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蒼穹のフリューゲル29

エノクです


此処が
どこか
分かりません

‥説明
出来ないわ



上空を見上げ
巨大な岩石を
纏わせた
太陽が見える



夥しい
死臭が
嗅覚を突く

エノク
「それが第一印象ね」
「空一面の」

足元は
剥き出しの
岩肌に
遠くには
荒立つ奇岩

新展開には
相応しい
場所‥

血管で
身体を持ち上げ
移動する

私裸足なんで

スパイク
シューズ

もしくは下駄を

履く感触です

第三形態
ならではの
移動

念の為
通信はそのまま
ログは残しておく

建造物が
見当たらないのは
此処が辺境
だからだろうか

だとすると
表層には
何も無い

まさか
地下施設‥?

エノク
「この匂いの
先は何?」
「‥‼︎」

何かしら
誰か
追われてる?
身を隠し
様子を見た

全力で走る
小さな女の子

背中に合わない
サイズの剣を
背負って
走る

追っ手は
白装束の男
腕から
血管を伸ばし
少女の首を
締め付け
倒した

追っ手は内包者⁈

転ばせる
かしら?

遠心力で
大振りした
血管を目前で
オーラを
可視化させ
全力で
殴り飛ばす

ごめんなさい

倒れた少女が
起き上がり
周りを見渡す

私は岩陰から
少女においでと
ジェスチャーした

少女は
気付いたのか
一目散に
私の元へ
駆け寄る

エノク
「大丈夫?怪我は‥」
少女
「 」

余程怖い目に
あったのだろう
少女は説明
出来ないまま
涙目に
震えている

私は周りを
見渡す

すると
元来た場所に
ポータルが
光るのを見る

エノク
「移動するわ。
助けが来たから」
少女
「 」
エノク
「つかまってて」


私は血管を伸ばし
少女を抱き上げる
そして
迅速に移動した

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