見出し画像

藤尾が振り返るどうして演劇なんだっけ#ふふえん

まずはこちらを読んでください。

久々にnoteです。こんばんは。元気ですか。

わたしは元気です。すっかり書かなくなってました。文章を書くのは好きなんですけど、書くほどのことがない毎日を送っていました。一年ほど。
退屈でした。例のアレは退屈をもたらしました。いろいろ奪われた気がするけど、退屈は人を殺すということを教えてくれましたね。退屈は人を殺すってこれなんのセリフでしたっけ。すごく好きなワードなんですけど元が思い出せません。
記憶力が著しく低下している気がします。滑舌も。感受性も。最近どうしてる?って聞かれた時の返答も。
前までは色々話せてたと思うんですけどね。近頃はもう。ひたすら家にいますしか言えてないです。嘘がつけないタイプなので仕方がないですかね。
ひたすら家にいるんです。この一ヶ月間もそうです。また宣言延長されたら終わらない夏休み状態です。人間社会に帰れる気がしません。
誰とも会わず引きこもり続けて、引っ越したてで何もない新居、どこに何があるか分からない土地、せいぜい駅前スーパーか最寄りのコンビニと家とを往復するだけの毎日。退屈ですね。
嘘です。スーパーやコンビニに行かない日の方が多いです。買い足しが必要なければ家から一歩も出ません。ネット回線引いてアマプラ契約さえしたら好きなだけ映画が観まくれるんです。幸せですね。便利ですね。贅沢です。日がな一日誰とも会わず話さず、真っ白な壁紙に真っ黒な家具の置かれた静かな家でただただ昔好きだった映画や観たことなかった映画を観続けていました。

ひとりが好きなので、思ったほどつらくはなかったです。
でも色んなものが衰えるんですね。

上半身だけ少し痩せました。と、思いましたらこれは違ったんですね。下半身にだけ肉がついたんです。これも若干違います。僅かに残されていた下半身の筋肉が脂肪に変異したんです。
姿勢も悪くなりました。声も出にくくなりました。誰とも話さないから新しく何かを覚える必要もなく、記憶力も低くなりました。人はこうして老いていくのかと思うと少しゾッとしました。
こわくないですか。まだその時じゃないと思っていたのに如実に老化を感じてしまう。それも本来ならまだ避けられていた筈の速度の老化。
とかく人間社会というものが苦手な十代から二十代を過ごしてきましたが、今になって気付かされました。わたしは人間社会によって人間として保たれていたんだなと。
ああここまで書いてもう疲労がマックスです。これあの、初立ち稽古から帰ってきて一杯飲みながら書いてるんですけどもう疲れ切った体に染み込むアルコールの威力たるや、これは凄まじいものがありますね。忘れてました。もう爪先までポカポカです。
ちょっともう一本空けちゃおうかな。なんかつまめるものーは今ないなぁ買いに行っちゃおうかな、今は22時半なのでスーパーがまだ開いちゃってるなぁ。
続きはまた明日。ひとまずここまで。

これは初立ち稽古の日の夜に書いたやつです。日記はここで終わっている…。
その後noteの存在をまた完全に忘れて今まで来ました。ほらそれよりもまずセリフを覚えなきゃってなってたしね。
お陰様で少しは脳が再起動してきたようで、セリフもなんやかんや入り、動きも入り、出捌けの方向やらきっかけやらも入り、うんうんよかった。まだ脳は無事です。

さて7月10日から始まってしまいます、女の子と振り返る「どうして演劇なんだっけ」。始まってしまいますよ〜〜〜ご予約まだですか〜〜〜ご予約ください〜〜〜!!

Bチームの共演者が自身がなぜ演劇を始めたのかを続々と語り出しています。知り合ってそこそこの年月が経ちますが、そうか、知らなかったなぁ。みんな良い文章を書くなぁ。情景や当時の心象まで想像させられます。


わたしがなんで演劇始めたのかは話すと長くなるので端的に。
人に流されて。
あと黙らせたい人がいたから。
です。なんともコメントし難いですね。
生のエネルギーパンチでなんでも殴り飛ばせちゃうような、そんな凄みというかやれることというか、なんかそんなようなのがわたしにとっては演劇だったということですかね。

みなさんにもあるでしょう。腹に隠した生のエネルギーパンチが。振りかざしたくなる時があるでしょう。時に静かに時に激しく。穏やかに衝動的に。あるある。


さて、(?)
演劇に関する物語なので、演劇にまつわる話をしようかな。
女の子と振り返る「どうして演劇なんだっけ」はまず、演劇やってた女の子(アラサー)5人が自殺をしようと駅のホームから飛び込もうとして-邂逅-するところから始まります。そんで公園のベンチでお酒飲みながら演劇のヤだった事とかやいのやいの話したりするんですね。


ヤだった事ねぇ。
見る人が見たらあ、あの舞台のことね!って特定できちゃうようなことは書いてはならんからねぇ。ふ、不穏〜〜〜wwww
こういうこと書くのは意地が悪いですね。楽しい舞台ばかりでした。ほんとほんと。人は二度同じ言葉を繰り返す時は…。


あ、あのね数年前に出た舞台でね。
本番中に意識飛んだことあるんですよ。

長セリフがあってね、なんか科学者っぽい役で、主人公の男の子に研究内容をツラツラ説明するセリフがあったんだけど。
本番中、あれは中日過ぎたくらいだったかな。その長セリフの最中にふっと気がついたのいきなり。
気がついたら寝てるみたいなのあるじゃんすか。あるじゃんすか?あるじゃんすかよ。でハッと目が覚めるみたいな。
それ。それが起きたんですよ長セリフ中に。お客様の目の前で。本番中。

「うわぁぁぁあああああッ!!!!」

って思って。頭の中。もう冷や汗ダラダラで心臓ドコドコで。
でも口は淀みなく台詞言ってるの。こわくない?脳どんな働きしてんだよ今って思ってたそん時。でもたぶんあれ脳を介してなかったわ。もう口が動きを覚えててそれをただ回してるだけみたいなあれだった。ピアノとか習ってた人なら分かると思うんだけど、頭じゃなくて指が覚えるみたいなのあるじゃんすか。あれの口ver.って感じ。
頭の中パニックパニックでどう謝ろうどうしようどうしようってなってるのに口はスラスラスラスラセリフ言ってて。

そんで捌けるじゃん。楽屋モニターで見てた共演者に「今わたしやばかったですよね!?」って聞いたらみんな「え?なにが?」って。
いや今完全に意識飛んでたっていうか一瞬寝落ちたみたいな感覚あって、台詞止まってましたよね!?って聞いたら、ううん別に。え、いつも通りだったよ何も止まってないよって。
その後捌けてきた主人公の男の子にさっきのこと聞いたらえ、止まってませんでしたよって。

こわくない?

もうね、いやわたし舞台上でセリフ飛んだことはないんだけどさ。それよりこわいと思うのよ。本番中に意識飛ぶてなに?

あともう一個こわかったのがね。上の話よりさらに数年前の舞台。
劇中で別の出演者が置いていった剣で、主人公の男の子の首にその剣突きつけて「この首跳ね飛ばしてやる」って凄むシーンがあって。
ある日の本番中ね、劇中いつもどの辺りに剣が置かれるかなーってさりげなく確認するんだけど、なかったのよ。
なかったのよいつもある筈の剣が。
もうパニックですよ。

剣がなーーーーーい!!!!

って心臓ドコドコ手ブルブル。え!?もう二、三こと台詞交わしたら剣拾って首に突きつけて「この首跳ね飛ばして…
セリフ言いながら立ち上がって、ワーワーどうしよどうしよって思いつつやっぱりセリフ言ってて口は。主人公の首に手をかけて、あ、よし「この首へし折ってやる」って言おう。「この首へし折ってやる」
で、ちょっと震えながら捌けていって。

捌け口で共演者みんな固唾!って感じの顔で待ってて、えーなんでなんでなんで剣どうしてぇって泣きついたら、その直前のシーンで剣の骨組みが折れちゃってて回収せざるを得なかったと。
それは回収してくれてありがとうだった本当に。気付かず手に取って折れてたらもっとパニックだった。
やーでもあの時もセリフ止まらなくてよかった。


演劇のヤだった事っていうか、こわかった事だなこれ。
でもそういう、不慮のことって起きるんですよね舞台って。一緒にシーン出る筈の人がいなくて咄嗟にその人のセリフも言うとか。これを出トチりと言うんですけどね。


まぁだから、セリフ覚えるのって大事だな(当たり前)


また数年前の話になるんだけど、脚本と演出やった時もあって。
その時の出演者にね、なんか色々諸々あってわたし椅子蹴っ飛ばして怒っちゃったことがあるんですよね。パワハラですよ。まだパワハラという言葉はなかった頃。
ただただ腹が立ったってだけで、全然作品のこととか、芝居のためとかで怒ってたわけじゃなかったな。
よくないことをした。今は反省してる。

でもきっとあの時のことはあの人にとって演劇のヤだった事になってるだろうな。

稽古中に出演者が出演者の恋人寝とってその恋人(浮気した本人)が病んで倒れて、寝取られた出演者が傷ついた心の拠り所にわたしに寄ってきて何しにきてんだあんたら!!!!って怒ったこともあった。そりゃ怒るわ。クソみたいな座組内恋愛。そういうのは全部終わってからやろうぜぇ!?!?



あと、誰も悪くないのに勝手に押しつぶされそうになったりもした。

21歳の時事務所に入った。そこそこの期間在籍したけどもう辞めました。方針が合わなくっちゃって。
でもその事務所に合格しました、これから演劇やっていきたいって親に話した時。そりゃもう嬉しそうだった。娘には華々しい未来が待ってるんだと期待一色の顔だった。
演劇に夢を見てるのは案外当事者ではなくて、周りの人なのかもしれない。その時そう思った。

期待には応えられなかった。大きな舞台にも出たしちっちゃくCMにも出たし、有難いことに応援してくれる人(ファン)もいる。
でも周りが思ってるよりずっとスケールの小さいことだった。
案外今わたしは、昔のわたしがやりたいと思っていたことをやれていて、自分に一番合った人生を送れている。から、幸せなのだけど。
自分が知らない世界のことは0か100かで測ってしまうのはそれはもうわたしにも言えることだし責められたことじゃない。成功orDIE。わたしもむしろ結構その考え方をしがち。
今多分25〜いってて40くらいレベルの生き方は、見る人が見れば何の意味があるのって生き方かもしれん。
「そろそろだね」とか言われる。「いつか辞めるんでしょ?」とかも。「いいの?」とかね。はい。
昔は言われるたびに腹が立った。そいつらを黙らせてやろうと思った。わたしの生のエネルギーパンチで。演劇で。
(今でも思ってる。)

良いんだわたしはこれが。
演劇やってて嫌なことはたくさんある。こわいこともたくさんある。でもわたしはセリフを覚えられる。少々お時間いただきますけどね。へっへへ!
意識飛ぼうが小道具なかろうが出演者が出トチろうがセリフを出せる。こう言い切っちゃうと失敗した時がこわい。それもまた演劇のこわい思い出になるんだろうかな。
いつか演劇が嫌いになる時がくるのかな。
まぁこないだろうな。


来年再来年も演劇やってるか正直わからなくなってきた。単純に、機会の問題で。
去年例のアレで舞台中止になった時、退屈で、退屈で本当に。退屈は人を殺せるってあれ本当だと思った。

これからももしかしたら、出ますと言えた舞台が中止になるかもしれない。
だから今までね、わたしは、「つぎはもっとうまくやろう」これを座右の銘というか、常々の指標にしてきたんだけど、そのつぎが来る可能性が前より著しく低くなってしまったから。

絶対に次があると断定できるようになるまでは、「これがラストランになってもいいように」というのを指標にしようかなと思います。

奪い返してやりますよ。例のアレに奪われた色んなものを。
これがおれのラストランだァーッ!!


ラストランじゃないけど!!

まだまだ辞める気ないけど!!!!

でもラストランに相応しい走りをお見せしますとくと御覧じろ!!

観に来てくださいお願いします!!!!

miunaプロデュースvol.3
脚本・演出 佐藤辰海(guizillen)
女の子と振り返る「どうして演劇なんだっけ」
藤尾扱いご予約フォーム
https://www.quartet-online.net/ticket/offenn?m=0rhhfah


ご来場、ご観劇
お待ちしております!!

どうぞよろしければサポートお願いします。頂戴したサポート費は役者として生きることに充てさせていただきます。まだ生きていたい。生きたい。