南樺太地名集 〈地名篇大泊町〉
本記事では以下の古地図・資料を用いる。
(1)大泊町編「大泊町勢一覽」1923
(2)大泊町役場「大泊市街全圖 縮尺一萬分之一」1908
(3)「大泊町市街図 昭和九年発行」1934
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/d/dd/1934_Oodomari_map.jpg
(4)大泊町「最近の大泊」1934
★1 参謀本部編『明治卅七八年日露戰史 第十卷』(附図)偕行社 中の「女麗附近樺太南部上陸部隊ノ位置 七月七日夜」
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なお、栄町等の〜町という形をとる地名の「町」の読み方について、分からないものが多かったので、一部を除いて「ちょう」と読んだ。
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牧場
まきば
帝:Провиантскій покосъ プラヴィアーントスキー パコース
現:ー
N:46.6058 E:142.7977
露語から日本語への翻訳地名;покос:草刈場。雄吠泊より西南西2.3kmの処に位置する。アイヌ語名はナイポロ。旧名プロウヰアントスキーパーコス(ナイポロ)。
[参考]アイヌ語名はナイポロ;nay-po-oro:小川の処
|ア-8(旧):內幌 つ:ナイポロ ほ:ナエホロ
南問串
みなみといくし ーとひくし
帝:ー
現:ー
N:46.6050 E:142.7847
アイヌ語由来。牧場の西南西1.2kmの処に位置する。旧名トイクシ。
[類]能登呂村問串、泊岸村東問串。
|⑥:Минами-Токуси ミナミトクシ ソ:南間串 ほ:トマクシ
円留
圓留 えんる
帝:ー
現:ー
N:46.6151 E:142.7669
アイヌ語由来。南問串の北西1.6kmの処、大泊の大桟橋の南傍に位置する。
|い,る:ヱンルムカ は:ヱンルンムカ に.ほ,へ,を,か:エントモカ
南畑
みなみはた
帝:ー
現:ー
※リ,ル,ヲ,ワ,ソ,ムでは雄吠泊の北傍、⑴⑵ではN:46.6144 E:142.7723 、⑶では船見町南部一帯
日本語地名。大泊市街地の南方に位置するが詳細不明。また、キ-p.38に字名として見える。
大泊
おおとまり おほとまり(おおどまり おほー)帝:Пороантомари ポロアントマリ / Корсаковъ カルサーカフ(楠渓町の項を見よ)
現:Корсаков カルサーカフ
N:46.6355 E:142.7830
アイヌ語から日本語への翻訳地名;poro-an-tomari:大きな(大きく在る)泊。古より栄える樺太第二の都市。大泊市街、楠渓町、山下町等の総称。旧名コルサコフ/ポロアントマリ。
|イ,ナ:ホロアントマリ ロ,ホ:ロアンキマリ / カルサーコフスキ ホ:コルサコフ 大泊/カルサーコフスキ ホ':ホロアントマリ / コルサコフ(大泊)ネ,ヱ:ポロアントマリ ナ:コルサコフ オ:大泊(コルサコフ ポロアントマリ) エ-p.421:大泊(哥爾薩甲/九春古丹) エ':大泊/ホロアンドマリ ユ-1:大泊 ユ-2:大泊村 セ:Пороанъ-Томари(ポロアントマリ) い,は,に,ほ,へ,ち,を,わ,か:ホロアントマリ ぬ:ポロアントマリ よ:幌編泊(ホロアントマリ)
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