休んだ日ー雨とボクと時々、被害妄想ー

朝はいつも目覚ましが鳴る少し前に目が覚める。目覚ましのアラーム音が大嫌いで、アラームを聞かないように目が覚めているのかもしれない。

でもこれはちょっとカッコつけてしまった。最初に目覚ましがなる少し前に目は覚めるが起きることは無い。そこから1時間程はスヌーズと戦い続けている。

しかもiPhoneのスヌーズは9分間隔を変更出来ないので、アラーム時間を複数設定し、スヌーズの間隔を狭める工夫もしている。が、やっぱり1時間くらい戦っている。無意味なスヌーズ。

このスヌーズはこだぬきずらに随分迷惑をかけていて、あまりにも朝のアラーム音を聞きすぎてたまに鼻歌で歌っているほど脳に刷り込まれている。

さて、話を戻して、今朝最初のアラームより先に目覚めると、途端に心臓がズキっと疼いた。

雨だ。

雨音が聞こえる。どんよりした気持ちでカーテンを開けると案の定、薄曇りの景色と窓ガラスを伝う雨粒。

参ったなあ。夜の雨は好きだが朝の雨は好きではない。通勤時の雨が大嫌いだから。

朝起きた瞬間終わったわ🎶

そんな気持ちで階段を降りると先に目覚めている息子こだぬきの咳がいつもより酷い。声をかけると車に酔ったみたいに気持ち悪いという。

念の為体温を計るも平熱だった。こういう時、いつも判断が難しい。
熱がある。
下痢、嘔吐がある。
そういう明らかな症状があれば、即休みと判断せざるを得ないが、
フラフラする。
お腹痛い。
吐きそう。
とかそういう、感想系ではなかなか休ませようと考えづらいのが正直なところ。ごめんこだぬきず。「私ったらひどい母親よね!!」

兄の調子が悪そうだと知るや否や妹の兄を見る目に厳しさがやどる。「あいつ仮病じゃねぇだろうな。熱もないくせに怪しいぞ。」言わずとも顔がそう言っている。恐らくたぬきちも同じ顔をしているに違いない。娘の顔を見て思わず吹き出した。

急いで頭の中をめぐらせ今日の仕事上のタスクとシフトの人員を考える。会議はあったものの、たぬきち自身が議題を挙げているわけではなく、人員上も休んでも回せそう。

それに何より雨だし。

職場に子の看病でと休暇の連絡をし、まだ納得いってない顔の娘を学校に送り出す。

まだ午前9時というのに、外は薄曇りで、まるで夕方と錯覚しそうになる。雨音以外に外の音もなく、息子こだぬきの寝息が聞こえる。

顔を覗き込むと半目で寝ていた。なるほどしんどいんだな。たぬきちの統計では、疲れすぎている時、体調が悪い時、半目で寝ることが多い(たぬきち調べ)。

嘔吐に備えて寝室には行かさずリビングでこだぬきを寝かせているので、家事もできず。照明も落とした。何もすることがなく、ただただ座っていた。

聞こえるのは雨音だけ。

子どもの看病で休んでいるわけで、ズル休みなわけでは無いけれど、自分は健康(とはいえ2、3日前に腰をギクッとやったので不調ではある。痛み止めを飲み湿布を貼って出勤していた)である。もう大人なんだし、休暇を取ることは認められた権利でもある。それでも、何故か感じる後ろめたさ。

アメリカに住む友人は、子どもが昨晩寝なくてって遅刻はするし、子どもが歯医者に行くからと早退する人もたくさんいて、周りの人も、そりゃ仕方ないねって感じで、特に気にしてないと言っていた。

日本ではなかなかそうもいかない。子どもの病気で休むことは、仕方ないが、後ろめたい人も多いのではないだろうか。それにその分出勤して業務の負担が増えている人がいる場合、その人はもちろん面白く無いはず。

さらに、今日たぬきちは休んで家にいるというのに、買い物にも行かず、家の片付けもしていない。薄暗い部屋で雨音と息子の寝息をBGMに日中からnoteを書いている。

そして心の中ではこう考えていた。

「今日は思いっきりサボるぞ」

仕事でも家事でも労働していない自分は「サボっている」と判定していた。

ちなみに、この感覚って男性、夫側、子育て中のお父さん側にもある感覚なんだろうか。休んで家にいるが家事をしていない自分を「サボってる」ってジャッジする感覚。

職場の人も、家族も、休んでいるたぬきちを責めていない。たぬきちを責めているのはいつだってたぬきち自身だ。

自分を責め続け、本当の意味で心身が休まる時がない。そうした疲労が腰に溜まっていって、とうとうプレートが跳ねるように腰をギクッとやらかした。そんな気がしてならない。

自分を大事にできない人は他人を大事にできないそうだ。こんな歳になってもまだ自分を大事にする方法が分からない。わかった時は墓場の中だったりして。

最近娘こだぬきがアニメの「あたしンち」をよく見ている。働きに出ている父親、専業主婦の母親、高校生の娘、中学生の息子を描いたほのぼのホームアニメだ。苦しい家計をやりくりしながら、生活を切り盛りする母親。家事に勤しむ合間に友人達とのお茶の時間を楽しんでいる。

そんな些細な日常風景にいちいち傷つく自分は頭がおかしいんじゃないかと思う。娘にそのアニメを見ないでと言わない代わりにそっとイヤホンをつけてノイズキャンセリングを入れる。

家で働いているお母さん達もたくさんいて、noterさんやXの投稿でもよく目にする。でもなんて言うか、やっぱり苦しんでいる投稿が多い。思うように仕事が出来ず苦しんでいるもしくは、搾取されている、そんな内容。

自分を大事にしながら働きながら暮らしている人は日本にもいるはず。きっと。たぶん。知らんけど。

今日が晴れた日ならこういう展開にはならなかったかもしれない。少し感傷的になってしまった。次は晴れた日にお目にかかりましょう。