みんなのわたしとわたしのわたし

わたしは、いい子だね、できる子だね、明るいね、優しいね、と言われる。でも実際そんなんじゃない。いい子じゃない。できる子じゃない。明るくない。優しくない。全部全部違うのに、そうやって押し付けてくる。悪気が無いのは分かっている。でも正直しんどい。完璧でいなくちゃいけないってそう思う毎日が苦しい。

家の外では取り繕った自分。せめて家の中だけはわたしでいたい。完璧じゃないわたし。でも、それもできない。親からの期待に応えなくてはいけない。親は嫌いじゃないけど、わたしに期待しすぎている。弟にも期待しすぎている。できると思っているから言っている、そう言われる。でもそれが重荷で、わたしたちを追い込んでいる。

わたしが疲れたような姿を見せると、分かりやすいね、と言う。見せたらだめなの?隠せってことなの?そういう親は、疲れると不機嫌になる。気を使わなくてはならなくなる。理不尽だ。ずるい。

親はわたしを分かった気でいる。全然分かりもしないのに。わたしは一度大きな悩みを伝えたことがある。その時に言われた言葉は、
「こういうのはもっとつらい人がなるの、だから違う。」
と。わたしは忘れられない。もう打ち明けたくない。もしこの先大きなことで悩んでも伝えられない。否定されるから。頑張って言葉にしたのに否定される。

わたしは頑張らなくてはいけないらしい。耐えなくてはいけないらしい。期待に応えなくてはならないらしい。みんなのわたしでい続けなくてはいけないらしい。家族というわたしにとって一番の存在にも頼ることが出来ない。正直息が詰まる。

こうやって少しずつわたしが擦り減ってゆく。


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