高専に続く桜並木
2020年から豊田高専(愛知県豊田市)で非常勤講師をしています。
人生の奇縁として話をする事が多くなってきました。
その奇縁は、いろいろな方に関心を持っていただき、今年は市内の小中学生に対する職業講話で、話をする機会を得ました。
端的に書けば、15歳の時に豊田高専の入学試験を受験し不合格でした。
その35年後。
50歳の時に豊田高専の非常勤講師として採用されました。
不合格のあと進路を変更し、公立高校の普通科から豊橋技術科学大学に進学し、予定より4年長くなりましたが技術職として社会人となりました。
その豊田高専の正門から見た桜並木です。
高専受験は不合格でしたので、この桜並木を両親に見せることはできませんでした。
時期が合えば、入寮時、あるいは入学式の時に、この桜並木を見ながら正門をくぐれたのかもしれません。
同時に15歳で親元を離れ学校の敷地内にある寮に入り、一人で生活を始めることになります。
先生と話をした時、こんな事を聴きました。
15歳と若いので、入寮直後、親元を離れた寂しさからホームシックになる学生もいるのだとか。
一人暮らしを始める嬉しさと、親元から巣立つ寂しさがある。
毎年、そんな光景を見続けている桜並木です。
自分は不合格だったので、ここで学ぶことはありませんでした。
今は教える側として採用され、この桜並木を毎年眺めています。
不合格を知った数年の間は、思い詰めることもありましたが、今となっては不幸な事ではなかったと思っています。
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