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mystery gem50

眩しい

眠りから
覚める
この世界の
眩しさ

見てられない

刺すような光

朝起きる
時より

何故かしら?

嗚呼

それは
多分
新しくなった
身体で
生きるから

新しい手

呼吸

まだ目を
開けられ
無いけど

うえっ!
むせた

カナ
「ゲホ!ケホっ!」
「ハァっハァ‥」
トマリ
「カナ、しっかり!」

この声

初めて聞く
誰かの声

そうトマリだ
私の大好きな人

愛する人

それなのに

当たり前に
動かす筈の体は
新しいせいか

上手に
動かせない


ガラガラと
音を立てて
沢山やって
来た人達の
足音

私の体を
ひょいと
持ち上げる

全裸のせいか
何か被せられた

横になる私を
乗せたまま
移動した

トマリ
「カナ、救護班だよ」
カナ
「 」

嗚呼

また
昏倒する

ごめんなさい
トマリ



まだ
動けない



トマリ
「初めての輝きに
慣れないんだ‥」
「カーテンは‥」


救護班
「大丈夫です。
このまま慣らせ
ましょう。
視力はまだ
使いこなせない分
リハビリにもなります」
「四肢も例外無くです」
トマリ
「徐々に慣らして
いく感じ?」
救護班
「そうですね」
「最初は歩行も
困難でしょう」
トマリ
「まさか‥四つん這いで
歩く?」

骨格や
筋肉は
普段刺激
しながら
短期で行動
出来るように
なるだろうと
言われる

それでも良い

僕は
カナの力に
なれる


そして‥

この事は



死んでも


忘れない‥






自分が
どんな状態か
鏡を
見るまで
分からなかった


短いわ

シーラより
少し短い
かも‥

あれから
ずっと
リハビリで
トマリと
付きっきり

たまには
一人で行動
したいわ
気を使うから

だから
自分の足で
歩こうと
挑む

‥まだ
走れないわ

手すりがないと
歩きづらい
歩行器が
有れば‥
なんて

そんな
私だけど

王都って
怖くて
歩くのも
嫌だった記憶

それが
今なら平気

こっそり
部屋から
抜け出し
屋上を目指す



やっとの事で
息を切らし

辿り着く

風が吹く

見下ろす
城下町

地の果てまで
見通せる

絶景

少しの間
此処に
居よう
そう思った
矢先



後ろの
気配に
気付く

カナ
「誰?」
ビリー
「よう」


カナ
「 」


‥え

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