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【6本目】マルサの女

※ネタバレ

構成

3幕 W主演

:頭の切れる男・権藤は今日も匠に脱税をして、儲けている。ヤクザの蜷川に税務署は怖いと注意喚起されるも、内心権藤は「来るならきてみやがれ」と気にしていない。その頃、主人公・板倉亮子はたくさんの税務調査をしていた。亮子もまた、頭の切れる女である。そんなある日、亮子は高そうな白い車を見つける。権藤の車だ。その時権藤は脱税の協力をさせていた女との別れ話をしていた。逆上した女は権藤を殺そうとするが権藤はなんとかその場を去る。(15分)後日、亮子は雨宿りで入ったラブホテルで以前見た白い車を発見する。権藤商事を怪しんだ亮子は上司に報告し、権藤の調査をすることになる亮子。その頃権藤の仕事は順調で笑いが止まらない状況。(35分)
:亮子が権藤の事務所を訪ねる。自宅、ラブホテルどこでも何も見つけられない亮子。後日、蜷川組、銀行にも行くが成果なく。逆に蜷川組を怒らせてしまうことに。数カ月後、亮子はマルサへの栄転が決まる。亮子は心の底から嬉しそう。マルサ配属後、順調に仕事をこなす亮子のもとに、権藤の元カノからの密告の電話がはいる。亮子は権藤の調査を任命される。徹底的に権藤の行動パターンを調べ上げたマルサは強制捜査に踏み切る。当日、亮子は緊張して眠れずずっと権藤家を見張っていた。亮子気合すごい。(1時間30分)強制捜査が始まるが権藤の家からはなにも出てこない。(その間に権藤の息子を助ける亮子)マルサの執拗な捜査で、本棚の裏にある隠し金庫をみつけ権藤の脱税がやっと見つかる。(1時間50分)
:半年後、権藤が亮子を尋ねる。権藤は半年もの間捜査されるのを頑張っていた。息子のことで悩む権藤は雰囲気が以前と違っている。権藤は安らかを求め、亮子に暗証番号を伝え、捜査も終わりを告げる。(終わり)

3行

匠に脱税している権藤に亮子が気づく。
しかし、権藤の脱税の証拠は見つからなかった。
マルサに栄転した亮子は再度権藤の調査をし、ついに脱税の証拠を見つける。

公式化

セリフ

  • 敵同士での「おめでとうございます」。おめでとうとお互い言える二人は他の人とは違う肝が座った感じが出る。

  • 怪しいやつほど逆ギレする。雑魚キャラ。→すぐ不正みつかる。

  • 内偵が始まる前に視聴者に説明。と、共に亮子の頭が切れるところも表現。所長「内偵で大事なことは?」亮子「(食い気味に)悟られないことです」

  • 権藤のラストのセリフ。亮子には本音を話す。楽しそうに遊ぶ子どもたちを見て「心安らかなのが一番いいな」「幸せが手からすり抜けている気がするんだ」

キャラ

  • 亮子の寝癖:仕事に没頭するあまり身なりに気を使わない亮子は他の女とは違う

  • 権藤は本心を隠し金庫で言う:「何が税務署だ、来るならきてみやがれ」

  • ヤクザの蜷川:とにかく話にならない男。説明するたび、「俺が信用ならねーのか!?」となる。スピーカーを使っていいように話し出す。

  • 権藤の弱点:女遊び(元カノに密告される)

  • 優しそうに見えて芝居がうまく頭の切れる署長。

  • マルサの仲間が個性的で優しい人ばかり、悪い人いないのでチームワークもよく見ていて楽しい。

ストーリー

  • 冒頭の衝撃:寝たきりのおじいさんが看護婦の乳を一生懸命吸っているシーンから始まる

  • 数分前に権藤「金を貯めるなら~コップに溢れた水滴を舐めるのさ」→隠し金庫をみつけた上司「なるほど、これが漏れて溢れたやつか」

  • ハラハラを表現:①金庫の鍵を光子からとるため美容院へ。光子を信じてトイレに行かせた上司。中で水が流れる音がして焦る。②強制捜査の日、10時にゴミ出しに来るはずがいつもより遅れる

構成

  • 権藤と亮子が初めて出会うのが37分。(少し遅い)なので14分のところで亮子に車を見つけさせる。ここから二人は繋がっていく。

  • 権藤家の捜査がうまくいってない時は他の銀行なども難航している。シンクロしている。

小道具

  • 亮子のハンカチ:ラストシーン。権藤、ハンカチに血で暗証番号をかいて亮子に返す。契のようなもの?

  • ブランデー:権藤が緊張しているときや、嬉しいときに飲む。普通は飲んでない。

二人の共通点

  • 息子を愛している。仕事はバリバリだが息子の前ではそうはいかない

視聴者が共感するポイント

  • 視聴者=納税者。いろんなパターンの納税者を描写していて、共感したり感心したりすることあり。(例)税務署に「もっと悪いことしてるやつから税金取れ!」と食って掛かるおばちゃ違い。カフェの伝票3桁と4桁のちがい。税金のクリーニング屋。銀行に入るとき、出るときのネックレスが違う。

  • →いろんな納税者をみせるときのモンタージュ。紙を食べる従業員。コンクリートに見せかけて砂。日本人形の服の中。ランドセル。植木。屋根を這いつくばる下着姿のおばさん。

  • 仕事熱心:権藤もアイデア(シーツの色)が思い浮かんだら女遊びそっちのけで仕事し始める


好きなシーンをシナリオにおこしてみた

○権藤の事務所
スーツの仕立て屋が権藤を採寸している。
部下、事務所に入り
部下「社長、袴田のじいさん死にました」
権藤、一寸考え
権藤「よし。じゃあ会社潰しちまえ」
権藤、部下の方へ歩き
権藤「預金全部引き上げて、手形一枚振り出せ」
部下「額面いくらにします?」
権藤「一億に千万だ」
部下「わかりました」
権藤、部下から離れる。
部下「それから社長に会いたいと男が来てますが」
権藤「誰だ」
部下「金貸しの丸尾から聞いたって話です」
スーツの仕立て屋、権藤の採寸を続ける。
身なりの汚い男が部屋に入る。
権藤「誰だい、あんた?」
汚い男「名刺を出すようなもんじゃないです。クリーニング屋ですね。お金のクリーニング屋」
権藤真剣に話を聞いている。
汚い男「お宅くらいになりゃどうしても裏金が貯まっちまう。貯まるのは結構だけど裏金は裏金だ。大っぴらには表に出せない。出したらたちまち税務署が飛んでくるからね」
権藤、汚い男をソファへと促す。
仕立て屋は権藤から離れる。
権藤、ソファへ座る。
汚い男は立ったまま
汚い男「5千万の裏金を表へ出したらいくら払います?領収書払う時は1割ですよね」
権藤、ゆっくりとタバコを吸いながら
権藤「それで?」
汚い男、ポケットからある紙を出し権藤へ渡す。
権藤それを受け取る。
それは数枚の宝くじ。
権藤は汚い男を見上げる。
汚い男「五千万の当たりくじです。番号はここに載ってます」
権藤、汚い男から新聞を受け取り、まじまじとみる。
確認後、再度汚い男を見上げる権藤。
権藤、笑みが漏れる。
権藤「あんたこの宝くじ俺に五千五百万で売りつけようってのか」
笑いが止まらない権藤。
権藤「こいつはいいや」

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