お尻を叩かれる家で育った私たち(みのりの場合)

翌日、学校での昼休み。私は親友の小林さやかと屋上で昼食を食べていた。

「あかり、大丈夫?なんだか元気ないよ」さやかが心配そうに聞いてきた。

私は躊躇したが、信頼できる友人に打ち明けることにした。「実は昨日...」

話し終えると、さやかは驚いた表情を浮かべた。「そんなに厳しいの?うちもけっこう厳しいけど...」

その時、ドアが開き、クラスメイトの鈴木みのりが現れた。

「あ、ごめん。邪魔した?」みのりが言った。

「ううん、大丈夫よ」さやかが答えた。

みのりは私たちの近くに座った。「なんだか深刻な話してたみたいだけど...」

さやかが私の方を見た。私は少し迷ったが、みのりにも話すことにした。

みのりは話を聞くと、真剣な表情になった。「あのね、実は私も似たような経験があるの...」

みのりは少し躊躇いながら話し始めた。「私の家も厳しい宗教家庭なの。先月、友達とコンサートに行ったことがばれて...」

私とさやかは息を呑んで聞いていた。

「母がベルトで...」みのりの声が小さくなった。「20回。お尻が1週間くらい痛かった」

「そんな...」さやかが驚いた声を上げた。

みのりは深呼吸をして、話し始めました。

「先月のことだったの。親友の誕生日で、みんなでポップスターのコンサートに行くことになったの。でも、うちの両親はそういう世俗的な音楽を聴くのを禁止しているの」

みのりは少し間を開けて、私たちの反応を確認しました。

「どうしても行きたくて...嘘をついちゃった。お母さんには学校の勉強会に行くって」

私とさやかは息を呑んで聞いていました。

「コンサートはすごく楽しかった。人生で初めて自由を感じたの」

みのりの顔に一瞬、幸せそうな表情が浮かびましたが、すぐに暗い表情に戻りました。

「でも、帰り道で近所の人に見られちゃって...」

「その日の夜、お母さんが私の部屋に来たの」みのりは声を震わせながら続けました。「顔を見た瞬間、全てがバレたって分かった」

みのりは一瞬黙り、深呼吸をしてから話を続けました。

「お母さんは『みのり、分かっているわね?』って言ったの。その声が冷たくて...」

ここから先は

1,395字

¥ 300

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?