記憶

高校を卒業して2年が経った。
時の流れの速さに驚く。

記憶はどんどん薄れていくものだというけれど、どうやら私はその作用が弱いらしい。
今でも鮮明に高校時代の色々を思い出すことができる。
あんなことで馬鹿笑いした、こんなことで怒られた、あの曜日の時間割が好きだった…などなど。
1年くらい前までは、友人と懐かしいねって話せていたのに、最近は私しか覚えていない場面が増えた。
みんなの思い出はいつの間にか私だけの思い出になってしまった。
写真を見るたびに、懐かしい場所を通るたびに、私だけのものになってしまった思い出が私を孤独にさせる。
過去を懐かしんでいるばかりでは前には進めない。
わかってはいるけれど、勝手に懐古してしまって、勝手に寂しくなって、孤独を感じる。

生きている限り、思い出は生まれ続ける。
それは人生を豊かにするものであると同時に、私にとっては孤独の発端になる。

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