え 先日、あるPodcast配信番組に出演させていただいたのですが、先方からの事前ヒアリングシートの中に、中村の「座右の銘」なるものを問う項目があり、自分自身が何を考えているのか再度考えさせられるよい機会になりました。 結局、その番組のなかでお話することはありませんでしたが、中村の「座右の銘」の一つにつながる思い出のエピソードを、今回は皆さまと共有したいと思います。 それは、中村がNASAからやってきた教授が行った講義で受けた、大
今回は、さる10月9日にお知らせした「英国Liverpool ChiroChem社(以下“LCC”と表記します)とのmRNAを標的とした低分子医薬品の共同創薬事業に関するパートナーシップ合意」、「三菱ガス化学(以下“MGC”と表記します)とのRNAを標的とした医薬品(核酸医薬)開発の共同事業に関するMOU締結」の2件の発表について、それらの意義等をご説明したいと思います。 スペシャリティファーマを目指す成長ロードマップ 本題に入る前にまずは、当社の成長戦略について押さえて
目指すのは”業界をリードする製薬企業“ 先日、展示会において開催された講演会に登壇する機会をいただき、久しぶりに展示会に参加しました。そこで懐かしい顔ぶれに再会しましたが、皆さんがそれぞれの道で大きな成功を収めていることをとても喜ばしく感じました。 展示会では、大企業から中小企業まで、各社がそれぞれの規模に応じたブースを出展していることを目の当たりにして、当社も将来的にはmRNA関連の創薬を主軸とした製薬会社すなわちスペシャリティファーマとして大きく成長し、大企業に伍して
今回は、先日(9月24日)発表した塩野義製薬との共同創薬研究におけるマイルストーン達成に関する適時開示について、中村からその裏側をお話したいと思います。 塩野義製薬との3年越しの関係が共同創薬研究として実を結ぶまで 塩野義製薬とは、中村が個人的に面識のあった方と息の長い(3年以上)お付き合いをさせいただく中で、当社のmRNA標的低分子創薬を紹介してきました。先方でmRNA標的低分子創薬に注目するエース級の研究者が登場したことをきっかけに、秘密保持契約のもとで共同創薬研究契
上場後半年間の歩み 当社株式上場後、新たな経営体制のもと約半年が経過しました。今では上場がはるか昔のことのように感じられます。この間に、上場企業としての責務を果たしつつ、これまでのプラットフォーム事業に加え、パイプラインを創出する事業を両立させるハイブリッド型のビジネスに移行するための体制・基盤を整備してきました。 ハイブリッド型ビジネスへの移行 当社は本来、純粋なプラットフォーム型のバイオテク企業です。このままプラットフォーム型のビジネスで安定した経営を続けるとい
今年は暑さだけではなく、突然の豪雨や雷にも悩まされ、地球環境の変化を日常から感じています。そのような地球環境の変化の中、当社はサステナビリティ経営に取り組んでいます。 中村が理解するサステナビリティ経営とは、 広い意味では、社会や環境の持続可能性に配慮した経営で、 狭い意味では、会社や事業の持続可能性をもたらす経営です。 この二つを両立させることが、当社のサステナビリティ経営です。 こうした考え方を踏まえて、日頃より取るべき経営戦略について議論しています。 脱炭素社会とは
mRNAを標的とする理由 当社は、現在主な事業としているmRNAを標的とした低分子創薬のプラットフォーム事業による低分子医薬品の創出に加え、同じくmRNAを標的とした核酸医薬品の自社パイプラインの創出に取り組み始めています。mRNAを標的とした医薬品が有効であることは、低分子医薬品より先に、核酸医薬品が徐々に市場に現れ、治療効果が得られていることから認知され始めています。 現在の医薬品市場において、低分子医薬品は市場全体の50%以上を占めており、優れた商材であることから、
リトリートの目的「相互理解と交流」は達成できたのか 前回のnoteでご紹介しましたが、リトリートとは本社がある東京拠点と創薬研究を行う新潟拠点および新川崎拠点で働く全社員が集まって実施する集合研修です。 先般、当社の取締役会で5月に開催したリトリートについて報告し、役員からも様々な意見が出ました。多くの意見が好意的であった一方で、リトリートの主要な目的の一つである「相互理解と交流」が完全には達成されなかったのではないかという指摘もありました。中村としても、まだまだ改善の余
VISは、コロナ禍で長らく実施を見送っていた全社員参加の集合研修「Retreat」を今年から再開しました。再開第1回目は、5月27日から2泊3日@越後湯沢です。 VIS流のリトリートとは VISには本社がある東京拠点と創薬研究を行う新潟拠点および新川崎拠点があります。それぞれの地域で働く社員の相互理解を深めて一つのチームとして最大限の力を発揮するために、年に2回の集合研修を行っておりました。そのうち、春頃に行うものをRetreat、秋頃に行うものをRallyと呼んでいます
先日、ある製薬会社を退職された方々とお会いする機会がありました。 その中で様々な示唆に富んだお話をお聞きしましたので、あくまでも他社事例からの一般論ですがお話ししたいと思います。 製薬業界では、タンパク質を標的とした従来型の低分子創薬プロジェクトは、かなりの確率で失敗すると言われています。タンパク質の標的部位は非常に限られており、一度プロジェクトが失敗すると同じタンパク質に対して再挑戦することが困難です。すなわち多くのプロジェクトでは、「中断する」という判断の方が正しい確率が
みなさま、初めまして。株式会社Velitas In Silico(VIS) 代表取締役社長の中村慎吾と申します。当社は2016年に創業した、mRNAを標的とする低分子創薬のプラットフォーム事業を展開するバイオテク企業で、2024年2月には東京証券取引所グロース市場に上場いたしました。 上場を機に、VISの活動や理念を中村の言葉を通じて広く知っていただきたいと思い、これからはnoteを通じて発信していくことにしました。 まずは中村の自己紹介 私は科学者を志し、情報工学、有機