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Voice 小説4

【エノク】

アルゴリズム伝記から
数年後


エノクです

生まれた
時の事

本当は
忘れちゃうの

けど

私は覚えてる

普通なら

誰かが出産に
立ち会って
手伝って

そうして
生まれる

けど
私の時は

ママが
どんどん
変わってっちゃうの

私の方まで
迫って来て

どんどん
変わっていく

自分だけじゃ
なくなって来る

乗っ取られるとか
そう言うんじゃ
無くて

自分だけの
体じゃなく
なってくの

だから
自分の中に
色々
混じり合う
存在

手も足も
混じり合って
分かんなくなって

だから

何者でも無い

平和になっても
それは
変わらない

お兄ちゃんも
お姉ちゃん達も
家族みんな

バムイ族

ママが
教えて
くれたけど

何だっけ?

そう

多重存在
なんだって言う

沢山の
誰か

名前を呼んだり

人気投票したり

話聞いたり

色々な
よく分からない話
したり

大切な
存在になっている

もう少し
大きくなったら

その誰かが
分かるかも
しれないけど

それはきっと

自分は
一人じゃ
ないって
分かるから

とても幸せ

だから
多重存在は

私の宝物


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