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庭のある家
子どもの頃、私は庭があるお洒落な家に憧れていた。
大人になれば、親と暮らしていた家とは違うお洒落な家に絶対に住めると思っていた。
素敵な家で、大好きな人と子どもとペットに囲まれて生涯を終えられると信じていた。
子どもだったから、そうなると思っていた。
現実は理想とはかけ離れてしまったけど
夢を叶えられるのは、何か人とは違う努力や運に恵まれた一握りの人だけで、何の根拠も無く夢など叶うことなんてありえない。
理想の夢は、叶わないけど、夢は夢だからいつまでも追い求めてしまう。
私は、50代を過ぎてから、ローンを組んで、中古で家を購入できたのだった。
だから、中古の小さな庭がある古い家で猫達とひっそりと暮らしている。
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メイクイーンと
アミロマンティカを
這わせている。
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咲き始めている
以前は、アパートを借りていた。
アパートに引越したばかりの頃、観葉植物を100均で何個か買って帰った。
部屋に緑を置いたら、狭い部屋でも、綺麗な部屋でなくても、何となく素敵に見えたりするかも知れないと思ったから...。
そして、その通り素敵に見えた。
小さな、観葉植物に癒された。
植物を部屋に置いて育てるのが好きになった。
だから、その数も増えた。
もっと大きく育てたいと、植替えの鉢がどんどん大きくなった。
この鉢が窮屈そうなので、
地面に植えたくなったが、場所は無かった。
緑に囲まれて好きな草花を植えた庭のある家は素敵だろうなぁと、昔夢見ていた景色を思い出していた。
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観葉植物
緑に囲まれた、憧れの素敵な家に住みたい。
昔、夢見た憧れを実現してみたかった。
そして、庭のある家が欲しいと漠然と思うようになっていた。
小さな観葉植物が、毎日少しづつ大きくなると嬉しくなって、今度は、園芸店で植物を買うようになっていた。
気に入った植物を次から次へと買ってきては並べ育てる。
気が付くと、アパートのベランダは植物の鉢でいっぱいになってしまった。
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鉢でいっぱいになる
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クロリス
薔薇は育てるのが難しいし、手入れが大変と、敷居が高かったが、買ってしまった。
薔薇の花があまりに美しく咲くので、虜になっていた。
庭に薔薇を植えたい。
庭で薔薇に囲まれたい。
薔薇の庭、イングリッシュガーデンを作ってみたい。
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パシュミナという薔薇
毎日、薔薇の事ばかりを考えるようになっていた、そして、50歳を過ぎているのに自宅を購入しようなんて、考え出していた。
それからは、どうしたら購入出来るのか不動産屋に相談した。
なので、私でも購入できた。
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始めの頃の庭
薔薇が咲く、美しくさを、誰に見せたかった訳でもなく、癒される為に、友達や共通の趣味の人と美しく咲く薔薇に囲まれた家でお茶とお喋りをしたい。
そんな姿を思い描いていた。
自宅を購入してから毎日、庭いじりに没頭していた。
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モッコウバラは小屋を埋め尽くす
本当に大それた夢だ。
庭を薔薇で埋め尽くすなんて。
美しい薔薇に囲まれる生活。
確かに素敵だろう。
自分が購入出来る範囲の安さなので、そうでなければ購入など出来なかったが、建物の古さや立地の悪さなど、不都合な点を全て無視したので、私でも、家を購入出来たのだ。
庭が欲しくて購入したのが今の家だ
大変な事は沢山ある。
でも、庭があるので、幸せな気持ちしかなかった。
庭があるという私の希望を叶えた家に住めたのだから、幸せしか感じられないと思っていた。
あれから、8年以上経った今、私は、歳を重ね、段々衰えてきていると感じてしまう今日この頃。
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全てオルラヤで
埋めつくされている
派遣切りにあってからは、生活が不安定になってしまった。
生活費も足りなくなっている。
気付けば、庭いじりの費用も無くなっていた。
家も庭も手放そうか?
ある意味、その方が楽かもしれない。
だけど、薔薇達を手放す事は、やっぱり寂しい。
毎日悩んでいる。
庭があるので買った家、頑張って手入れしていた未完成の庭。
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ダム・ドゥ・シュノンソー
春、薔薇は頑張って咲いてくれる。
ここを離れたくない。
ローンは、まだずっとあるけど、家賃よりは安いはずだし、頑張れば、もう少し手入れもできる。
シングルマザーとして、子育てに没頭したり、親の介護もしたり、忙しかった日々を乗り越えて、やっと自分の趣味に辿り着いたはずなのに、歳を取り衰えていく自分がいる。
子ども達はもう、独立した。
私は、猫達とひっそり暮らすおばさん、お婆さん...だ。
子どもの頃からの憧れの庭のある家を手に入れた。
コツコツ造り始めた庭。
楽しくて、嬉しくて、働いては庭の植物を買って植えた。
ここ何年かは、庭に全てを注いでいたのに、
派遣切りだったから、
再就職が上手く行かなかったから、
庭をいじる時間が取れないから、
庭はだいぶ荒れている。
庭と向き合う日々は嫌いじゃない。
植物達の生命力には、本当に驚かさせられ、癒されているのだから。
だから、もう少し、何とかできるかも
誰かに綺麗だねって、見てもらったら、もっと頑張れるのかも
情熱を取り戻さなければ、頑張れない。
誰かに見てもらうのは、やる気になるため。
もっと頑張るため
日記に書けば、もっと素敵な庭にできるかも...
公開してみれば、庭に対する諦めもつくのかも知れない。
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目指す理想の家の思い出
離婚、育児、介護を経て手に入れた中古のマイホーム
DIYで理想の庭を作ろうとした日々
アドバイスを求めて庭作りを続けるための日記を公開
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