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蒼穹のフリューゲル55

私とアリサ

タケと
手を繋ぎ

みんなと
地下施設へと
潜入する

その筈が

私の奇行が
炸裂した

ポータルの
その先は

エノク
「 」
アリサ
「 」

これは

子供達の姿
そこは
異臭塗れの
大規模な
上から下へと
並ぶ
闇の牢獄

傷だらけの
子供達

床に
付着する
血痕

泣き叫ぶ
子供達の絶叫

涙が止まらない

エノク
「酷い‥」
アリサ
「お姉ちゃん‥もう
やだよ此処」

落ち着いて

気持ちは分かる

暴れたい衝動

両親を
贄にされ
故郷も
奪った

恨めば

憎めば

奴の思う壺

アリサを
抱きしめる

エノク
「ありがとうアリサ
二度と来たく無い場所に
一緒に来てくれて」
アリサ
「お姉ちゃん‥
どうするの?」
エノク
「追い詰められて
どうするかを考えるの」
エノク
「この規模‥
流石に地下施設
だけあるわ」
「シャルの姉は
何処かしら」
アリサ
「何処だろう?」

牢獄は
私とアリサのみ

仕掛けるのは
簡単だけど

手の内を
見せれば
その分こちらが
不利になる

エノク
「多分アリサが
手を離していたら
違う牢獄だった
かもしれなかったわ」
アリサ
「そうだよ!アリサも
みんなバラバラに
閉じ込められたの」
エノク
「ねえアリサ、あなた
まさか‥」

たとえ
まだだとしても
それでも良い

エノク
「第三形態出来る?」
「血管とか」
アリサ
「上手く出来ないけど
此処から出るために」
エノク
「良かった。アリサ
安心したわ」
アリサ
「えっ?」
エノク
「良い?簡単に
手の内を見せない事」
「あちらにバレては
不利になるわ」
アリサ
「うん」

冷静になって
考えてみる

こちら側
向かい側

奈落に等しい
この上下に
並ぶ牢獄の
構造は

空でも
飛ばない
限りは
子供達を
幽閉出来ない

だとすると
何故

どうやって
特殊構造の
牢獄に
子供達を
大規模牢獄に
閉じ込めるのか

エノク
「だからデニッシ族
内包者である必要が
あったんだわ」
アリサ
「?」

デニッシ族は
魔法で
空を飛ぶ

内包者は
第三形態で
この特殊構造でも
血管を
駆使して
蜘蛛の様に
自由に
移動出来る

私の様に

アリサ
「あ、確かそうやって
移動してた」
「だからアリサも
真似して此処を
逃げたの」
エノク
「そして看守の
内包者にも追われて‥か」

アリサ
「ミツルギと力会わせて
逃げたけど駄目だった」
エノク
「そして私のいる
場所まで逃げて来れた」
「そうよね?」


アリサ
「うん」
エノク
「なら、第三形態は
もう通用しないと
思って良いわね」


アリサ
「お姉ちゃんなら
どうする?」


エノク
「私?」

私は
にっこり
微笑んだ


どうしようかしら?

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