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第三回電脳灯争戦 参加レポート


はじめに

 2023年7月に開催された、第三回電脳灯争戦。
今回お誘いを受け、新進気鋭のチーム『ぶりっつ!』の一員として、大会を最後まで戦って来ました。今回は前哨戦も含めた試合を、自分の使った統率者と共に振り返っていきます。
実際の大会の様子は動画で見ていただいた方が分かりやすいので、リーダーの真名結さんの許可を頂いてリンクを貼っています。
※電脳灯争戦とはなんぞやという方は、電脳灯争戦がどんか大会なのかを記載した記事を探してください。

この記事はファンコンテンツ・ポリシーに沿った非公式のファンコンテンツです。ウィザーズ社の認可/許諾は得ていません。題材の一部に、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社の財産を含んでいます。©Wizards of the Coast LLC.

ぶりっつ!結成

 今回、第三回電脳灯争戦に参戦するにあたって、真名結さんをリーダーとしてこれまで電脳灯争戦に参加したことのない4人が集められました。
みんな一癖も二癖もある面白いキャラクターをしています。
人物紹介などをしていくとそれだけで記事が膨大な長さになってしまうので、各メンバーの詳細については結成記念配信をご覧ください。

深緑戦:ぶりっつ!vsクレイドル

深緑戦:ぶりっつ!VSクレイドル

 クレイドルさんとの前哨戦(通称深緑戦)は、ぶりっつ!の全員が緑を含む統率者縛りでの対戦。各試合は真名結さんの配信アーカイブからご覧ください。ちなみにこの回では、私の家の通信環境の問題からMTGAの画面がうまく共有できず、味方が何も見えずに戦場のカードを実況しなが戦う羽目になりました。

トークン1体でPWを打ち取れる。群衆の威光、ヴラスカ

 さて、全員緑を含む統率者を選ぶと決まり、私が選んだのは群衆の威光、ヴラスカ。
なぜこのバージョンのヴラスカなのかと言うと、『灯争大戦』のカードだからです。『電脳灯争戦』において初の試合ということでせっかくなので選びました。今大会、前哨戦ではいろんな統率者を使っていこうと思っていたので、まずはその一発目ですね。相手のPWに対して接死トークンが一発でも与えれば破壊できるのは便利。その反面、忠誠度+能力がないので、使い切りカードとなります。(もちろん統率者なので落とされたら再利用できますが)

群衆の威光、ヴラスカのデッキ。こそっと紛れるラザケシュ

 さて、ヴラスカのデッキですが、まず「あれ、もしかしてヴラスカは見せかけで、黒単なのでは」と疑われていたようです。多分それは根絶さんの影響だと思うけど。
実際にはそんなことはなく、接死ビートダウンデッキとなっています。
対戦相手の納屋住まいのRくんは「潜伏工作員、アジャニ」をチョイス。白緑で完成化アジャニとくれば、毒殺かクリーチャーでの殴り合いをしかけてくるだろうと思ったので、こちらも黒緑ミッドレンジで毒殺デッキにして正面から殴り合うことに。仮にエンチャント軸でも、こちらもエンチャント割れるしね。

お気に入りカードの戦争の犠牲。割れるカードが多く典型的な一対多交換カードと、
ETB格闘で邪魔者を排除しつつ、殴りながら置物を割っていくコグラ

序盤は押されてましたが、戦争の犠牲とコグラが強くて勝ちました。どちらも強力なカード。戦争の犠牲は英語版テキストを見てもらえばわかりますが大変美しいカードテキストをしています。1つずつとはいえパーマネントを何でもかんでも破壊できる性能は随一。統率者先公開制であるからこそ最低でも1枚でPW、生物、土地は割れ、運が良ければエンチャントやアーティファクトも割れ大きくアドバンテージを稼ぐことができます。またコグラもETB格闘だけに留まらず攻撃すれば置物を割ってくれる強力なフィニッシャーですね。

 ちなみに深緑戦ではちょっとしたトラブルがありまして、前哨戦ではありますが、ぶりっつ!のムードメーカー、きりしーこと霧島響希さんが先鋒だったところ、対戦順序が最後になるという珍事件がありました。詳細は対戦アーカイブとして真名結さんのTwitchで見ることができますので是非ごらんください。きりしーの見せ場は2時間16分あたりから。

対戦は4:1でぶりっつ!の勝利、深緑戦

鬼龍戦:ぶりっつ!vsじょーくるほーぷす〜バ美肉タッチおじ〜

鬼龍戦:ぶりっつ!VSじょーくるほーぷす~バ美肉タッチおじ~

 2回目の前哨戦はじょーくるほーぷすさん、じょーくる側はドラゴン、ぶりっつ!側はデーモンの統率者縛りでの対戦です。デーモン代表ということで大将に選ばれ相手の大将天紅龍さんとのマッチアップ。別に天紅龍さんと因縁があったわけではないですが、「最強の種族はドラゴン」と言われては、最強の種族デーモンの力を見せておかなければならないでしょう。

 この鬼龍戦、結構統率者選びで悩みました。種族がドラゴンである統率者候補が全50種類(当時)に対し、種族がデーモンである統率者候補が全27種類となっており、しかもそのうち黒単でないものが14種類、3色統率者となるとニューカペナ5種+団結のドミナリア1種という状況で、仲間の統率者がほぼ2択という状態となってしまったのです。

種族:デーモンの伝説のクリーチャーおよびプレインズウォーカー27種
実は蜘蛛の女王、ロルスはクリーチャーにするなら神・デーモン
相手のカードを切削してパクる。深海の破滅、ジャイルーダ

 私が統率者に選んだのは深海の破滅、ジャイルーダ。イコリア実装当時にちょっと流行しましたね。相棒指定するにはデッキのカードを全部偶数にする必要がありますが、統率者の場合は縛りも必要なし。対戦相手のデッキからもパクれるので、対戦相手は逆に『奇数のクリーチャーだけにしなければパクられる』という圧力が特徴。今大会では前哨戦も含め、唯一グリセルブランドを採用したデッキです。デッキとしてはジャイルーダガチャが一つの必勝ムーブとなるため、赤単アグロでゴリゴリに攻められるとかなり辛い対戦になると想定していたのですが‥‥

ジャイルーダでグリセルブランドをめくりたかったデッキ
ヒスブロで暴れてるルスコや黙示録シェオルドレッドも4マナ

実際の対戦では1T目に墓堀りの檻を置かれてしまったためジャイルーダのETBでクリーチャーを奪取できなくなってしまいました。統率者への対策カードを積んでおくのは電脳灯争戦では常套手段ですが、逆に対戦相手の天紅龍さんのルーカガチャも失敗するという珍事件が発生。結果的に試合はジャイルーダとかドラゴンとかデーモンとか関係なく血瓶の調達者が強かったので勝ちました。

4マナ5/6飛行トランプルとかいう謎の優秀スペック、血瓶の調達者
なんで君4マナなの?

 ちなみに鬼龍戦ではみんな大好ききりしーがザンダー卿を統率者に使ったんですが、至高の者、ニヴ=ミゼットの『墓地の2色カードに再活を付与する』能力に対しザンダー卿で殴ってライブラリーを半分切削するという友情コンボが炸裂。墓地から唱えられる呪文が多すぎて何があるかもうよく分からない状態は必見。注目のきりしー戦は49分あたりから。

こちらも4:1でぶりっつ!の勝利、鬼龍戦

彩鏡戦:ぶりっつ!vsメガネオ

埼京線彩鏡戦:ぶりっつ!vsメガネオ

 前哨戦3回目はラヴニカのギルドカラー縛りの統率者で勝負になりました。事前に誰がどのギルドカラーを使うかドラフトを実施。結果は対戦表の通り、私はラクドスでルルークさんのボロスと対戦。
私はオルゾフ、ディミーア、ラクドス、ゴルガリが候補だったんですが、ラヴニカで唯一無二、デーモンが率いるラクドス教団に。

アグロデッキとしての圧力が強い。災いの歌姫、ジュディス
鉄砲玉クリーチャーが死んだ時に任意の対象に1点飛ばせるのも地味に強い。

 さて、せっかくラヴニカのギルド縛りなのでラクドス教団の統率者を使おうとなった時に、ラクドスとジュディスとジョーリが候補にあがりました。どれも特徴的でしたが、本戦をオブ・ニクシリスと決めており、ニクシリスは必然的にハンデスや除去コン、サクリファイが多くなると予想して、ここはラクドスアグロを選択。

吸血鬼に寄せたラクドスアグロ。

 実際の対戦ではルルークさんは予想通りボロスアグロ、アグロデッキ同士の正面衝突。装備品をうまく活用し上から攻められ、押し切ることはできませんでした。(アグロ相手は本当に苦手だ)

 そして今回の見どころは、中堅戦、歌舞伎町ゴルガリの女王ヴラスカを使う血染めのダイチさんvsボーラスの壊乱者、ドムリを統率者に選んだきりしー戦。試合はガンガン攻められてギリギリまで追い詰められたところからの、エンバレスの宝剣を装備したパンプアップ二段攻撃での逆転勝利が印象的。少年漫画の主人公かお前は

チームとしては3:2で辛くも勝利、彩鏡戦

海神戦:ぶりっつ!vsのあずあ~く

前哨戦4回目はこことやると決めていた、のあずあ~く戦

 ついに4回目となる前哨戦は電脳灯争戦の常連チーム、のあずあ~くとの対戦。今回は実装したばかりの指輪物語統率者縛りでの対戦。なんだかんだ言ってのあずあ~くの人達は一癖も二癖もありM:TGの腕前もさることながらエンターテイメントの面で見ても強いチーム。私個人としても、まっしー、満天みつきさん、谷川サラさん、tagoさん、小鳥遊のあさんなど、のあずあ~くの方々は顔が広く、全員一度は絡んだことのある相手でした。

劇場版での異形デザインが印象的なサウロンの副官、
ちなみに劇場版では出てきたものの活躍とかは特にない

 今回は全員指輪物語の統率者ということで、『多分このキャラクターに人気が集まるだろうな』というのがある程度予想がついていました。4Cアラゴルンやサウロン、フロドは強力な統率者なので統率者がかぶるだろうということで、サウロンの口を統率者に選択。サウロンの口はETB以外は普通のバニラと変わらなくなってしまうので、ETBでいかにオーク動員できるかがカギになります。(バリクソ能力盛り盛りのサウロンや生贄でコスト軽くなるバルログなどと比べるとアンコモンとはいえ地味と言わざるを得ない)

てなわけで最大限邪悪なデッキを用意しました

 指輪物語のカードで間違いなく強いのは「一つの指輪」「オークの弓使い」というカード。サウロンの口を統率者に選んだのはオーク動員がオークの弓使いと一緒に使えることから。サウロンの口のデメリットはETBした後はバニラになってしまうこと。ならば使いまわせるようにして何度も出せばいい。というデッキです。
ヒスブロでも見たことある人はいると思いますが、ETBクリーチャーを再利用するためのカードを用意しました。

ETBを使いまわすことで有名な2枚

実際に試合でもタッサを出すことで、シカにされたオークの弓使いをブリンク(出し入れ)してエンチャントを剝がしたり、サウロンの口やオークの弓使いをブリンクして最大限悪さをしていました。ディスプレイサーの仔猫に関しても有名ですが、こちらはクリーチャー以外の呪文を唱えるたびに土地でないパーマネントをブリンクする能力でコンボが有名。オークの弓使いやサウロンの口以外にも、ルスコをブリンクして真夜中の時計を出したりと悪いことしかしない。

指輪物語が出て一番活躍してる、オークの弓使いと黙示録、シェオルドレッド

 今回私のデッキには「一つの指輪」を入れていませんが、オークの弓使い、シェオルドレッドともに『相手のドローを咎める』能力として非常に優秀。指輪に対して一番のカウンターは黙示録シェオルだと思う。同時に、指輪のドロー能力で回復するという意味でも黙示録シェオルは非常に強い。
(ディスプレイサーの仔猫で一つの指輪をブリンクしてるだけでそのターン無敵になるんですが、それは『負けない』かもしれないけど『勝つための構築』ではないので抜いてます)

 のあずあ~くとの対戦は非常に面白く、今回前哨戦では唯一2:3で敗北となってしまいました。配信での見どころはヒナちゃんとまっしーのシン・まっしろしろすけ対決。統率者トム・ボンバディルを弾丸にするアラゴルン砲が印象的。そして大将戦、小鳥遊のあさんと真名結さんの対決、ビルボ大暴れに冥王サウロンがどう戦うのかは見ものです。

チームとしては2:3で負けてしまいました。

閑話休題

 さて、ここまで4チームと対戦してきましたが、ぶりっつ!は3勝1敗となんと勝ち越し。この頃になると、数々の練習を経て仲間との立ち位置もだいぶ決まってきたように思います。
正直なところ、いきなり本戦に行かず前哨戦を4回も挟めたのは非常によかったと思います。真名結さん以外電脳灯争戦は初参戦なので、統率者公開フェイズ、対戦順公開フェイズからの、チーム練習とデッキ構築というメインフェイズを4回も経験することができました。この練習試合の蓄積は本戦にも活かされたと思っています。

 そもそも電脳灯争戦、興味はあれど5人チームを集めてリーダーするってガラでもないので、参加することはないなと思っていたのですが、誘ってきたのが真名結さんだったのでOKしたのが大きいです。
特に真名結さんは交渉の時点で①声をかけた理由②どんなチームにしたいか③どうやって電脳灯争戦に取り組む(盛り上げる)かの3点が非常に明確で腑に落ちるものでした。(ベイビィフェイスチームに残虐非道の私を誘おうと思ったのは未だに腑に落ちていませんが)
 チーム活動においても一番尽力していたのはもちろん真名結さんで、他チームへの交渉やスケジュールの調整、チーム練習の時間、サンプルデッキ構築、前哨戦のイラスト依頼などなど多岐に渡り、本当にこの人の電脳灯争戦を盛り上げたいという熱量がとんでもないと思いました。(言うと本人が照れくさそうに誤魔化すので言わないけど)
 それから、前哨戦と本戦のたびに対戦相手の方まで全員イラストを描いてくださったすー@ふらいとちきんさんにも感謝を。結局ぶりっつ!が各2枚ずつ(普通のちびキャラと統率者セット)と対戦した5チーム23名で合計33枚くらい描いてくれてるはず。精神と時の部屋にでも住んでるんか感謝の念に絶えません。

本戦へ

 さていよいよ電脳灯争戦の本戦に入ります。ここからは毎度統率者を変えてた前哨戦とは異なり、あらかじめ公開した統率者で戦っていくことになります。

ニューカペナの街角で再登場した、現状唯一のデーモンPW
敵対するもの、オブ・ニクシリス

 今回私が統率者に選んだのはオブ・ニクシリス。
これは実は電脳灯争戦に参戦するのが決まった時からある程度考えていました。出るからにはデーモンもしくはデーモンに関係する統率者でなければ。
もちろんそのほかのデーモンも候補に入っていましたが、『どうせやるなら自分の好きな奴を相棒にして挑み、やれるだけのことをやって負けるならそれも仕方ない』という気持ちが強くありました。
この方向性は今後も変わることはないと思います。
「機械兵団の進軍その後に」でも灯を失ったニクシリスが収録されましたが、あちらはコンボに全振りした構築をする方が強いものの、そのほかの軸ずらし戦法には不向きなこともあり、悩んだ末こちらのニクシリスを選択しました。

第一試合:ぶりっつ!vsクレイドル

何の因果か本戦でも初戦の相手はクレイドル

 いよいよ電脳灯争戦の本戦が開始。クレイドルさんとは前哨戦で一度対戦しましたが、今回はマッチアップも統率者も変わっていますし、油断して勝てる相手ではありません。しかも始まってみれば1試合目でこれまで勝率が安定していたエニィさんがまさかの敗北。その後、電脳灯争戦史に残ると言っても過言ではない、まさかのバニラ統率者で出場した納屋住まいのRくんによる衝撃的な4Tキルで一気に窮地に立たされてしまいました。(つくづくきりしーは持ってるなと思う)

3T目に暗黒の儀式からヤーグルとムルタニを召喚、
4T目に影槍装備で19/7トランプル絆魂になってからの強行突破
こんなのどうしろってんだ

 電脳灯争戦は3本先取勝負のため、他のチームの方々も常々言っていますが中堅戦はとても重要。今回中堅はリーダーの真名結さんで、大豆さん相手に奮闘。というか割とぶんまわり。なんとかストレート負けを回避します。

次いで副将は私が甘味屋翠夏さんと対戦。
翠夏さんは焼却するもの、ジアトラが統率者(じょーくる戦でエニィさんも使用していましたが、ジアトラ嬢はドラゴン・デーモン)であり、期せずしてニューカペナの街角のキャラクター同士の対決となります。
ラクドス→ジャンドに緑が1色増えると生物の質は上がるしマナクリ搭載できるしエンチャントも割れるしデッキの幅がかなり広がるのですが、それ以上にジアトラは終了ステップにクリーチャーサクって任意の対象にダメージ、宝物トークン3つを出すという強力な能力を持っており、唱えた時に打ち消すか出た直後に破壊しておかないと、それだけで次の統率者税分以上の宝物を出してしまうのが困りもの。火力はニクシリスにも飛ばせてしまうので、出されたら負ける覚悟での勝負でした。

除去コンの形は保ちつつ、ハンデスを増やした手札破壊構築。ジャンド対策というよりは『好きに動くのを阻害する』デッキです。

 副将戦では、ジアトラを出されたら優勢でもひっくり返されかねないため、除去で相手の盤面を掃除しつつ、ニクシリスで手札を締め付けていくという戦法です。軸ずらし戦法をとってもサクリファイやコンボ準備をやってるうちにジアトラに着地されたら元も子もないので、奇策に走るよりは『いかにして好き勝手させないか』という点が大事でした。そのため、貴重な生物枠にはラガバンやラヒルダ、クロクサ、鏡割りの寓話、クルシアスなど、1枚でアドバンテージを稼ぎやすいカードが多く揃っています。逆に重い生物やPWは抜きました。

副将戦はジアトラを出させるわけにはいかなかったため、相手に好きにマナクリやドローをさせない全部除去していくスタイルで進行。

ラガバンによりNTRれたうちの漆黒軍の騎士が相手の盤面で孤軍奮闘の防衛。

後半、ラヒルダを生贄にニクシリスを2体着地させることに成功、また翠夏さんの土地が5枚でストップしてくれたおかげで勝つことができました。この辺は多色デッキのあるあるで、今大会も色が足りずに統率者が出せずというパターンが何度か見受けられました。山があと1枚あれば黄金架を出されていたので、薄氷の勝利。色事故は重い統率者や色拘束が強い統率者の悩みの種…。

 そして大将戦でヒナちゃんは、相手の生物展開になんとか全除去を間に合わせ、セラの使者により戦場を封じ込め勝利。なんとか初戦を突破することができました。セラの使者で全クリーチャーにプロテクション(クリーチャー)を付与することで、格闘することすら許さない。人の心とかないんか。

緑単エルフビートの速度に、ブレインストームで
なんとか間に合わせた太陽降下が戦況を変えた。

第二試合:ぶりっつ!vsベンチウォーマーズ

同じ新進気鋭のチームながら、出自は正反対なベンチウォーマーズ
初戦はメガネオと対決し勝っている

 準決勝はベンチウォーマーズとの対戦。他のチームももちろん強いけど、今大会間違いなく優勝候補に入るチームと予想していました。メンバーの選んだ統率者も本気で優勝を狙っているのを物語っています。
ぶりっつ!は前哨戦の段から、試合前に練習会(任意参加)を行っていました。大体は試合前にデッキの仕上がりを確認するくらい(みんな時間が合わせづらかった)でしたが、ベンチウォーマー戦前は4日間に渡って練習会が行われました。というのも、マッチアップ相性や対戦相手へのメタの張り方で1番難航したからです。
特に1番悩んでいたのが今回大将のヒナちゃんで、タミヨウvsターシャという熾烈なコントロール合戦が確定していたからです。

 今回、真名結さんの相手が樹の神、エシカ(5C)
次鋒のエニィさんの相手が統べるもの、ジョダー(5C伝説)
中堅の私はyowakiさんの不屈の巡礼者、ゴロス(5Cメイズエンド)
となり、3人は各自が相手に思い通りにされる前に倒すというのが共通見解になっています。
副将戦のきりしーの相手は時を超えた英雄ミンスクとブー
そして大将戦のヒナちゃんの相手が邪なる大魔導士、ターシャ

 私は、中堅戦の相手yowatokiさんがメイズエンドを使用してくることはほぼ確定と考えていました。であるなら、勿論ラクドスのこちらがやることは前回と同じ。除去、ハンデス、デッキからパクる、あらゆる手段を使って『好きにさせないこと』です。今回のデッキは彩鏡戦に近いアグロデッキ。

対ゴロス用アグロデッキ

先手から3人はサックリ方針が決まったものの、ヒナちゃんのデッキ構築は難航しました。連日夜に検討を行い、タミヨウとターシャでやりあった場合どうなるかを検討。3日間はほぼターシャ対策に費やしました。コントロール同士の長期戦になった場合、+1能力の防御を破るのは生物のサイズが必要。しかし、強い生物は逆に-6能力で奪われるリスクがある。煮詰まったヒナちゃんは愚痴を漏らしました。
「あー…どうせなら-6能力でタッサの信託者こっちの場に出してくれないかな」
この一言から始まったLOプラン、コントロールを奪われても取り返せるブリンクカード、『運命のちらつき』の存在から、コントロール合戦でのサブプランとしてエニィさんがデッキを仮組。奪ったらむしろ足枷になる生物『無効皮のフェロックス』を採用。(後から検討に参加しそのプランを知らない私が実験台に)

普通に考えたらコントロールデッキに絶対に入れないフェロックス

重コントロール同士の対戦ではロングゲームになり、ターシャは決め手を欠いている。(ルスコかシェオルドレッドか別のPWか、何らかのフィニッシャーを用意する必要がある)逆にタミヨウの紋章を置ければ打ち消しの空中戦はこちらに分がある。決め手を欠いたターシャは-6を使わざるを得なくなることが立証されました。また、タッサの信託者でデッキが全て掘り尽くされた場合にちらつきがなかった時のために、墓地からライブラリートップにカードを詰む『掘り返し』タッサの信託者以外に『神秘を操る者ジェイス』で作戦を補強されました。

タッサの信託者をブリンクする運命のちらつき、そして万が一コンボパーツがない時のためのフラッシュバック付きパイル
EDHではおなじみ寿司を握るもの、タッサの信託者と同じくセルフLOカード、神秘ジェイス

これにより、ヒナちゃんはサブプランではなく最初からタッサの信託者もしくはジェイスによる、セルフLOプラン一本のデッキを組み上げます。どんな心臓してるんだ。

 さて、本戦で答え合わせです。
まずは先鋒の真名結さん。対戦相手のねこすけさんがヤバい体調不良のため欠席になり、デッキをそのままyowatokiさんが使用して対戦。
ベンチウォーマーズのねこすけさんと言えば、第二回電脳灯争戦で夢幻連合(真名結さんのチーム)のYAZAWAさんのエシカデッキに協力した方であり、真名結さんと共にかなりのM:TG古参PW。準決勝のこの場で二人の対決が実現しなかったことを後にねこすけさんは悔しがっていました。
しかし勝負は勝負。真名結さんのナーセットが猛威を奮い、一試合目は真名結さんの勝利。

悟った喪失者ナーセットと思考の旋風の組み合わせは非常に強力。

 続く第二試合、エニィさんは黒音古アオさん(こちらも体調不良で喉がやられてる)との勝負。

手札に妥協せずトリプルマリガン、マナクリとコンボパーツサーチ用のグリムチューター、
コンボトリガーの大釜の使い魔をつかみ取る。

 勝てる手札まで妥協しないエニィさんはトリプルマリガンまで実施。2枚揃えば無限コンボに持ち込めるダイナならでは。サーチカードを引いたエニィさんが無限コンボを走り切り華麗に勝利。

ダイナと極上の血を5T目に揃え、サソリのライフロスドローで相手を指定し無限コンボ開始

ぶりっつは一気に2-0。つまり私が勝てば決勝進出。

 第三試合、いよいよ私の番で、勝てば決勝進出のため比較的リラックスして望むことができました。目標は迷路を走り切るまでに倒し切ること。だったのですが……

アグロの手札としては生物も除去もあり上々の手札キープだが…

なんとyowatokiさん、初手から樹上の草食獣で土地を2枚場に出し、続く2T目に呪文でドロー+土地セット、この時点で土地4枚、3T目にゴロスが最速着地してしまいました。

樹上の草食獣はETBで土地を1枚セットできる。出た時既に仕事を終えており、
かつ本体性能も0/3到達と対アグロのブロッカーとして優秀なクリーチャー

あとは道中、迷路を走り切るまでにどれだけ削れるかというところでしたが、惜しくも迷路を走りきられて敗北してしまいました。

yowatokiさんと言えばメイズエンド。赤黒は土地に触る手段もなく、
見事迷路を走り切られて終了。

 yowatokiさんのメイズエンドで流れを取り戻した副将戦、きりしーvsラクイチさんのミンスクとブー。きりしーもあえなく撃沈。2-2の状態で大将戦にもつれこみました。

 そしていよいよ最終戦。
本放送の、試合開始前インタビューにて
朝比奈「日付変わるまで勝負しましょう♡」
これだから白青コン使いはえっちなんとこの場でフェイク発言である。重コントロール同士を匂わせるブラフだって立派な番外戦術。
 結果、道中のフェロックスから異変に気づいた(普通に考えたらフェロックスなんて使いにくいクリーチャーを採用するわけがない)ベンチウォーマーズも、ヒナちゃんが切り札を隠しもってることに勘づいて居た。

互いにカウンターを構えてターシャの-6能力を起動

ついに満を持してターシャの-6能力を起動。ここからが勝負。
ひとつのミスも許されない詰将棋。
痺れるような緊張を、是非配信でご覧ください。

なんと3:2で決勝進出。

決勝戦:ぶりっつ!vsまっしろしろすけ(仮)

最終決戦、ぶりっつ!VSまっしろしろすけ(仮)

 ついに決勝戦にコマを進めたぶりっつ!、これまでは試合前にデッキ構築と検討の練習会を実施して居ましたが、準決勝ののあずあ〜くvsまっしろしろすけ(仮)のどちらか勝った方と、翌日決勝戦ということもあり、決勝戦前のみ練習会を行えませんでした。
リーダーの真名結さんからは一言「決勝戦はもうやりたいことを各自やる方向で!」
ということで、私は対満天みつきさんのデッキと対庭白莉茉さんデッキの二つを組みながら準決勝本放送を見てました。
結果はまっしろしろすけ(仮)が勝利。
私の相手は庭白莉茉さんの、最初の黄金守護ジョー・カディーン。またボロスアグロかよ!!

決勝戦用デッキ。相手のデッキがボロスウィニーと予想し、ドローソースが少ないと予想。
ジョー・カディーンにドローさせないため、出るたびに全部除去するつもりで構成。

 決勝戦用のデッキ
いよいよもってアグロとばっかりやってる気分になってますが、ここは基本に返って除去コン。単体除去全体除去をこれでもかと詰め込み、出てくるクリーチャーを全部破壊してやるつもりで組んでいます。また、アーティファクトやエンチャントを重視してくる可能性が高い為、大群への給餌やファリカの献杯を望みを託して投入。

 さぁ、泣いても笑ってもこれが決勝戦てことで、真名結さんは「目標は一回戦突破で、準決勝も勝てたんだから最大限露出したし、決勝戦は好きにやっていい」と言いました。
この言葉の答え合わせはしていません。
ぶりっつ!は、デザインコンセプトが(電脳灯争戦の)新人ばかりを集めたベイビィフェイス(プロレス用語で、善玉のこと。対義語はヒール)チームで、勝つことは最重要ではなく、エンタメも意識したチームであると。なので使用統率者についても、前回大会で使われ過ぎたやつや明らかにヒスブロで暴れてるTier1統率者を使わないように話し合いで決められていました。しかし、最後の決勝戦は好きにやっていいという。私はなるほどと思いました。

だいたいそもそもTCGなんていう対人ゲームを遊んでいる奴が、卓について対戦相手に向かいあった時に、「負けてもいいや」なんて思うわけがないんですよ。2勝してるからとかまだ後続がいるからとか、そんなのはただの言葉です。
対戦中は「勝つ」ことしか考えてないに決まってる。

 ついに始まった決勝戦。
第一試合はエニィさん、対戦相手は不屈の巡礼者ゴロスと戦う男、イゼット団所属、ヴォーソス系人狼VPWのAshimuさん。
試合が始まる前にエニィさんが一言「今日この日は私はエニィ・ターゲットじゃない」
おやおや?何か言い始めたぞ。
この言葉の真相は、遊我さんの電脳灯争戦 本放送、試合前インタビューで見れます。

因縁浅からぬAshimuさんのパルン、ニヴ=ミゼットもエニィさんのダイナもどちらも無限コンボを持つ統率者。お互い相手に好きに動かれないように試合は進行。Ashimuさんが早い段階で一つの指輪を場にだし、ドローソースを手に入れる。Ashimuさんはサルカンや偏執的な収集者で戦場を優位に維持しつつ、ドローしていく。

飛行、護法② 4/4で、プレイヤーに戦闘ダメージを与えるたびカードを抽出する。
とりあえず4マナ4/4飛行護法②の時点でかなり強い。
そして伝家の宝刀、パルン、ニヴ=ミゼットに好奇心で無限コンボ。

最後はパルン、ニヴ=ミゼットに好奇心を貼られ、無限コンボで倒されてしまう。負けてしまったが、言いたいことが言えてエニィさんはどこか晴れやかだった。(Ashimuさんはポカーンとしていた)

 第二試合、庭白さんのジョー・カディーンとの対戦。
体調不良での参戦だったけれど。丁寧なプレイに定評のある庭白さん。

指輪物語で新しく登場したアンセム。伝説クリーチャーは+2/+1護法①がつく
パワー4以上でドローできるジョー・カディーンと相性は抜群

新アンセムによりドロー能力を手に入れた庭白さんに対し、こちらはなんとか食い下がるが‥‥

順調にエンチャントを並べられ、ジリ貧に

結局、エンチャント軸で盤面を有利なまま維持され、除去が追い付かずに撃沈。クロクサを追放されて再利用できなくなったのと、早期にニクシリスを出して圧力をかけられなかったのがよくなかった。
これでぶりっつ!は0-2と追い詰められます。

しかし続く第三試合で番狂わせが起こります。マッチアップは赤単バーン対スゥルタイランプの対決で、時間をかければ分が悪いと思われるきりしー対yamiさんの対決。まっしろしろすけ(仮)でも実際の大会での優勝経験がある実力派との対峙。

最初からシンプルで分かりやすい。
作戦はただ一つ。
全ての火力を顔面に叩き込む。
しかし火力で詰めてくるのは相手も予想している。
かつてのフィニッシャーカード、自然の怒りのタイタン、ウーロ
そして同じくシミックランプを支えたカード、ハイドロイド混成体で
さらにライフを回復。これで相手のライフは30点
しかしライフ30点が何だとばかりにきりしーの猛攻開始
ソルフィムを置いた状態でレガーサへの侵攻、稲妻の一撃で一気に
プレイヤーに16点ダメージ
一度川の叱責で全部手札に戻されるが‥‥
ということはレガーサへの侵攻も手札に戻って来て再利用できることに
ソルフィムを出してレガーサへの侵攻を再度プレイ、
更に顔面に火力を当てて見事14点を削り切る。

電脳灯争戦で純粋な赤単バーンがこんなに活躍したことがあっただろうか。
赤単の強さは1Tの瞬間火力とかつて言われた通り、正に乾坤一擲の一撃。
きりしーは主人公属性が過ぎる。
これでストレート負けを免れ、次は副将戦。

副将戦はヒナちゃんvsずべりちゃん
ずべりちゃんと言えばずべら、そして祭殿デッキ。
相手にメタられようがなんだろうが、今回も祭殿デッキで参戦。第二回は樹の神エシカを使った祭殿デッキだったが、今回のずべりちゃんには再訪した神河と生命起源の御神体がある!

というわけで、ヒナちゃんのデッキはガッツリエンチャント対策済み(バントだし…)
無慈悲なエンチャント全破壊で、生命起源の御神体も真の木立も破壊。
タミヨウの奥義発動からやりたい放題タイム開始。手札も盤面もなんじゃこりゃ状態。
MoMAか何かかな?

 前日にガンメタしてしまってもいいのか悩んでいたヒナちゃん。しかし手加減して勝てる相手ではない。弱点があるならそこをつく。
これで試合は2-2。
最後はチームリーダー同士、くろり家同士の大将戦。

 大将戦はナーセットvs暁冠の日向のジェスカイ対決。

打ち消し呪文を無効化し、自軍墓地の呪文にフラッシュバックをつけるリーアが着地してしまう。
互いにカウンターを使えなくなるのはデメリットともなり得るが‥‥

試合は一進一退のシーソーゲーム、クリーチャーのライフレースや呪文の応酬、ドローでのアドバンテージ、あらゆる手を尽くしての総力戦。
クリーチャーを並べてライフを削っていくが、放浪皇とリーアに阻まれて削り切れない。最後の局面で暁冠の日向が着地。

第二回からの蒼紅ちかちゃんの相棒、暁冠の日向
そして暁冠の日向の必殺技。マグマオパスが炸裂。
惜しくも敗れてしまった。

大将戦は互いのチームの全力を尽くした対戦で、まっしろしろすけ(仮)の視点やぶりっつ!の視点でのチームの相談しながら戦っている様子を見るとまた一段と楽しめると思います。

かくして第三回電脳灯争戦はまっしろしろすけ(仮)の勝利となりました。


大会を終えて

 第三回電脳灯争戦、ぶりっつ!の戦績は準優勝。
しかし、全てをやり切って負けた決勝戦はすがすがしさすらありました。
(それはそれとしてエンチャントとボロスアグロに苦しめられたのは忘れないけど)

個人戦績で言えば前哨戦は3勝1敗
本戦では1勝2敗を不甲斐ない結果に。
チームの皆のおかげで準決勝までこれたと思います。
とはいえ、電脳灯争戦がこれで最後というわけでもなし。
そしてぶりっつ!もこれで終わりというわけではありません。
今後のぶりっつ!の応援もよろしくお願いいたします。

最後になりますが、ここまで読んでいただきありがとうございます。
文を書くのは不慣れなので至らない点もあったかと思いますが、今後も何か需要があればヒスブロかEDH用の記事など書くかもしれません。
それではお疲れ様でした。


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