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アルゴリズム伝記19


巨大な
白い十字架の
艦内

‥エノク?

動きが
無い?

大司教
「連れて行け」


重い
身体が‥

ブリッジを
追い出される

陣痛は
まだ
続いている

エノクは
まだ
諦めてない

大丈夫

私には
分かる

脈打つ
流動

循環する

聖杯から
打たれた

魔女の血

全身を
駆け巡った

心なしか
自分が

エノクが
死なない
気がした

もう
止められない

痛み無く

ドシャリと
腹から
液状に
流れ出す

カナ
「 」


エノク?

これが?

青紫の
半液状
スライム

目を見開き
抱き上げる

暖かい

生きてる

こんな姿で

船員
「か、怪物⁈」
「大司教‼︎」
カナ
「 」

想定外の
事態

船員が
銃を構える

その一瞬



エノクから
触手が伸び


船員の
首元を掴むと
激しく
叩き付ける



もう一人も
俊敏に
掴み上げ
叩き付け
一撃で
昏倒させた



沈黙


早い

エノク
「 」
カナ
「‥助かったわ
エノク。ありがとう」


ぎゅっと
抱きしめた

大きな
陣痛も無く
エノクを
出産
するとは
思わなかった

カナ
「エノク?」
エノク
「 」

エノクの
触手が
私の
ポケットから
端末を
取り出すと
取り込んでしまう

‥臭い

ハッとして
振り向く

大司教が
奥から
銃を構え
発砲
する

まずい

目をぐっと
閉じた

「セリャド」

‥何?

大司教
「 」
「何をした?」


カナ
「低い声‥」

大司教が
更に発砲する

青い
サークルが
私の
目の前に
発光

弾丸を

飲み込んだ⁈

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