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欧州・イスラエルスタートアップ関連ニュース

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最新のヨーロッパやイスラエルのスタートアップエコシステムに関連する情報を発信しています。
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2023年10月の記事一覧

パロアルト、近日中にイスラエルのディグ・セキュリティ社買収を3億〜4億ドルで発表か ー 先月Calcalistによって明らかにされたパロアルトとイスラエル企業との交渉は、イスラエルとハマスの戦争勃発にもかかわらず続けられている

イスラエルのサイバーセキュリティ企業の買収に関する記事です。現地は従業員の平均10-15%以上が予備役に行っている状況にも関わらず、平時と同様の業務を運営することが、テロへの抵抗、テロを受け入れないことであるとし、“Israeli tech delivers, NO MATTER WHAT”というスローガンもよく目にします。以下、記事をご参考ください。 米サイバー大手パロアルトネットワークスが、イスラエルのサイバーセキュリティ企業ディグ・セキュリティの買収を数日中に発表する

ロンドンを除いては、ヨーロッパには「発展した」VCエコシステムがない ー しかし、PitchBookの新しいランキングによると、この地域には世界で最も成長率の高いスタートアップのエコシステムの半分近くが存在します

PitchBookのデータに関する分析記事です。欧州を語る時に、DACH地域、つまり、Deutschland(ドイツ語表記) Austria(英語表記) Confoederatio Helvetica(ラテン語表記)を表す、ドイツ・オーストリア・スイスの地域の伸びというのは特筆すべきことです。スタートアップエコシステムとしてのベルリンは有名ですが、ウィーンやスイスも伸びてきています。(スイスは以下の記事を参照)このドイツ語圏というのは次に注目すべきクラスターかもしれません。

欧州はベンチャーキャピタルのエコシステム形成で遅れをとっているが、直近のデータは欧州の急速な成長を示している

欧州は国が多く、言語も違い、エコシステムは分散する傾向にあります。これが、本記事の欧州の都市がエコシステムトップ20になかなか入れていない根本的な理由だと思いますが、それでも、一度インナー・サークルに入ると、Deal Flowへのアクセスは国を飛び越えて行えるようになる興味深い地位域です。現地に根ざすということがこれほど重要な地域は無いと考えます。 Pitchbookが発表した「世界で最も発展したベンチャーキャピタルのエコシステム・トップ20」の最新ランキングに入ったのは、

欧州のグリーンテックスタートアップ、資金調達と公共調達へのアクセスで厳しい戦いに直面していると語る

グリーンテックはどこの国でも同じでしょうけども、以下は欧州スタートアップが現在直面している難しさを赤裸々に語ったカンファレンスの記事です。特に公共団体による入札など、政府支援について厳しいコメントが続きます。なお、欧州は日本と似ていて、自身へ厳しく保守的な物の言い方をする地域だと思います。よって、これらは更に改善されていく部分と読み取ると良いと思います。 欧州はグリーン技術への投資誘致で不利な立場にあり、高いリスクと確実性の欠如が投資家の足かせとなっている。 規制の遅れや

イスラエルのスタートアップ、7四半期連続の投資減少に直面

イスラエルのスタートアップの調達金額が下がっているという記事です。これは、悲惨なテロが行われる前の情報です。世界的なDown Turnと、政権の混乱が理由だと思います。素早い復活を祈ります。 Start-Up Nation Policy Institute(SNPI)のデータによると、イスラエルのスタートアップ企業への投資は7四半期連続で減少傾向にあり、2023年第1~3四半期のハイテク企業の資金調達額は前年同期比で63%と大幅に減少した。この減少傾向は、イスラエルのハイテ

デジタル・アイアン・ドーム - イスラエルの開発者が大手プラットフォームと手を組み、有害投稿に対抗

私は特にイスラエルとガザの状況が気になるので皆さまよりずっと記事を見ていると思うのですが、たいへん多くのフェイクニュースがあります。その現状を改善したいと思い、イスラエルのハイテクコミュニティが立ち上がっています。 Digitaldomeを通じて、どのユーザーもワンクリックで有害コンテンツを報告できるようになり、イスラエルの防衛策を弱体化させようとする動きに対抗できるようになった。 戦時下において、ソーシャル・ネットワークは国民の意識を左右する極めて重要な戦場となっている

是非読んでもらいたい ー ベンチャーキャピタルが気候変動分野のスタートアップに求めるもの:チャンスとディールブレーカー

気候変動技術の規制で先頭を走る欧州市場。当然ながら、スタートアップも世界の先頭を走っています。そのようなスタートアップが資金を調達する際に気をつけるべきことを、欧州の気候変動技術に投資するベンチャーキャピタルが説明してくれています。これは、日本の気候変動技術で起業するみなさまにも参考になりますし、ディープテック分野で起業される方々に普遍的なものではないでしょうか。参考になれば幸いです。 ベンチャーキャピタルによる気候変動テックへの投資は、過去10年間で24倍に増加し、そのエ

欧州VCのセカンダリー市場、低迷で過熱

日本では残念ながら前向きな話題として未上場企業の株式の譲渡を受けることを話す機会は多くありませんが、海外では市場化し始めています。欧州ではこれから、という記事ですが、より多くの選択肢がスタートアップの株主に提供されることが、より市場を活性化し、起業大国となりうる素地になるので、今後も欧州でのセカンダリー市場の活発化をウォッチしていきたいと思います。 欧州のベンチャーキャピタルでは、投資家や投資先企業の従業員にとって流動性の選択肢が減少していることを背景に、新興企業の株式のセ

脱炭素世界への移行を加速へ ー ベルリンのVC、Extantia Capitalが1,000万ユーロを追加調達

ドイツ・ベルリンの気候変動関連のユニークなプラットフォームを持つベンチャーキャピタルが、オランダのインパクト投資家から資金を調達したという記事です。このVCはFoF(Fund of Funds)も運営しており、トヨタ・ベンチャーズも出資するなど、興味深いです。 オランダのインパクト投資家Invest-NLは、気候変動に配慮したベンチャーキャピタルExtantia Capitalに1,000万ユーロを追加出資し、ファンド総額を1億5,000万ユーロにしたと発表した。この投資は

ヨーロッパよ、アメリカがヨーロッパのスタートアップを狙っているぞ!

イスラエルでは米国から資金調達することが同国のスタートアップ市場を大幅に飛躍させ、それは今も続いています。一方で、日本は、これから米国からの資金調流入を招こうとしており、先人の経験を知ることは意味があるでしょう。ヨーロッパでも、イスラエルと同様に米国への依存は大きい一方で、それは欧州域内のリスク許容度と関連しているようです。技術が奪われるのでは無いか、などの議論は日本でも起こりそうですので、以下の記事が参考になるかもしれません。 結局のところ、アメリカ人はヨーロッパ人以上に

欧州のアグリ・フードテックで強い分野はどこか? ー アグリフードテックのイノベーターは以下に挙げる3つのカテゴリーでスタートアップを立ち上げる傾向が強い

欧州のアグリフードテックはどのような分野のスタートアップが多いのか、について最新の情報がありましたので、共有します。 以下のアグリフードテックカテゴリーの共通点は? 植物由来の原料 受粉とミツバチ技術 メタンガス削減ツール AgFunderとFoodbytesの新しい調査によると、これらはすべてヨーロッパのアグリフードテック・エコシステムの強みである。 Rethink World Agri-TechとFuture Food-Tech会議のために大勢の人々がロンドン

クロスボーダーの資金調達がスタートアップにとって重要な理由 ー 国境と法律を越える:ベンチャーキャピタルの資金調達における法的障害

日本の政府が国内のスタートアップに対して海外からの資金調達を目指せるよう様々な施策を用意していますが、現実は言うは易く行うは難しです。それは日本のスタートアップだけでなく海外のスタートアップにとっても同様であるということを書いた記事がありましたので、ご紹介いたします。実際、海外スタートアップ投資を行ってきた経験から言うと、後で知るより先に知っておいた方が良い事柄ばかりで、つまりは海外投資家が日本のスタートアップに投資をする際にこのような心配を如何にさせないか、ということが重要

昨今の紛争による環境悪化により、必要資金の調達が困難で、将来の資金調達手段も限られている100社のスタートアップを支援する2,500万ドルの助成基金をイスラエル・イノベーション庁が設立

イスラエルのイノベーション庁は様々なプログラムでスタートアップを下支えしてきており、そのプログラムは日本の政府も研究するほど、イスラエルのスタートアップネーション化に貢献してきました。このような戦時中だからこそ、色々な箇所に皆が取り組む必要があるのは当然なのですが、このような金額の資金が大企業ではなく、ハイテクスタートアップに注がれるということが、日本が危機になった時に起こるかはわかりません。でも、これがイスラエルの姿です。以下、最新の記事をご参照ください。 イスラエル・イ

フランスとドイツは、創業者やVCが選ぶスタートアップのホットスポットになろうと競い合っているが、どちらが勝っているのだろうか? ー ドイツとフランスの技術競争はどちらが勝っているのか?

イギリスにつぐヨーロッパスタートアップのクラスターである、フランスとドイツ。現地のベンチャーキャピタル等が2カ国の施策や環境を分析しています。 昨年、フランスがドイツを抜いてヨーロッパで2番目に資金が潤沢なテックエコシステムとなったとき、フランスが隣国を上回ったのは数年ぶりのことだった。 英国以外の2大エコシステムとして、両国は2位をめぐってつばぜり合いをしてきた歴史がある。また、それぞれの国をヨーロッパのスタートアップのハブにするという同じような目標も持っている。 し