「老人と海」を読んで…

読書の秋がやってきた。

1年ぶりに、ヘミングウェイの「老人と海」を再読した。

「老人と海」なんてシンプルなタイトルだ。子供の頃、タイトル名を聞いた時は「おじいさんが海水浴でもすんのかよ!」と笑ってたなぁ~。しかし大人になってこの物語の魅力に気付く。そして僕もこの「老人」のように燃え尽きたい。

物語はキューバのハバナ在住の漁師「サンチャゴ」と巨大カジキとの死闘を描写している。

海の男と海の恵みの一騎討ち。やるかやられるか。老人は生活が懸かっている。魚も命拾いしたい。両者は美しいメキシコ湾を舞台に激しい攻防を繰り広げる。死闘の末、老人は魚を釣り上げた。

しかし、そこに新たな敵が襲い掛かる。「鮫」だ。

鮫は容赦なく老人が釣り上げた魚に襲い掛かる。老人も応戦するが、無惨にも食い尽くされてしまった…。

こう見ると「なんて哀れで気の毒な老人だ」と思うかもしれない。しかし老人には悲壮感はない。最後の最後で『最強』の敵と出会い、自分の誇りをかけて戦い敗れ去った。どこか物事をやり切った感が伝わる。そして物語の最後は燃え尽きた如く深い眠りにつく。

僕が読み終えて感じたことは、最近物事のプロセスを楽しむ余裕がなくなってきていることだ。仕事にしろ勉強にしろ、目先の結果ばかりに一直線になりがちだ。老人は漁師としての結果を出せなかった。しかし老骨に鞭を打ち、最後まで漁師の意地を貫き通した姿には、心の中で拍手した。

今仕事や勉強で結果が出せずに悩んでる人には是非読んでほしい。

やるだけやってダメなら、またチャレンジすればいい。それでもダメでどうしようもないなら、シンプルに手を引けばいい。何も恥ずかしいことではない。結果を出せずに絶望する必要はない。プロセスを楽しめないならやる価値なんてないし、結果なんて尚更遠のく。どっちにしろ長続きはしない。結果が出せないとバカにする輩の戯言なんて右から左でよし!そういう輩のほとんどがチャレンジしてないから、言ってやればいい。

「偉そうな事言ってんじゃねぇ」と

世の中正解なんてない。変なプライドなんて捨てて大海原へ飛び込んでいけ!