見出し画像

直接伝わることのない「HAPPY BIRTHDAY」


初めての方は初めまして。
以前も私の投稿を見てくれた方はこの度もありがとうございます。

11作目となる今作では、高速道路上で遭遇したスポーツカーのナンバープレートを見て、私が勝手に表題のようにささやいてみたというお話をしていきたいと思います。

以降の文章内で今日という言葉が出てきますが、それは皆様がお読みいただいている当日のことではなく2022年12月20日のことを指していますので、先にお断りをさせていただきます。

総文字数は3633字です。
今回もよろしくお付き合いくださいませ。

気楽に適当に読み流してくださいね


昨日(2022年12月20日)の出来事になるのですが、都内高速道路を走行中に1台のスポーツカーがサイドミラーに映りました。

徐々に後方から近づいてくるそのスポーツカーは、ドイツのメーカーが製造販売しているモデルであることがわかりました。

スポーティーで大きすぎることもないボディサイズは実にカッコいい。

それでいてイタリア産跳ね馬のように ”これ見よがし” でもない、ちょうど良い塩梅のモデルです。

そしてボディカラーもまたスポーツカーらしい「いいセンスだなあ」と思うものでした。

都内を走る中央線快速列車のような色合いは、まさにスポーツカーに相応の素敵な色でした。

もし遭遇した同じ車を私が購入するとしても、ボディカラーの選択肢に必ず候補にあがる色です。

私と同じ趣味嗜好をお持ちの方が運転されていることが見て取れるため、
スポーツカーの運転手がどんな方なのか、私は一気に興味を持ちました。

スポーツカーは私が運転している車を颯爽と追い抜いていくのですが、追い抜かれ際に運転されている方がどんな方なのかチラッと見てみたら、何と運転手の方は女性でした。

このときは1秒あるかないかのごくわずかな時間で確認しただけだったので、女性であることしかわかりませんでした。

しかしまさか女性だったとは!

意外な思いもあって少しだけ驚いてしまいましたが、ほぼ同時に
”素敵なカッコいい女性だな” と素直に思いました。

そして嬉しくなりました。

女性でこういう車を好きで運転されている方がいらっしゃるということに対して。

2シータースポーツカーが好きで女性という条件が重なる方は、なかなかお目にかかることがないのです。

2人しか乗れない、
荷物が積めない、
目立つ、
など、さまざまな理由で2シータースポーツカーを敬遠される方が女性には多いのです。

だからこそ今日お目にかかった女性がいてくれることが嬉しいんですね。

同じような趣味思考を持っておられる異性を、私は気になってしまうのです。

かく言うこの私も4ヶ月前の2022年9月までは2シーターのオープンモデルスポーツカーを所有しておりました。

このnoteを投稿している現時点では既に車は手放してしまっておりますが、昨年夏までは先日お見かけしたあの女性と同じような車に私も乗っていたのです。

車種は国産車で以下の車です。わかる方にはお分かりかと思います。

私のかつての愛車です。


以上のことから、車種やメーカーを問わず2シータースポーツカーに乗られている方は ”同胞” と私は勝手に決めつけてしまっています。

繰り返しますが、私は既にそのような車を手放してしまってはいますが....
まあ、同じものが好きであるということに違いはありません。

ですから、こういう2シータースポーツカーを見ると親近感が湧き、どんな方なのか運転手を思わず見てしまうという習慣があるのです。

とはいえ、2シータースポーツカーを運転されている方々からすれば、私の視線などもしかしたら迷惑かもしれません。

この場を借りて先に謝っておくことといたします。

さて、私の前方を先行して走行するスポーツカーを "いいなあ" と思いながら眺めておりましたら、 走行ルート上に少し車の流れが悪いところが出てきまして、私の車は追い抜いていったスポーツカーに追いつくことができました。

追いついて真後ろまできたときに気がついたことでしたが、
車両ナンバーが ”12-20” でした。それを見て私は・・・・
「えっ? もしかしてこの運転手の女性は今日が誕生日なの?」
と、本当に要らぬ余計なことを思いついてしまいました。

「ハッピーバースデー」と窓越しに伝えたくなりましたが、
どんなに血迷っていたとしてもそんなことはできません。
できるはずがありません。

もしそんなことをしてしまったら変質者でしかありません。
言われた方は嬉しくないどころか不快極まりないでしょう。

だからこそテレパシーのような形で伝えるのです。
「ハッピーバースデー」と。


それから少しの間はスポーツカーの後ろについて走行(尾行?)しておりましたが、スポーツカーの女性がどんな方なのか再び確認したい気持ちになったため、空いてきた隣のレーンを走行しスポーツカーを追い抜きざまに運転手さんのことをチラ見することにしました。

先ほど見たときは女性であることしか分かりませんでしたが、今回は追い抜く際の車速が遅かったためにしっかりと横目で認識することができました。

ドライバーは30代半ばであろう女性とわかりました。

私の妻と同じくらいでしょうか、あるいはもっと若いのかもしれません。

するとその瞬間、無意識的に「自分と趣味嗜好がほぼ同じ女性と仲良くできる機会があったらよかったのになあ」と、こんな言葉を自然発生的に洩らしてしまいました。

私には妻と子どもがいるので、そのようなことを口にしてしまうのはおかしなことですが、言葉として何故か出てきてしまいました。

断っておきますが、妻も子どもも大好きです。自分から離れていくことなど決してすることはありませんし、したくもありません。

しかしながら "別の女性と二人三脚をしていたら" というような言葉を無意識的に言ってしまいました。

自分自身で「何を言ってんのかなオレは...」と思ってしまいました。


しかしながら、2シータースポーツカーを1人で乗り回す女性と面識を持つことは、この先続いていく人生において十中八九ないことだろうなとも思いました。

もう私は今後の人生で2シータースポーツカーを所有しないと決めています。

女性と車の話をすることはあまりないことですので(私のこれまでの経験上において)、対面する女性が2シータースポーツカーのオーナーだったとしてもそんなことに全く気がつかず終始してしまうでしょう。

私が視線を送るスポーツカーの女性は、
"人生の分岐点で自身が進まなかった先に存在している
現世では縁のなかった対象の一つ"
と言えるのかもしれません。

もし輪廻転生して生まれ変わったとしたならば、
男女どちらで来世にて誕生するのかわかりませんが、
スポーツカーオーナーの異性と仲良くなるということは 、
”前世でやり残した宿題を終わらせること”
なのかもしれません。



色々なことを考えていましたら、隣のレーンの後方を走る2シータースポーツカーが近づき、私の車両を追い抜こうとしていました。

1キロほど走った先には分岐ポイントがある為、これで見納めになるかもしれないなと思った私は隣に来た車と運転手の女性を再三にわたって見ることにしました。

その際なんと、追い抜かれざまに私の車両をみていた運転手の女性と目線があってしまいました。

先ほどの私の車両が追い抜きをかけていたとき、私はじっくりと視線を送って見ていましたから、スポーツカーの女性も気がついていたのでしょう。

ちょっとジロジロ見すぎてしまったのかもしれません。

気持ち悪い思いをさせてしまったなら申し訳ありませんでした。

スポーツカーに追い越されてからは、再び追いつくこともなく分岐ポイントにさしかかりました。

スポーツカーは分岐をそのまま直進していくのが見えました。

私の車両は分岐を左側へ進むので、分岐から先ではもうあのスポーツカーを目にすることはできません。

だからスポーツカーが見えなくなる前に、ドライバーの女性に対して再び言わせていただきました。

またひとつ歳を重ねた素敵な貴女へ
「HAPPY BIRTHDAY」と本当に余計な一言を。

分岐ポイントを過ぎた今、多分この先の人生においても、あのスポーツカーとそのドライバー女性に会うことはないでしょう。

バイバイ。もう多分会わないでしょう。。。


ん? 待てよ・・・・

今更になって急に思いましたが....あのスポーツカーの女性は既婚者で、
旦那様の車を運転しているということもありえる話だなということを。

もしそうだとしたら大失態です。
別に男に対して「HAPPY BIRTHDAY」と言いたいわけではありません。
そうだ...その可能性をすっかり忘れていました。
余計なことは言わない方がいいなと改めて思いました。


それではこの辺でお開きにしようと思います。
今回もお付き合いいただきましてありがとうございました。
また次回作でお目にかかりたいと思います。
それではまた。

〜 11作目 『完』 〜

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?