テレビ⇔ラジオ で思うこと

 ラジオと言うのは恐ろしいもので、パーソナリティとリスナーの距離感がしばしばとんでもなく近くなってしまうなかなか稀有なメディアだと思います。冗談や面白さが分かるリスナーは、パーソナリティのことをけちょんけちょんにいじるし、逆にパーソナリティがリスナーをボロクソにいじることもある。メールやはがきを媒介にこんなことが結構起こっているんですよね。これがラジオの面白さだと思うんですけども。

 で、そんな状態のままテレビに戻るんです。そのテレビの画面には、日頃メールでいじっているパーソナリティや、自分のことをけちょんけちょんにいじってくるパーソナリティが出ています。そのような姿を見ると、「こんなすごい人に名前覚えてもらっているんだ…」「こんな有名な人にいじられてると思うと…」と、否が応でも感じてしまいます。


 例えば自分はこれまで、南海キャンディーズの山里亮太さんのことは、とても自分からは遠いところにいるすごい芸人さんだと思っていました。でも、JUNK不毛な議論を知り、次いで赤江珠緒たまむすびを知り、次第にメールも読まれるようになり、山里さん、ボスに名前を覚えてもらって。あるときのメールテーマ「山里が尊敬されない理由」なんて、失礼なことも書いたものです。ラジオのおかげで、山里さんのことをもっと知れて、心の距離も近くなったかなと思いつつ、やっぱりテレビに映る山里さんは、その巧みな話術で番組を盛り上げるまさにプロの芸人なんです。やっぱりすげえ…と思ってしまいます。

 最近ではOfficial髭男dismの楢﨑誠さんもそんな感じになってきました。ふとしたきっかけでエフエム富士の「ロヂウラベース」を聴きだして、怪しい音源を送ったり、奇怪な恋愛小説紛いを送ったりするようになりました。ならちゃんはそれを見て聴いて、「こいつムカつくなwwww」「最後の締めの句だけ綺麗にすればいいと思ってんだろwwww」「え?ヴェルが歌ってんの?下手だなあ~wwww」「お、ヴェルファイアのゴールデンアイズ2が送ってきやがった」など、ものすごい勢いでいじってきます。番組内でそのようなポジションでいられるのは凄いことだし美味しいな、でも雑すぎるよ…wwと思いながら、音楽番組を見るんです。そこにいるのは颯爽とベース、サックスを奏でるプロのミュージシャンなんです。ラジオじゃあんな感じだけど、やっぱこの人すごいよ…って思わざるを得ません。


 ギャップ、という言葉では片づけられない何かがあると思います。本業で活躍しているときも、ラジオで素に戻ってここまでリスナーさんと楽しんでいるときも、どっちも好きだしカッコいいと思うんです。そして、こういう関係を築けるラジオってやっぱすげえんだなあ…としみじみ感じます。だからと言ってあまりにも関係が近いことをいいことに、好きかってやり過ぎるのもまた許されないわけで。適度な距離感、これは忘れちゃいけないなと。リスナーとして気をつけて行かないと、と日々考えています。

 そしてそんなカッコよさにハマって、惹かれて、今ラジオを聴いているし、テレビやライブにも興味が出てきたというのもあるんです。ずっとカッコいいままの人たちでいてほしいなって、勝手に思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?