岡野昭仁の闇曲はえぐい

普段、朗らかな人が垣間見せる闇ほどゾクゾクくるものはないと思うんですよね。

というわけで今日は、我らが朗らかボーイ・岡野昭仁の闇曲について、3曲挙げて語っていこうと思います。 


1.見つめている

昭仁さんが初めて作詞を手がけた記念すべき曲。
一言で言うと、一番危険なタイプのストーカーの曲です。
第一次岡野昭仁ガチ恋期の真っ只中だった中学三年生の私は、この曲の歌詞を書いたのが昭仁さんだと知ってとてもショックを受けた覚えがあります笑
勘違いをこじらせすぎて暴走してしまったストーカーの描写が上手すぎて息を呑む。

本当にどの歌詞も気味悪くて甲乙つけがたいんですが、私が特にすごいと思うのはこの部分。

ビーチサンダルを履いた
指にはさまる砂のように
まとわりついて
離れない 離れないぞ

気持ち悪い!!!めちゃくちゃ気持ち悪い!!!(最大の褒め言葉)
指に挟まる砂というチョイスがもう、感性つきぬけすぎてます!!!足の指めっちゃムズムズする!!!気持ち悪い!!!  

昨日見た 夕方のドラマ
ラストシーン すごく泣けたんだ
これは関係ない話じゃない
意味深だよ裏側を
ちょっとだけ 考えて
分かってんだろ

ここも好き。ただただ怖い!!!
全体的に柔らかいというか、紳士的な口調なんですが、「分かってんだろ」とここだけ乱雑な言い方になってるのが余計怖さを引き立てる。
多分相手とは、分かる・分からない以前の関係性だと分かるのも余計に…

最近のライブで言うと、UNFADEDでワンコーラスだけ披露されていましたが、昭仁さん自身も「気持ち悪い!」「頭おかしい!」と盛大に自虐しているのを見てほっこりした覚えがあります。
初作詞だからインパクトを残したかったんですって。当時の昭仁さんに言いたい、大成功だよと。


2.ダリア

00年代のボカロ曲を彷彿とさせるようなキレッキレのかっこいい曲。でも、歌詞は闇が深い。

今夜もあの席、ガス入りのウォーター
後ろの奴らの話がエグすぎる
他所の不幸を笑って喰い物にしてるんだ
でもね、明日は俺もそうするんだ

あんまり昭仁さんを神格化しすぎるのもいかがなものか、とは思っているんですが、にしてもここの歌詞。
あ、昭仁さん…??っていつもなるんですよね。
ほんわかした、優しい彼のイメージとかけ離れすぎたそんなシチュエーション。

『見つめている』には、暴走したストーカーっていうはっきりしたテーマが伝わってくるんですよ。でも、『ダリア』は割と抽象的で、掴みどころのない感じが『見つめている』とはまた違った危うさを感じさせます。

曲名にもなっている通り、ダリアの花が歌詞の中で何度も登場するのですが、 

ダリアが俺に何か言ってる
ゆらゆら揺れる俺に何か言ってる
お花畑を歩きすぎたら
耳鳴りがしてもうやめた

この部分とか特に、「俺」の精神状態がかなりの異常をきたしているのがよく伝わってくる。お花畑を歩くだけでこうなるってよっぽどだ。

曲の中でも言及された「移り気」の他にも、「裏切り」「気まぐれ」「不安定」など、ダリアには怖い花言葉がそこそこあるんですけど、この曲そのものだと思います。
ていうかそもそも、花言葉を知ってる昭仁さんが尊い。(アホみたいなオタクの戯言)


3.Fade away

だいたいの暗い曲って、最後に希望をちらつかせて終わるパターンが多い気がします。
でもこの『Fade away』は、最後の最後まで絶望しか描かれません。

何が正しい?見えない未来

こんなどん底のフレーズで曲が終わってしまうのがとても衝撃だったし、頭お花畑の中学の頃はひたすら暗いこの曲がとても苦手でした。

でも、今となっては、落ちるところまで落ちた時に欲してしまうのがこの曲なんです。逆に元気が出るんですよ。励ましの言葉よりも、悲観的なフレーズのほうが沈んでいる自分に寄り添ってくれると言いますか。

幼子が眠っている 母の温もりの中
慈しみの雨がわたしを通り過ぎたら
心の隅がまたうずき始めたの

特に好きなフレーズはここです。
たとえ自分を優しく包んでくれる存在があっても、途切れることのない苦しみ。

余談ですが、このフレーズを聴く度に別の曲を思い出すことがあって。それが、同じく昭仁さん作詞作曲の『ROLL』。
『ROLL』は、愛した人の心の傷に触れて葛藤しながらも、愛し続けていくことを決意する人の曲ですよね。
もしも『ROLL』の「僕」が愛した「君」が、『Fade away』の「わたし」だったら……とか、そんなストーリーを最近妄想したりしています。


というわけで、岡野昭仁の闇曲を3曲挙げてみました。
もうすぐ昭仁さんのソロアルバム発売されるけど、一曲くらいはこういう曲入ってないかしら。期待しちゃう。

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