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「ペンギン・ハイウェイ」の読書感想文

1ヶ月前のことだけど、とある本を読み終えた。

タイトルは「ペンギン・ハイウェイ」

2023年の4月2日に、最後の一文を目で追いかけて号泣。日付を鮮明に覚えているのだから、大したものだと思う。

ペンギン・ハイウェイとは?

そもそも、ペンギン・ハイウェイって何? どういう意味なのだろうって思いませんか? 思いますよね?

ペンギン・ハイウェイを直訳すると「ペンギンの公道」になる。

ペンギンたちは、海から陸に上がるとき決まって同じルートを通るらしい。それが、ペンギン・ハイウェイ。

しかし、この小説にはそんなものまったく描かれていない。

ましてや、ペンギンたちはほとんどのシーンで、陸をヨチヨチと歩いている。

つまり、ペンギン・ハイウェイという言葉をそのままの意味で使用しているわけではない。

この物語は、1人の少年が恋という成長のハイウェイを通る物語。

大人になるまでに誰もが経験する恋愛感情を、キャッチーなペンギンを使って綴った小説なのである。

あらすじ

もたつくようにして起き上がったコーラの缶は、もうコーラの缶ではなかった。黒い翼を不器用に振りながら、「コーラの缶だったもの」はよちよちと少し歩いてみて、それから「ここはどこ?」と思案するかのように青い空を眺めて立ちつくした。

ペンギン・ハイウェイ

ペンギン・ハイウェイの物語は、公園に突如現れたペンギンたちと、不思議な力を持つ歯科医院のお姉さんを中心に動き始める。

主人公の少年は、たいへん頭が賢い小学4年生で、新しい知識や物事をノートに記録している。

とある日、少年はお姉さんがペンギンを生み出す不思議な力を持っているという真実を知ることになる。

なぜ、町にペンギンが現れたのか。

なぜ、お姉さんはペンギンを生み出せるのか。

なぜ、少年はお姉さんの顔をじっと見ていると嬉しい気分になるのか。

これらの謎を少年が解いていく、ひと夏の物語がペンギン・ハイウェイである。

みんながみんな、ペンギン・ハイウェイを通っている

「うまくいえないけど、お姉さんはとてもふしぎで面白い。大変興味がある」
父は「なるほど」とうなずいた。
「それはすてきな課題を見つけたね」
そして父は、少しだけ苦い味のするチョコレートをくれた。

ペンギン・ハイウェイ

ペンギン・ハイウェイは、少年が恋のハイウェイを通って、大人に成長していく物語。

物語の終盤まで、少年はお姉さんが好きだと明確に書かれていない。

しかし、少年に自覚がないだけで、恋愛感情だとくみ取れる文章がいくつもでてくる。

お姉さんに会う前は、なぜかたいへんうれしくなったり、お姉さんのおっぱいにだけ異様に興味がでたりする。

少年よ、それは健全である証拠だよ。

ここからは、少し自分の話。

高校1年生、秋の終わり頃、初めてきちんと恋愛をした。

休み時間にたわいのない話を教室でして、放課後は並んで自転車をこいだ。週末は、近くのララポートで何を買うわけでもなくだらだらと歩き、毎月のように喧嘩して泣いた。

そんな2年間を経て、男としても人としても成長したと自負している。

恋愛は、人間を如実に大人へ変えるのだ。

少年と自分の年代は違えど、主人公はお姉さんとのひと夏の思い出で、またひとつたいへん賢い大人に近づいたのではないだろうか。

ペンギン・ハイウェイの1番好きなところ

ペンギン・ハイウェイの魅力が、存分に伝わったと思う。少年の心境やストーリーがどう動くか気になりますよね?

だけど、そんなことどうでもいいんです。

えっと、、、お姉さん最高すぎませんか?

好きな芸能人が長澤まさみさん、椎名林檎さん、吉高由里子さんの軒並み年上でお姉さん属性大好きな自分にとっては、お姉さんの言葉1つ1つが心にくることくること、このうえない。

「寝る子は育つって言うよ。眠れ、少年。」

ペンギン・ハイウェイ

自分もお姉さんに、「しっかり寝なさいよ」とか言われたい。

「早く謎を解かないと、海に連れていってあげないよ」

ペンギン・ハイウェイ

自分もお姉さんと海に行きたい。

「泣くな、少年」

ペンギン・ハイウェイ

すみません、めっちゃ泣かせていただきました。

もう成人しているし、こんなセリフを言われる年齢ではないことは理解しているけど、なぜか言われている気分になって高揚する。

あ~少年よ。どうにかしてお姉さんを幸せにしてほしい。

ペンギン・ハイウェイは映画化もしています

夜中に小説を読み終えた自分は、パソコンまでの決まったルートを歩き、YouTubeでペンギン・ハイウェイの予告編を再生した。

活字だけでなく、映像のお姉さんを拝見したかったのである。

ペンギン・ハイウェイは、2018年の8月17日にアニメーション映画として上映されている。ファンタジア国際映画祭のベストアニメーション賞長編部門を受賞しているらしい。

どれどれ、お姉さんはどんな顔をしているのかなと思いながら予告編を見終わり、また少し泣く。

いや、もちろん最高なんだけど、顔もおっぱいのふくらみも想像通りなんだけど、声が気に入らないっっっ!!!

自分は、もっとストレートでクリーンな、いかにも女性という感じの声をイメージしていた。どちらかというと高めの声質で、クセのない活発な女性の声が良かった。

実際は、なんだか声変わりしたての男の子みたいな声? 少しハスキーで、粘着テープが貼られていて耳に残るみたいな声だった。

もちろん、好みを押し付けているだけだから問題はないのだけれど、惜しい… ちくしょう…、、、

予告編は、すでに映画化されている小説を読んだ後の楽しみ

予告編やトレーラーをすぐに見られるのは、映像化されている小説を読む楽しみの1つだし、醍醐味でもあると思う。

漫画の実写化を嫌う人はいるだろうけど、小説の映像化を嫌っている人はいないだろう。

自分は、漫画の世界観をぶち壊した、わけわからん実写化も好きだったりする。

ペンギン・ハイウェイが実写化するなら、お姉さん役は奈緒さんとか、栗山千明さんとかかなぁ… あ、小松奈々さんも最高です。

とにかく、小説を読まない人も映画の予告編なら1分でサクッとみられるので、どうか見てほしい。


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