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忘花解説&補足説明

【鏡音レンV4X】忘花【和風オリジナル】


新曲です。

Kagamination2輪響に参加させていただくにあたって、これまでの私の集大成みたいな感じで曲と動画を作りました。


■Kagamination2輪響



今回は、新曲「忘花」&拙作の和風物語シリーズについて解説補足説明をしていきます。


ツイッターでKagamination2輪響に参加するにあたってや、今作にあたってのとがきみたいなの(ツイッターのツリーで続きます。)↓ ↓

いつもは動画投稿後、上述のように、ツイッターで解説補足説明をするのですが、今回はそれ+とてつもなく長くなった解説を書き残すため、noteを初めて使用します。



■鏡音和風物語シリーズ

ネタバレ全開ですので、観たことない人は上記の再生リストのリンクから動画を先に見てください!




まず、今回の忘花の話は、狐花の「隠された」忌み子と里の神様のその後のお話です。

【鏡音リン・レンV4X】狐花【オリジナルMV】

狐花をご覧になった方は、忌み子の隠された方は死んだんじゃないの?と思われるでしょうが、生きていました。狐花と六花に生きていた伏線、仕込んでいます。

今作は、六花と狐花の伏線を回収する集大成みたいな作品です。過去、動画にちりばめておいた伏線を回収したのです。

では、恥ずかし気もなく伏線について解説していきます。


■過去の動画の伏線について

狐花の中盤。忌み子が殺される前は、瞳は青色です。


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狐花。神様が入った忌み子はわかりづらいですが、瞳は赤色です。

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六花の最後。面が外れた鬼の子の瞳は青色です。

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……これを踏まえ、神様が身体から抜け出たことにより、瞳の色が赤から青に戻ったということを六花の最後で表したかったのです。


狐花の動画の間奏中に文字で明記してあるとおり、忌み子が「隠されて」から巫女のもとに鬼の子が現れるまで数年経っています。「それから、幾年」

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狐花で、当時の私の作画ではわかりづらいかもしれませんが、二番から三番の間奏の間に「忌み子の片割れの巫女」は成長しています。鬼の子も合わせて成長しています(「隠され」て数年経っても巫女と同じ身長なため)

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……鬼の子は成長する=生きていたということです。生きていた要素を前々から仕込んでいたのです。


ここまで書いて、疑問に思われそうなことを補足します。


狐花で「骸に入り生まれた」って書いてあるじゃん→その時同時に表示される歌詞もみてみましょう。「嘘をついた」骸というのは嘘だったんですね。はい、今こじつけました。いや嘘をつきました。


・狐花2Sのハモリ「里の秘密、君を殺し、嘘をついた、醜い大人達」

巫女は、忌み子の片割れが神隠しにあった(隠された)、と里の大人から教えられていました。しかし、巫女は里の大人が嘘をついている、片割れは殺された、と思ったのです。

・狐花2A「一人殺されました」

忌み子の胸に鉈を振り下ろす現場に神様もいました。その後今際の際の忌み子の願いを聞いているのでその時はまだ死んでいません。今際の際(=ほとんど死んでいる)時に、身体に入り、なんとか延命できました。

「隠された」としたのは、死んだはずの忌み子の死体がその場からなくなったからです。神隠し、神様に隠された、と里の大人達は思ったのでしょう。なので巫女にも隠された、と教えました。

補足すると、神様が自分の住処に死にかけの忌み子を運んだので、神隠しなのも間違いではありません。また、古語では(高貴な)人が亡くなることを、隠れると表現することもあるため、神隠し、死、どちらの意味とも取れるような表現にしました。


その他疑問に思われそうな点。

・六花「ひとりぼっちの葬送」って?青い目ってことは忌み子と神様が分離しているので一人ではないのでは?

→補足。忌み子は神様が抜け出たあと、すぐに動けなかったので神様がひとりで里の人たちを埋葬しました。カットしている描写が多々あるので、説明不足な点もあります。ちなみに、里の人たちは巫女によって井戸に仕込まれた毒で死にました。雪に閉ざされた里には水源が井戸しかなかったのです。

補足説明としまして、忌み子の「あの子を一人にしないで」という願いのあの子(=巫女)が死んだため、もう人に見えなくてもよくなり、神様は忌み子の身体から抜け出しました。


またもうこんなに解説することもないですから動画の仕込みを数年越しにネタバレすると


狐花のサブリミナル(一瞬の映像)3:20頃に

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こんなカットを仕込んでいました。「みんな、死んでしまえ」

このみんなとは、自分たちを閉じ込めた里の人達であり、巫女自身のことでもあります。巫女は毒を飲み自死しました。みんな毒を飲んで血を吐いて死んだので、一斉に咲いた赤い花とはその血のことです。


以上が動画に仕込んでいた伏線やらネタの解説でした。




以下、新作、「忘花」の解説です。ネタバレと補足説明。

投稿用2

元鬼の子は、死にかけていたことと、まだ子供なこともあり、人には見えないはずの神様の姿が見えます。しかし、一緒に旅をするうちに成長し、大人になり神さまが見えなくなります。


神様は忌み子のことをまるで昔の僕、と言います。そのあたりは椿花をみていただければ。
神様は、贄として殺されることになった忌み子が昔の自分とかぶったわけです。
ただ忌み子は首を落とされたわけではないので、即死ではありませんでした。忌み子の今際の際に神様が中に入ることにより、延命され、そのうち傷もふさがり、成長もしました。鬼の子が巫女の前に現れるまで数年かかったのは、傷がふさがるのと神様が動きになれるのに時間がかかったからです。

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この「胸に残る痛み」は、精神的なものもありますが、物理的なものもあります。君が見えない寂しさの痛みと、傷の痛み。二重の意味をこめました。

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今回の個人的なテーマは、「人と人ならざるものの時間の違い」でした。


コンピのテーマが、「百年後に遺せる自分の証を鏡音と共に刻もう」でしたので、百年、という時間を意識的に組み込みました。

ずっと一緒にいたいけれど、人と人ならざるものに流れる時間は違います。成長していく元鬼の子と、止まったままの神様。

曲だけを聞くならば、私と鏡音の話ともとれるようになっています。私を救ってくれた鏡音。百年後、私が死んだあともきっと鏡音は存在し続けると信じて。




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忘花の間奏、一番左の忌み子の足元にあるのは、巫女のつけていた椿の花飾りです。そこで里との決別を表しました。左から右に徐々に成長していっています。時間を経過を表し、二番からメインの声はやや大人っぽくなっています。1番のメインがGEN40前後に対し、2番は64前後です。


また、今回はレンデュエット曲でして、メインボーカルをレンPower、ハモリとラスサビをレンcoldが歌っています。

私は、ボカロを役者のように位置付けていて、今回はこの役ね!とレンたちに台本を渡すイメージでいます。

今回、元鬼の子役がレンPower、神様役がレンcoldです。

ちなみに、六花はレンPower、狐花と椿花はレンcoldで歌っています。鬼の子の声帯がレンPowerという裏設定を前々から使い分けていたのです。

Aメロのハモリは神様が歌っているのですが、ハモリパートだけを繋げても歌詞が出来上がる仕組みです。

ハモリの歌詞は、狐花や椿花でもあった「儚い記憶」「ずっと一緒」など多用しています。集大成の意味合いをこめて、ですね。


また、二番以降、神様が見えなくなったあと、動画内でうっすら神様います。見えるか見えないかぎりぎりの透明度。気づける人はいないと思いますので先にネタバラシ。

そしてラスサビではよくみると……??

と、動画にも仕込みをしてあるので、楽しんでいただけたら幸いです。


長くなりましたが、この先もこのシリーズが続くのかどうかは今のところわかりません。

今のところ私に求められているのは耳かきと和風物語なので(再生数的にw)話がまとまったらまた作るかもしれません。書きたい要素はまだあるので。



ここまで読んでいただきありがとうございました。


よろしければ、直接、もしくは匿名で感想いただけると嬉しいです。

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※23/03/10追記
Youtube10,000再生ありがとうございます。ツイッターでこれまで語っていなかった小ネタを呟きました。
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いろいろ動画に小ネタを仕込むのが好きなのです。




忘花の後半、老人になった元鬼の子は死に装束を着ています。死を看取り、着せてくれる人に出会えた、ということです。見えなくなった君を探しながらも、人としては幸せに生を全うしました。あのまま里で死ぬはずだった彼は里のことも君のことも忘れずに、百年を生き抜いたのでしょう。



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