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日本を原(たず)ねて 心の健康 ストレス解消 【本居宣長】

9本居宣長 (1730~1801)
(完本) 梅干しと日本刀  樋口清之著 祥伝社
(日本人の知恵と独創の歴史) 江戸時代に本居宣長という国学者がいた。彼は儒教を学び、のちに儒教を排して国学の基礎を築いたことで有名である。  336ページ
         
 宣長は天と人、自然と人を対立したものととらえない。自然というものの中にいつも人間が入っている。人間の中に自然が入り込んでいる。つまり、人間の心は自然の原理だという。ここには神と人間、自然と人間の上下関係というものがない。けれども、じつをいうと、これは古代から今日まで日本人がもちつづけている自然観なのである。
宣長は日本人の心をよく観察して、それを見つけ出して、言葉で表現することによって「それに気づくべきだ」と主張したのである。   337ページ

 以上のように、宣長は、古代からの日本人の自然観は、神、人間、自然は一体とおもわれる。よって日本古来からの生活感情をあらわしている。

小林秀雄 本居宣長 (上) 新潮文庫
宣長が「あわれ」を論ずる「本(もと)」と言う時、ひそかに考えていたのはそのことだ。生活感情の流れに、身をまかせていれば、ある時は浅く、ある時は深く、おのずからいしきされる、そういう生活感情の本性への見通しなのである                   152ページ

「物のあわれ」は、この世に生きる経験の、本来の「ありよう」のうちに現れると言う事になりはしないか。宣長はこの有るがままの世界を深く信じた。この「実(まこと)」の「自然の」「おのずからなる」などといろいろに呼ばれている「事」の世界は又「言(こと)」の世界でもあったのである。                      296ページ

以上のように、宣長は、古代からの日本人の自然観は、神、人間、自然は一体で、「生活感情」「有るがまま」の世界を深く信じた。

32 紫式部も参考に見てください。

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