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博打雑感 2 技術介入について (古き良き時代のパチンコ攻略法覚書)

相変わらず長文失礼します。

総武線沿線のあるフリー雀荘で知り合った関西から来たお兄さん。大阪方面で雀荘を経営しながら、東京でも店舗を開業したいとのことで、あちこち下見していた。フリー雀荘と言っても、今のようなものではなく、1980年くらいの場合は、セットで打てないような、どちらかというとお金のある旦那や、そこに蠢くプロみたいなのが、暗黙に集まって卓を立てることができるような雀荘が多く(その究極が違法のマンション麻雀)、例の「桜井章一」さんがモデルの「雀鬼」で出てくる新宿の雀荘のような感じのものだったのだが、そこは比較的サラリーマンの客が多く、マナーにもうるさく、レートも200円くらいが上限で、ウマもワン・ツー程度の良心的なお店だったので、僕もたまに安目のレートの面子が揃うときは遊びに行っていた。もちろん自動卓などなく、伏せ牌、きちんと17列を手積み、サイコロ2度振りは当たり前であった。もうとっくになくなっているので、「離宮」という名前だけ出しておこう。覚えている方がいるかもしれません。今、その名前で検索すると田舎(失礼か?)のほうの雀荘が出てくるが、これは関係ないようです。

さて、話しは麻雀ではなく、実はパチンコなのだが、もう少し続けると、その気さくなお兄さんと結構仲良くなり、数半荘したあと、近くで飲むことになり、何回か同じ店で会うと、ちょっと情報ということで、当時出たばかりのデジパチの西陣turboXには攻略法があるぞとのこと。僕が通っていた大学(僕は大学院だが)の近くの駅のそばにある「コメット(今もあるらしい)」というパチンコ店にも置いてあって、その台が設置してある列はお客で一杯だった!僕が出入りしていたパチンコ店にはこのturboXと同じ西陣のturboL(Rじゃないよ)、別の店には三共フィーバー、あとは初代Bravoなどが見受けられた。これらが、本当に初期のデジパチで(他にもあったようだが)、そのどれにも目押しという攻略法が存在したようだが、僕にはこのturboX攻略という僥倖が回ってきた。

この攻略法はネットで検索しても、なかなか出てこないので、簡単に説明すると。2通りあって、一つは回転の音と連動して、左に7を出すタイミングをいくつか覚え、真ん中の数字とのずれをそのタイミング以外の音でどれだけ合わせられるかを探るやり方で、一番右に7が出るかどうかだけは運というもの。例えば、音が5回で76xと出て、同じタイミングで押すと次は73xとか72xとなるとき、音が13回ならその72xが74xになり、音が19回なら79xになるというように、真ん中の数字の上がり下がりのパターンから頭の2個を77xと揃えて、最後のxは運任せというもの。もう一つは、一番右の数字の切れ目(6の時だけデジタルの数字の右上が切れる)のタイミングでx77と揃えていくやり方で原理は左からと同じであった。どちらのやり方でも、だいたい20回デジタルが回転すれば、当たりを引けたが、すでにクセが分かっている台なら10回程度で何とかなった!僕がその攻略法(最初は結構練習が必要だった)を覚えたとき、僕が出入りしているお店にはプロらしき人は皆無だった。それに、比較的目立たない店や、駅から少し離れた店を選んでいたので、最初ははっきり言ってやり放題だった。それに当時、僕はすでに非常勤講師として大学で教え始めていたので、今では滅多に着ないけど、ほぼいつもスーツ姿で真面目なサラリーマン風だったのも幸いした(上記の雀荘でもスーツ姿で、せいぜいネクタイを外す程度まで)。一番お世話になったのは、両国駅そばの「ダイコクヤ」とかいうお店で、今は店名が変わっているか、なくなっているかと思う。実は、友人にパチ好きがいて、これが攻略法を信じない奴で(教えようとしても覚えなかった)、二人で行っては、僕が攻略、そいつが普通に打つという、ある意味そいつが負けるので、その陰に隠れて、そっと儲けさせてもらった。駅名だけ言うと、四谷(地下鉄の四谷3丁目も含め)から本八幡あたりまでが守備範囲だった。

さて、今ならこんな攻略法は数日(1日かも?)で出回って、お店も対策するだろうが(turboXも最終的に目押しをすると頭に7が出ないように対策されるか、目押しができないようにされて、それが法的に問題があるということで撤去になった)、インターネットも携帯もない当時は、僕が出入りしていた店で、プロらしき奴を見受けるのに、数週間はかかったと思う。両国にも現れ始めたのだが、中にはマナーの悪い奴がいて、台の皿に回転数の数字を鍵かなんかで刻んで傷つける奴もいて、店員と仲の良い僕の友人に言わせて、店を出禁にしてもらったこともある。それでも、まだ、お店には数名のいつも同じ奴が何故すぐに当たりを出せるのかは分かっていなかったようだ。

その両国のお店に、年齢がかなり離れていそうな二人組が現れて、右から揃える攻略法で出し始めた。僕はそのお店では台の癖がわかっているので、左から揃えるやり方でやっていたが、どうもそれを知らないらしく、僕の近くで僕のやり方をじっと見ているではないか。そこでは、言葉を交わさなかったが、後日、神楽坂のお店では、その二人組の若い方がいて、僕に「上手いねえ」と声をかけてきた。その後ずっとこの初期の攻略法が滅びるまでいっしょにあちこち回った「ケンちゃん」である。本名は忘れたが、本業は丸〇ふとんの営業マンで、仕事が面白くなく、辞めたいと思っていたところに、この攻略法を知ったとのこと。両国で一緒にいたのは仕事仲間の先輩だったそうで、その方もあちこち回っているとのことだった。

その後、かなりの人数が攻略法を知っている状況になって、神楽坂のそのお店なんかは20人以上が攻略法をやっていて、チャッカーの釘も相当渋くなっていた。ここまで来ると、さすがにこのturboXは攻略法が使えなくなったが、ケンちゃんと仲良くなったおかげで、2機種ほど攻略できることになった。一つは三共(三洋だったかな?)パニックの一番最初の機種で、これは覚えてしまえば本当に簡単だった。というのは、連続して保留回転しているときは、足し算に法則があって、パターンに入れば、目押ししなくてもよいというものだった。なので、目押ししないで打つのも止めて、当たりが出るので、店員も不思議そうに見ていた。そのあとは京楽のサンスカーレットで、これは詳しい攻略法がネットでも調べられるので見て欲しいが、タイミング目押しにかなりの習熟が必要だったが、turboXで慣れていたので、すぐにマスターした。

いつからいつまで、この3機種の攻略をして、どのくらい稼いで、その後はどうなったの?

本当に期間は覚えていないくらいあっという間だったけど、最後は新小岩でのサンスカーレットがあるお店で、ほとんど全台がプロで占められているという状況を見て、そこで終わりと、打ち上げをした覚えがある。その後ケンちゃんとはしばらくして、音信不通に。多分僕より少し若かったと思うので、まだどこかにいるかもしれない。僕は博士課程の大学院生だったので、授業や研究会などの部分と、あと非常勤講師もしていたので、それは疎かにせず、専ら夕方以降にいくつかのお店に出入りしていたし、曜日によっては塾のバイトもしていたので、パチンコは一時所得と割り切り、こちらもそれがなくなったあとは生活に必要なのできちんとやっていた。稼いだお金。もう税金も時効だからいいだろう。パチンコのあとはケンちゃんと居酒屋で結構豪勢に飲み食いして、タクシーで帰って(ケンちゃんはサウナに泊まっていたなあ)、当時ワンセット100万以上のマイコンを購入(パソコンとは呼んでなかった)、夏休みにはのんびりとスペイン旅行をしても、まだ余っていた。周りはバブル景気の真っただ中だった!

エピソードを一つ、新小岩のあるお店で出禁になった。僕はスーツでサラリーマン風で目を付けられていなかったが、ケンちゃんが睨まれていて、彼とちょっと会話を交わしたあとに、二人とも事務所に呼ばれ、今日は好きなだけ出してよいから、明日から来るなと言い渡された。

さて、ここまで過去の栄光をだらだらと書いて、何が言いたいか?

技術介入(きちんとした攻略法)がなければ博打には勝てないということだ!その後、いくつかの攻略法は試したが、すでに遅かった。先に儲けている奴がいて、おこぼれはほんの少しだけで、下手するとガチガチの釘でマイナスになりかねなかったし、さらには体感機という面倒な攻略法には手を出さなかったので、そのあと、今までパチンコは一切やっていない!(スロットの攻略法だけ少しやった:平成の初めくらいだったかな)

人が作った博打という仕組みには、勝つ方法が様々にあるとは思うが、それは上記のように技術介入できるか(攻略法に習熟するか、麻雀のような場合は、しっかりと技量を磨いてトータルで勝てるようにするか)どうかにかかっていると言うこと。というわけで、技術介入ができない程度の趣味の博打は僕には無理となってしまった。ある意味、貴重な体験をパチンコは授けてくれた。おかげで、最近問題になっているギャンブル中毒にならずに済んでいる。はっきり言って技術介入ができない今のパチンコは人を泥沼に陥れると思う。また、この姿勢が、実は学者や教師としての姿勢にも影響して、学生たちにしっかりとした教育ができてきたと思っている。

★まったく技術介入できないわけではないと思うし、ひょっとしたら一部勝っている人もいるかもしれないが、そのあたりは最近詳しくないので、間違っていたらごめんなさい。あと、問題は寺銭のある競馬(競輪他)がどうなのかという問題については、改めて書こうと思う。

自己満足かな?!

(続く)




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