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ドリーム・マップ尾木ママ騒動

これは9年程前の自分が小学校6年生のタイミングでクラスメートが起こしたクラス内での揉め事というか学級での軽い事件。

自分達は小学6年生で長かった小学校生活ももうすぐ卒業に差し掛かっていて、改めて将来自分がどうなっていたいか、何者になりたいのか、誰や何に憧れを抱いているのか、また自分の特技や趣味なども含めて大きな画用紙1枚に要約して掲載するという「ドリーム・マップ」を作成するという授業が道徳や学活や総合の授業等のカリキュラムに組み込まれていて、特に卒業が近くなってきた頃はほぼこのマップの作成作業に取り掛かっていたのではないかと思う。

ドリーム・マップには憧れの人物やなりたい職業、自分の特技や趣味などを語る上での写真も自由にコンピュータ室から印刷して貼り付けて良いですよ、と言われていたので、とにかくみんな写真を掲載したり、イラストを描いてみたりと加工もしたりして、華のあるマップを作成していたと思う、ピュアな小学生にとっては学校生活最良といっても良い時間を授業の一環で沢山使うことができた。

自分は何についてマップに掲載したのかを一切覚えていなくて、卒業式が3月の18日くらいに行われたのだけど、その直前の3月5日~9日位のいずれかに「感謝の会」という小学6年生の児童達とその保護者のみで体育館に集まって、歌を合唱したり、親に感謝の手紙を直接読んだりする等の機会が実施された。

お菓子とかも食べれたっけ、小学生からしたら学校でお菓子は非日常だな。

卒業式前に、そのタイミングで「ドリーム・マップ」を体育館の壁に全児童分飾る予定で、提出期限が「感謝の会」の前日で、ドリーム・マップをまだ完成させて居なかった自分は慌てて余白に書きたいことを載せてもう飾る作業が始まっている中で急いで滑り込みで提出しに行った覚えしかなかった。

それはどうでもいいとして、ここからが本題で、この「ドリーム・マップ」を経緯として発生した学級での軽いいざこざは、作成途中段階で発生した訳だ。

その時の担任の先生が、給食を給食当番が分けている給食の準備中に、教室の黒板に突然クラスメイトの作成途中段階の余白や質の伸び「シロ」があるような「ドリーム・マップ」を次々に貼り出していった。

多分、「作成に行き詰まっている人も居るかもしれないからその人向けに他の人の途中進捗作品を参考にして作ってみて欲しい」という先生の溢れる思いやりが出たんだろうな、でもそれが後にあの騒動に発展するとは思いもしなかった。

すると、程なくして自分の前の席で仲が良いA君の作成途中段階のドリーム・マップが黒板に貼り出された。

そこには大々的に、教育評論家の「尾木ママ」こと尾木直樹の顔写真がドリーム・マップに掲載されていた。

その時一瞬でクラスメイトの注目は他の人の作品などをよそに一時あの「尾木ママ」の顔写真へと集まった。

今思えばなんであんなに注目が集まったかは分からないが、基本的にそのときまだ小学生はスマホなどが普及しておらず持てなかった分、TVでしか見られない芸能人が学校で観れたことに興奮を覚え、女性のような物腰や柔らかい言葉遣いでオネエキャラが定着し、「尾木ママ」と呼ばれていた尾木に注目が集まったので「面白い人が現れた」という興奮が生じたんだろうな。

クラスメイトでクラスの中心人物を筆頭に「あ!尾木ママだ~‼︎」と叫び、他の人も尾木ママの写真に反応していき、クラス中が笑いに包まれたのである。

実際は「尾木ママ」を知らずに「え、誰⁇」と言ってる人もいたし、自分も尾木を存じ上げていたものの「面白い人だけどよくTVで観てるし、A君は尾木に憧れてて教育関係の仕事に携わりたいのかな。何とも真面目な子だなぁ。」とふと考えていたので、みんなよく笑うなぁ、これが集団心理ってやつなのかなぁと考えるくらいだった。

すると、「尾木が面白がられている」=「尾木が可哀想」と受け取ってしまった感受性が豊かであろうA君が突然立ち上がって大衆に向かって怒鳴りだした。

「うるさいっつってんだろぉ~‼︎」

クラスの和やかな雰囲気が一瞬で凍りついて緊迫感が走る。

友達である自分は焦る。

A君が壊れたかも、と。

こんなA君見たこと無かったから。

その時仲が良くて喧嘩もしていたけれど(これは大体自分が悪かった)、学級委員もしていてクラスの中では特に真面目だった彼がここまで変わり果てるとは。

自分は「やめて」と静かにA君を引き止めていたが、それでも彼の怒りは収まらず、「いーじーめ、いーじーめ‼︎」とコールしていた。

異変を察知した先生は、「何があったの」と児童に向かって呼び掛ける。

冷静だった児童によって事情が説明された辺りから突然A君は気持ちを落ち着かせ始めて、彼も冷静になっていた。

すると確か、クラスメイトに向かって「ごめんなさい、自分が悪かったです」と謝り出した覚えがあって、先生に「散々騒いでおいて急に開き直るんじゃねぇよ‼︎」と怒鳴られていた。

怒られた後も一層謝っている。

その後先生とA君が昼休み中にその件について話し合っており、その時どういう行動を起こしたのかと、席の近かった班の人が自分含め呼ばれ事情聴取。

給食後の次の授業で児童に向かってA君がここまで怒号を浴びせた件についての説明がなされ、「彼は今中学受験の受験生で、勉強中のストレスが爆発しちゃったんだって。だから今回は仕方ないと分かってあげて欲しい。」と笑ってしまった人達を中心に告げられ、A君にも「ただもうこういうことはないようにしてね」と注意をしていた。

でも怒った後すぐに落ち着いて冷静さを取り戻したところは偉いと思う。

というドリームマップ騒動があった。

まだ小学生なので何かことある毎に傷ついてしまうのは仕方ない件なのか。

尾木はあくまで教育評論家で「タレント」としてその時TVに出ていたと思うので、芸能人ではあっても芸人ではないから、そういう人を観ただけで笑ってはいけないという考えが、真面目な彼にはあったのかもしれない。

尾木も尾木ママと呼ばれてる時点でオネエキャラとしてTVでイジられてたと思うので、タレントである以上イジられた方が人気が出るから本人が嬉しければ別にA君が傷つく必要がないとは思うけど、納得いかない時もあるか。

理屈で罷り通ってても道理で罷り通らないことも世の中結構あるからなぁ。

もしそこに尾木ではなくお笑い芸人を載せるような性格の人であれば、笑われてもその人達に対して怒りの感情は湧かなかったのだろうか。

今はどう考えているんだろう。

受験勉強のストレスが爆発してしまったとも言うが、投稿主と接していく上でのイライラも溜まっていたとは思う、その点に関しては受験生にも関わらず迷惑かけたなと思う、あの時期はまだまだ人間との接し方が未熟だったと反省してるし。

最後に、先生がA君に対して怒っているタイミングで先生が尾木のことをよく知らないのか、あの緊迫して凍りついた現場の中で「尾木ママがどうのこうの」と話していて「尾木ママ」というワードが説教中に出てきて、そこが1番自分は面白かったと思っている。

そこは知らなくても「尾木さん」とか「尾木」って言ってくださいよ...(苦笑)。



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