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高専に続く桜並木

2020年から豊田高専(愛知県豊田市)で非常勤講師をしています。

人生の奇縁として話をする事が多くなってきました。
その奇縁は、いろいろな方に関心を持っていただき、今年は市内の小中学生に対する職業講話で、話をする機会を得ました。

端的に書けば、15歳の時に豊田高専の入学試験を受験し不合格でした。
その35年後。
50歳の時に豊田高専の非常勤講師として採用されました。

不合格のあと進路を変更し、公立高校の普通科から豊橋技術科学大学に進学し、予定より4年長くなりましたが技術職として社会人となりました。

その豊田高専の正門から見た桜並木です。


豊田高専の敷地内から見た桜並木(2024年4月10日 撮影)


高専受験は不合格でしたので、この桜並木を両親に見せることはできませんでした。

時期が合えば、入寮時、あるいは入学式の時に、この桜並木を見ながら正門をくぐれたのかもしれません。
同時に15歳で親元を離れ学校の敷地内にある寮に入り、一人で生活を始めることになります。

先生と話をした時、こんな事を聴きました。
15歳と若いので、入寮直後、親元を離れた寂しさからホームシックになる学生もいるのだとか。

一人暮らしを始める嬉しさと、親元から巣立つ寂しさがある。
毎年、そんな光景を見続けている桜並木です。


自分は不合格だったので、ここで学ぶことはありませんでした。

今は教える側として採用され、この桜並木を毎年眺めています。
不合格を知った数年の間は、思い詰めることもありましたが、今となっては不幸な事ではなかったと思っています。

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