見出し画像

御手紙

きっと長くなるだろう。これは誰かに読んでもらいたいというよりはわたしが残したい、とそう思う。

わたしは大学で、あるひとりの子と出逢った。彼女の第一印象は「服装が素敵」であった。彼女が纏う服はどれも個性的でわたしがときめくものばかりであった。

彼女とはある授業がきっかけで言葉を交わすようになり、SNSを交換し、友達関係へと発展した。

彼女の発信するSNSを観てゆくうちにわたしと同じような匂いを感じた。彼女も何かを抱えて生活をしている。何かを抱えながら毎日をこなしている、そう思った。

わたしは彼女と二人でお話する機会を伺っていた。何処かへ行こうと誘ってみた。彼女もそう思ってくれていたようで、その日は決まった。その日が来るのをずっと待っていた。

当日、わたしたちは公園へ向かった。特別天気が良いわけでは無かったけれど、丁度良かった。わたしは、彼女にわたしの心の内を伝えた。伝えたかった。きっと分かってくれるとそう思ったから。

彼女は分かってくれた。彼女と知り合ってからあまり時は経っていないのに、彼女はわたしのことを分かっていた。知っていた。まるで昔からの友達、親友、幼馴染のように。いや、それ以上に。

共感されることが苦手なわたしが共感されることに安心を覚えた。救われた。伝えて良かったと、はじめて思えた。「この大学に来た理由が見つかった」わたしはそう思った。

わたしはこのありがとうの想いを彼女に伝える為に御手紙を贈った。その応えが今日届いた。

御手紙の返信が来ると分かっていたからこそ、毎日そわそわしていた。そして、今日の夕方頃ポストに素敵な封筒を目にした。すぐに開きたかったが、ゆっくりと落ち着いて読みたかったため、夜まで我慢をした。

封筒、煌めく太陽が描かれていた。便箋、折り方に丁寧さを感じた。綴られた言葉、わたしの為に綴られた言葉、特別だった。これからも彼女を大切にしてゆきたい。彼女との繋がりを無くしたくない。そう思った瞬間でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?