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蒼穹のフリューゲル56

暗がりの
上下に広がる
牢獄で

子供達の
悲痛な叫びが
響いている

助け出す為の
戦略を
仕掛ける

アリサ
「お姉ちゃん?」

エノク
「量子チップの
凄い所はね
精神感応に
対応している所なの」
アリサ
「えっ?」
エノク
「ね、フリュ?」
フリュ
「敵を欺くには」


エノク
「よね」
アリサ
「お姉ちゃん⁈
端末タケに
渡した筈じゃ」
エノク
「私の端末かしら?」
アリサ
「 」

内包者の
端末を使って
タケに渡し
手ぶらを
装った

さてと
仕掛けるわ

エノク
「ログは?」
フリュ
「全員に送りました」
エノク
「此処を現地に
集合させてね
この規模は迅速に
ポータルの出入りが
重要になるわ」
フリュ
「了解です♬」

アリサの表情が
みるみる
笑顔に変わる


私に抱き付いた

エノク
「分担は必要だけど
アリサは私から
離れないでね」
アリサ
「お姉ちゃん」
「凄いよ!」

エノク
「全員助け出すには
どうするか、よ」
「まずこのフロアは
私達で解放させましょう」
アリサ
「みんな来たよ」
タケ
「エノク」
エノク
「タケ、看守に
会ったらすぐに
転移してログを撹乱
させるのよ」
「子供達は迅速に
転移させて次の子を
助けてあげて
みんなもお願い」
タケ
「分かった‥
此処でも分担か」
マナ
「一緒が良いけどねー」
タケ
「///」
「聞いたな、みんな」

此処では
静粛に
それぞれ
再びポータルを
形成し散開した

タケ
「後でな」


エノク
「ええ、救出が先よ」

私とタケが
散開して
ポータルを潜る

まず一人目
鉄格子の
外側には
看守の姿は無い

私とアリサに
気付いた子供は
口を押さえる

救助だと
認識したのだろう
私も
ジェスチャー
する



ベクターBOXに
子供を格納し
次の牢獄へと
転移する

そう

牢獄から
次の牢獄へと
転移し
子供達を
格納していく

この作業の流れ

看守と目が会ったら
迅速に子供を
格納して
転移する

これらを
全員散開して
分担させる事で
子供達は
一気に牢獄から
姿を消した

ここまでは
順調だ

その筈

マナ
「ハッ、看守⁈」
「子供は格納
して転移‥」


ポータル
発光と同時に
内包者が襲う

マナ
「くっ!グローム‥」
内包者
「フン」

詠唱より早く
マナの腕に
血管が絡み付く

リモートで
気付いた
フリュが叫ぶ

フリュ
「マナさんが!」
エノク
「誰か!」

仰向けに
倒れ込むマナを
血管で更に
拘束される

マナ
「ゔ!」
内包者
「ここまでだ」

迅速にダガーを
装備して
構える内包者

マナ
「 」

刹那
ポータルが光る

内包者
「⁈」

振り向く
内包者に
赤いバンダナをした
男子生徒の
飛び蹴りが
内包者の
みぞおちに
食い込むと

旋回し吹き飛び
壁に激突して
昏倒する

マナ
「 」
男子
「大丈夫か?」
「次だ、全員
助け出すぞ」
マナ
「あ」
男子
「後でな」


トクン‥


ポータルに
消えた
男子生徒を

呆然と
見送る

マナの心が
高鳴る

それでも
しっかりと

彼の姿を
捉えていた

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