南樺太地名集 〈地形篇山系の部 海馬村〉

本記事では以下の古地図・資料を用いる。


⑴ 樺太社『樺太』第十二巻八号(昭和15年8月号),1940 中 中居照治郞「露兵海󠄀馬島を襲擊す」

⑵ 日本弁護士協会『日本辯護士協會錄事』百六号〜百十号,1907 中 川島仟司「海󠄀馬島紀行」

⑶ 「花の島といわれた絶海の美しき孤島 海馬島Web」


台南岳

臺南嶽 だいなんたけ
帝:ー
現:г.Старицкого   スターリツカヴァ
N:46.2554   E:141.2312
海馬村域内。日本語山名:武装巡洋艦台南丸に因む([参考]を見よ)。宇須の南西1.4km、海馬島の中央に位置する。海馬島の最高峰である。標高439m。
[参考]⑴によれば、日露戦争中の海馬島事件の後、利尻島にいた第四艦隊が海馬島に向かい、同島に上陸してその最高地点台南岳に日章旗を立てて占領したが、その際の第四艦隊の旗艦が武装巡洋艦台南丸であった。山名はそれに因むという。


朝日岳

朝󠄁󠄁󠄁日嶽 あさひだけ
帝:ー
現:г.Асахи   アサヒ
N:46.2505   E:141.2480
海馬村域内。日本語山名。ア-5,⑵に見える。南古丹の西傍に位置する。標高354m。


浮世峠

浮󠄁世峠 うきよとうげ ーたうげ
帝:ー
現:ー
宇須付近
海馬村域内。日本語峠名。宇須付近に位置する(本来の意味での峠ではなく、派生的な意味でつづら折りの道を指したものである)。第一、第二、第三と存在し、第一浮世峠が最大の難所であったという。海馬島事件では激しい攻防戦が繰り広げられた。⑴,⑵に見える。


地獄峠

じごくとうげ ぢごくたうげ
帝:ー
現:ー
不明
海馬村域内。日本語峠名。⑶に見えるが詳細不明。[個人的見解]大沢-望楼下間を結ぶ道上の峠を指したものかも知れない。


地形篇山系の部海馬村終り

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