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欧州・イスラエルスタートアップ関連ニュース

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最新のヨーロッパやイスラエルのスタートアップエコシステムに関連する情報を発信しています。
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2023年11月の記事一覧

欧州スタートアップとして米国に進出したい?それならまずはこの記事を読んでください。ー"あまりにも多くのスタートアップが、早急に米国市場に参入しようとしている。クジラを水揚げしようとするようなものだ。"

スタートアップの本場と言われるアメリカ。多くの欧州スタートアップも、米国進出を目指している。 この記事では、欧州スタートアップ企業が米国に進出する際に気をつけたいこととして、タイミング、事業拠点の選定、規制への対処、そして米国での従業員採用をあげ、それぞれについて詳細に考察されている。 米国は依然として、欧州の新興企業にとって約束の地のようなものだ。 Indexの調査によると、2015年から2019年にかけて、米国に進出した欧州企業の3分の1は、シリーズAを調達する前から

新たな規制と投資家の注目により、スタートアップ企業は初日からサステナブルであることを余儀なくされる ー メッツァスプリングのコーポレートベンチャーリング担当副社長エリック・コレマイネンが、新興企業がESG戦略を改善できる3つの理由と方法について考察する

スタートアップがESGを考えることはコストばかりが先にかかり、自身の事業分野がESG関連で無い限りなかなか社内体制などを整えることはできず、優先順位がその他の重要なことに比べて低いことは想像に難くないことでした。しかしながら、本記事にあるように先を走る欧州の状況を鑑みると、もし、皆様の会社が補助金や助成金を取得しようとしているなら、また、Corporate Venture Capitalから出資や第き偉業との提携を考えていらっしゃるのであれば、ESG戦略は起業の早い段階から最

自然と調和する革新的なリトリート体験を提供する Raus(ラウス)が、ROCH Ventures の支援で850 万ユーロ以上の資金調達に成功

この記事は、Rausが持続可能性に焦点を当て、自然との調和を追求しつつ、デジタル技術を活用して旅行体験を進化させていることについて述べています。また、地元パートナーシップを通じて地域社会にもポジティブな影響を与え、持続可能なビジネスモデルを構築している点は私たちにとってのメリットとなり得るでしょう。 自然に囲まれたユニークな場所でリトリートを提供するイマージョン・ブランドの Raus (ラウス) は、ROCH Venturesの主導による投資で総額850万ユーロ以上を確保し

英国City(金融センター)の現状:お役所仕事はスクエア・マイル(Cityの意味)の地行を阻むか?

イギリスがスタートアップの調達金額でアメリカと中国の次で世界第三位になったが、その上場市場は非常に苦しい状況にあり、それをどうしたら良いかということを議論している記事です。日本のように上場市場がスタートアップに開かれているからスタートアップの資金調達金額が増えている訳ではないというのは、興味深いです。 シティ・オブ・ロンドンにとって、今年は痛烈な一年だった。 高騰するインフレと厳しい利上げサイクルが金融市場を動揺させ、安定した地盤を求める奔走の引き金となり、閉鎖されたIP

ストライドVCが新たなファンドの調達を停止し、メンバーを解雇 ー 一時はポートフォリオの主役だったCazooの時価総額が過去2年間で99.7%減少

超大手VCのアクセル出身者のVCが3号ファンドを調達せずに、ファームのメンバーを解雇したという記事です。全世界的に、Venture Capitalはファンドレイズが難しく、特に、一時期ポートフォリオのValuationが超高値を付けた後落ちてしまった、見事にこの相場にやられる形となったVCはファンドレイズが難しいようです。Negativeな印象を受けると思いますが、同じ立場に居た人間からすると、勇気のある英断とも捉えることができます。 アクセルの元パートナーであるフレッド・

欧州のVCファンド、12カ月で米国を急追ー最新のIRR分析から米欧投資の動向を探るー

この記事では、最新のデータに基づき、米国とヨーロッパのベンチャーファンドの投資トレンドが逆転していることが明らかにされています。この記事から、他地域のベンチャーファンドの状況を把握し、投資やビジネス上の戦略的な意思決定に役立つ情報が得られるでしょう。 米国のベンチャー・ファンドは歴史的に欧州のベンチャー・ファンドを上回ってきたが、景気後退でその傾向が逆転した。 PitchBookによる1,709のベンチャー・キャピタル・ファンドの内部収益率(IRR)の分析によると、米国の

VCTは不況に強いことがデータから判明2023年のVCT資金調達は4%減、ベンチャーが50%減なのとは対照的

VCT(Venture Capital Trust)は聞き慣れない言葉かと思います。個人投資家で、一定の資産を持つ方が出資できるVCファンドのことです。個人投資家にとっては、5年以上そのファンドを持ち続ければ、30%の所得税減税、配当やキャピタルゲインに関して免税措置があるものです。日本もタンス貯金など種々資産が表に出てくるようになるとこのような取り組みの議論も始まるかもしれません。 ただ、VCにとっては、通常のファンドとは違い、例えば5年と言わずとも、すぐにお金を引き出さ

第3四半期の宇宙ベンチャーキャピタル投資、17%増の30億ドルに

2023年第3四半期の宇宙ベンチャーキャピタル投資は前年比17%増の30億ドルで、今年の9ヶ月間では289社116億ドルに達した。投資環境は厳しいものの、市場は回復傾向にある。アーリーステージの資金調達が増え、特に宇宙製造業に集中している。米国と中国が主導しつつも、インドの宇宙技術投資が急速に増加している。これまでの成功により、インドが新たな宇宙開発の焦点となっている。 シードステージの宇宙ベンチャーキャピタルのある新しいレポートによると、宇宙ベンチャーキャピタル投資は、2

5つのチャート ー 欧州のベンチャーキャピタルによるディールメーキングは依然として低調

今日の記事は全体的にネガティブです。特に最後の文章が印象的です。「LPはプライベート市場の他の分野に資金を振り向けるようになったのかもしれない。」Venture Capitalへの出資がそもそも儲かるのかというと、管理報酬も高くて、ボラティリティも高くて、一般投資家からすると到底手の出ない金融商品かと思います。では、なぜ、LP投資家はリスクの高い、VCセクターへのアロケーションをするのか。それだけのリターンを得たことがあるからか。それとも、投資家自身のリスク許容度が高いからか

ミュンヘンベースのActon Capital、新ファンドで欧州とカナダの拡大志向のスタートアップに2億2500万ユーロを投資

この記事には、Acton CapitalがFund VIを通じてヨーロッパとカナダの事業拡大志向のスタートアップに資金を提供すること、長期的な成長と堅実な財務基盤に焦点を当てるActonのアプローチ、そして既に投資された企業事例について述べられています。この記事は投資の最新動向や市場の流れ、将来のビジネスチャンスに関する洞察を私たちに提供してくれるでしょう。 欧州で最も長い歴史を持つベンチャーキャピタル投資家の一人であるActon Capital (アクトン・キャピタル)

英国、ベンチャーキャピタルの資金調達で欧州トップの座を獲得顕微鏡で見る:バイオベンチャーはスタートアップ投資で英国をリードするサブ産業

イギリス、特にロンドン近郊がスタートアップの集積地であることは何となく理解しているとは思うのですが、今年は、英国は、米国と中国に次ぐランクに位置するとのことです。色々な理由があるとは思うのですが、興味深い記事でした。 世界的に見ると、英国は今年に入ってからのベンチャーキャピタルからの資金調達額で米国と中国に次ぐ水準にある。 調査によると、英国の新興企業は今年これまでに150億ドルのベンチャー・キャピタル投資を集めており、これはヨーロッパで最高額である。 HSBCイノベー

2023年の欧州ベンチャーキャピタル: PitchBookの第3四半期レポートからの洞察-回復の兆しを見せるも、過去2年間よりも取引額は下回る

この記事では欧州ベンチャーキャピタルの2023年第3四半期の動向について、PitchBookのリポートに基づいて考察されている。 欧州のVCの2023年のディール額は、第1四半期から増加傾向にあり、更にスタートアップのステージ、セクター、地域ごとのデータの分析がなされている。2023年第1~3四半期のエグジット額を見ると、2023年が2013年以来最もエグジットが落ち込んだ年になる見込みである。2023年1~9月の欧州VCの資金調達額は139億ユーロで、今年は2022年の水準

2023年、欧州のVCエグジット額は過去10年で「最も落ち込む」年に ー 今年第1~3四半期のVC活動は引き続き減少

全世界的にスタートアップの環境の悪化が叫ばれる中、欧州も例外ではありません。特に出口である、買収やIPOの状況が悪いようです。しかしながら、投資については、異常であった2021年や2022年よりも前の年の状況には近づきつつあるということで、底力が証明されており、このまま回復してもらえればと思います。 景気低迷の中、2023年は2013年以来、欧州のVCエグジット額が「最も落ち込んだ」年になる見込みであることが、Pitchbookのデータで明らかになった。 同レポートによる

近年ヨーロッパのベンチャーキャピタルがパフォーマンスでアメリカを凌いでいる理由

近年ヨーロッパのベンチャーキャピタルがパフォーマンスでアメリカを上回っている。その理由は、ヨーロッパのVCのリスク回避志向、米国と比べてスタートアップ1社あたりの資金調達額が少なく、VC1社あたりのスタートアップ数が多いため一社に対する過剰な資本流用がなされず、トレンドが変わった際の損失も少なかったこと、一方で、有名企業のロゴを並べ、Hypeな案件、モメンタムのある案件にばかり勤しんで投資家として重要な運用して儲けることを疎かにしたために、アメリカVCのパフォーマンスがひとり