アルゴリズム伝記48
ポータルで
離脱したカナ達
頭部が破裂した
鮮血の
エノクを抱える
胸部から
貫かれ
背中が
抉られた
シーラが
半目で
鮮血に染まる
二人が
沈黙する
まさかの事態
治療室に
横にされ
シーツは
真っ赤
廊下に続く
鮮血
朱色が
垂れ落ちる
ベアルーヌ
「しばらくすれば
ルーンで回復する」
カナ
「 」
ベアルーヌ
「バムイ族とは‥
こう言うものだ」
「先陣に立てば
不利になる」
次は
距離を取る様に
警告された
治療室の廊下で
セイラが
泣き崩れる
ジャッカが
駆けつけて
来た時には
トマリも
三つ子も
集まっていた
トマリ
「見ちゃ駄目だ
大丈夫だからね
シーラもエノクも」
カズ
イーノ
ロカ
「え?」
「でも」
トマリ
「あまり威力が大きいと
巻き込んでしまう
ところだったけど
良くやった‥」
ジャッカ
「出来るだけ威力の
小さい砲撃でした」
トマリ
「それでも助かった」
「君の力も必要だ」
ジャッカ
「これくらいしか出来ない
次は魔法を覚えます」
トマリ
「‥ああ」
「カナ」
カナ
「 」
「はい」
カナが
真っ赤に
なって出てくる
鮮血を浴びた
姿で
トマリ
「流しておいで」
カナ
「‥ええ」
ジャッカ
「元に戻るんですよね」
トマリ
「うん、ルーンが
あれば不死身さ」
ジャッカ
「 」
ベアルーヌ
「私が代わりに指揮を取る
皇帝のオウドリーフへ
戻ろう」
嗚呼‥
ルーンを
大分使ったと
思う
エノク
あの子は
危険な目に
合わせたくない
エノクの
涙声
私を
呼んでいる
待ってて
今
目覚めるから
エノク
「シーラ」
シーラ
「ごめん。バムイ族
対策なんて初めて
油断したわ」
エノク
「う‥」
「やだ」
「死んじゃやだ」
小さな体で
詰め寄る
何度も
やだと
せがんで
ぐしゃぐしゃに
咽び泣く
エノクの
初めての
涙
流血顔で
赤い霧を
取り込みながら
痛みを堪えて
私は
まだ立てない
背骨を
貫通してる
動く腕で
エノクに
触れる
痛みで
顔を
歪ませる
暇など
無かった
次は
気をつけなきゃ
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