晴一さんの世界を見たい

ヴァグラントのチケットがとれました。
9月16日のマチネ公演を新歌舞伎座にて観劇する予定です。わーいわーい。

ミュージカルのことを母に伝えたところ、
「ポルノがミュージカルてwww 素人やろ?ポルノの人にガッカリしても知らんよ」
と鼻で笑われました。昭仁さんがミュージカルの主演をするとか、そういう感じのを想像したんでしょうね。(それはそれで見てみたいような…見てみたくないような)

私「ポルノの人は舞台をプロデュースする側やから舞台には出はらへんよ。歌ったり演技したりしはるのはプロのミュージカル俳優の人らやし」

母「えっ、ポルノの人が出ないんやったらなんで見に行きたいの???」

ポルノの人の──晴一さんの世界を見てみたいからだよ、お母さん。


晴一さんが紡ぎ出す世界。
私がそれに惚れたのは、ポルノグラフィティを知った時点で既に、だったと思います。

小学六年生の時、『オー!リバル』を聴いたのが出会いだったのですが、

肌を焦がすような南風が吹いた

出だしのこの一節で、ガッチリ心を掴まれた記憶があります。
「なんだかよく分からないけどかっこいい!」って。

お前は誰でもない
鏡の向こう側 この姿を映してる
ありのままにただ演じているだけ

『オー!リバル』より

僕らはこの街がまだジャングルだった頃から
変わらない愛のかたち探してる

『アポロ』より

大好きだから踏み出せない
大好きだから臆病になる

『ミュージック・アワー』より

けして明けない夜も
降り続けてやまない雨も
このろくでもない世界にはあるんだよ

『THE DAY』より

上に挙げたのは、小中学生の頃に聴いて痺れた歌詞たち。
四つに共通しているのは、まるで神様からのお告げのようにストンと自分の胸に落ちていったということ。 

自分が無意識に抱いてた、世の中の事がらに対する疑問にサラリと答えてもらったかのような感じもして。心がすっきりしたんですよね。

それからまた数年経って、本格的にポルノファンへの道を進み始めるわけだけど、
ますます晴一さんの言葉の虜になってしまって、多分この先一生抜け出せません。

晴一さんの詩は、全てを兼ね備えてる。
美しさも、ユーモアも、皮肉も。強さも、弱さも。カッコ良さも、カッコ悪さも。優しさも。愛も。

真正面からじゃなく、ちょっと斜め上から物事を見ているところ。情けない姿もさらけ出しちゃうところ。背中を押してくれる時の、「それでいいんじゃない?」みたいなふわっとしたスタンス。すごく好き。大好き。


どうやったらこんなに素敵な言葉が浮かんでくるんだろう?どうやったらこんな考え方ができるんだろう?
曲の歌詞だけじゃ足りなくて、小説にも手を伸ばしました。

メジャーデビューを目指すロックバンドの奮闘を描いた、晴一さん著作の小説『ルールズ』。
高校三年生の夏休み、貪るように読みました。

正直最初はね、ちょっととっつきにくいかもってイメージを抱いていました。歌詞はせいぜい数百文字だけど、何万文字にも連なる小説となるとより文章が具体的になるから、受ける印象も変わってくるわけで。

本を選ぶときに読みやすさを重視してしまいがちな私は、比喩オブ比喩な世界観にちょっとびっくりしてしまって。(ポルノの曲で知ってるはずだったのに)
小説を読む時、いつも頭の中で映像をイメージしながら読むんだけど、最初のうち、それが上手くいかなかった。

でも、ある場面を境に、だんだん映像が鮮明になっていきました。
現役バンドマンが描くロックバンドの物語。あんまり作者本人と重ねすぎるのも良くないかもしれないけれど、もしかしたら彼が実際に見てきた光景がそこに紛れているかもしれなくて。
それに気づいてからはもう、止まらなかった。ラストシーンは本を放り投げて(笑)走り出したくなるくらいに胸がカーッと熱くなった。
彼の情熱を感じて、一緒に熱くなれたことが嬉しかったんだと思う。


そして、今回のヴァグラントですよ。
今年の一月頃かな?お知らせが出た時、「絶対行く!!」って決めてました。

私は舞台を見ることが好きで、中でもミュージカルが大好き。映画鑑賞でも同じことが言えるんだけど、視覚から物語に没頭できるところが好きなんです。
例えば曲を聴いたり、本を読む時、物語は自分の頭の中で想像するでしょ。曲だったら、目の前にあるのは自分の部屋の景色だったり、電車の中だったり、現実の景色が続いているだけだし。読書してたら目の前にあるのは活字だし。

でも、舞台って、実際に目の前で生身の人間が演技をするんです。映画はスクリーンの中で、あるいはテレビの中で再生される「映像」だけど、舞台だと俳優さんの息遣いまでもがリアルタイムで伝わってくる。
目の前で展開される物語と、観ている自分との境界線がだんだんなくなっていく感覚が、もう、たまらないんです。
その感覚を晴一さんの言葉や、晴一さんの音楽と共に味わえるなんて最高でしかないじゃないか…!


来たる9月16日。
晴一さんの世界を見たいという私の願いが、実現しようとしています。
すごくすごく楽しみです。
これで当日風邪引いたりしてして見に行けなくなったら洒落にならんから
体調管理はしっかりするよお母さん。

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