アルゴリズム伝記26

船外で戦闘
戦局の
問題じゃない

エノクを抱え
外の状況を
確認しようとした

廊下に出る
誰の血痕⁈

シーラは
何処⁈

カナ
「シーラ」
「何処？」

破壊された扉
此処⁈

カナ
「シーラ？」
「　」

真っ赤に
飛び散った血痕
赤い霧が
シーラに
向かい
収束している

隣に転がる
モーニングスターに
絶句する

カナ
「　」
「シーラ‥⁈」

動く

頭部が
再生したのか

脳髄を
見せる
シーラが
ゆっくり
特大の
黄金物体を
引き出した

シーラ
「　」
カナ
「シーラ！大丈夫⁈」
シーラ
「やだ‥カナさんに
エノクに見られちゃった」
「手持ちのルーンです
これで回復出来ます」
カナ
「シーラが先に‥」
シーラ
「枯渇はそっちが
進んでるんです」
「私は大丈夫」
カナ
「シーラ‥」

ルーンに
エノクが
小さな
手を伸ばす

ルーンを
与えると
エノクは
一瞬で
取り込んだ

カナ
「エノク、分かるの？」

エノクは
抱える手から
離れたがっている

そっと下ろす

二本の
足で自立

テトテト

‥あ、歩いた⁈

カナ
「エノク、何処行くの？」
エノク
「　」

通路側に出る
船外を
曝け出した
空

空中戦を
繰り広げる
大司教と
ベアルーヌの
激戦を
エノクが
凝視する

2体の
怪物を
虚空の
眼差しで
眺める
エノクが

小さな
手を伸ばす

そして

カナ
「　」

エノク
「　」

「聖釘」