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電車好きぶんぶん

 電車の中は色々な人が乗り合わせる。私はそんな電車が好き。昨日いつものように電車に乗って座ったら何駅かしてからフラフラしたおじさんが入ってきた。そして私の隣をひとつ開けてドスンと座った。前にいた若い女の子がおじさんを見て嫌な顔をしていた。そして隣の車両へと逃げていった。私は横を見るのが怖くて電車の窓にうつる隣のおじさんの顔をチラリと見た。顔は別に恐ろしくはないがおじさんは酔っぱらっていて異様な雰囲気で私の方をガン見していた。私は絶対におじさんの方を見てはいけないと思いながら窓にうつるおじさんの様子を見ていた。するとおじさんはバックを開けてビールを取り出した。そして勢いよく飲み始めた。ごくごくと。その間も私を見ている。見ているというより睨み付けてる。これはヤバイぞ。これはヤバイ。何かしら私が動けば何か怒鳴り付けてくるぞ。怒鳴る準備中だ。さっきの逃げた女の人みたいに私もここから逃げなければ。私はピンときた。よし。次の駅で降りる人のふりをしよう。一度降りて隣の車両からまた入ろう。そうだそうだ。それをすれば、このおじさんの逆鱗に触れる事もなく無事に最寄り駅につけるはず。そして私は次の駅で降りた。そしてすぐ隣の車両からまた入り無事におじさんから離れて最寄り駅までついた。
おじさんの存在を知らずに私の動きだけを見ている人がいたなら、わたしこそが変な人だと思われただろうな。そう。それが電車。色々な人が乗り合わせる。私はそんな電車が好きよ。

電車好きぶんぶん
2023.1.11

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