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mystery gem41

カナ
「殿下、私」
殿下
「うん?」


カナ
「殿下の様な王に
なれるかしら」

殿下
「 」
「姫君」
カナ
「分からないの‥
どんな国にしたら
良いか」
「争いのない国に
するにはどんな理想を
追いかけたら‥」


殿下は
遠くを見る

分かれば
苦労は
無い‥か

殿下
「姫君」
「理想は其方だ」


カナ
「えっ⁈」

殿下は続ける

殿下
「国とは、其方を
取り巻く環境」
「人が集い、共に生きる」



カナ
「 」
「イドさんも同じ事
言ってくれた」
「けど、更生出来ずに
私を狙う人をどうすれば」


殿下
「私は諦めない」
カナ
「私だって‥」
「どうしたら」


殿下
「だからこそ
人の力がある」


カナ
「 」
殿下
「姫君はそれで良い」
「私もそれ以上は
分からないのだ」


カナ
「殿下‥」
「貴女に会えて嬉しい」

殿下
「私もだ」

奥から
テツオとイドさんが
歩いて来る

待ち焦がれた

石のアップデートだ

ようやくこの
時がやって来た

船の
建造もあと少し


殿下
「良い頃合い
では無いか」
カナ
「待ちくたびれ
ました笑」

テツオとイドさんが
万を期して
声をかけて来た

テツオ
「お待たせ致しました」


イド
「アップデート中です」


表示から
流れる
情報量

プラントの制御
フィールドの制御

どちらも
可能だと言う

殿下
「フィールド制御ならば
これなら他国との
交流も可能だ」
カナ
「私何体か
ロボットを
連れていきます」
「建築や物資とかは
任せたいの」

人の力にも
限界がある

国の再建にも
充分役に立って
くれる筈だ

殿下
「船に収納出来るか?」
カナ
「その為に
大きな船を
作ってもらってるわ」


殿下
「再建か‥城は」
カナ
「いえ、塔での生活です
だから城はありません」


殿下
「何と」
「ならばこのプラントを
そのまま流用
出来るのではないか」


カナ
「私もそれを考えてました」

殿下が笑う
素敵な笑顔

殿下
「此処は姫君のものだ」
「よく考えて決めると良い」
カナ
「彷徨って来た森で
勝手に建国なんて‥
プラントを植民地に
するみたいで‥
あ、終わったわ」

早速
フィールドの
展開を
制御する

セレモニーも
リハーサルも
必要無い

カナ
「テツオ、イドさん
空の色‥見せるわ」


テツオ
「はい」
イド
「ワクワクします笑」

フィールドの
展開が薄れて行く



薄い緑が
徐々に青く
染まっていく

白い雲が
上空を
掠めて流れる

テツオ
「素晴らしい」
イド
「ええ、これが世界」
カナ
「地上に下ろします」

プラントの
制御により
ゆっくりと
高度が下がる

これで
私達は
本来の生活へと
向ける事ができる

カナ
「テツオ、イドさん」
「私‥」
テツオ
「何なりと」
イド
「はい」
カナ
「いつか私の
国に来て」


テツオ
「喜んで」
殿下
「姫君の制御で
プラントを
生かすも殺すも
出来る」
カナ
「プラントは止めるわ」
「人の手に余るから」

会話を割る様に
トマリが駆け寄る

トマリ
「大型船が来るぞ!」


カナ
「えっ⁈」
殿下
「参謀⁈」

まずい

フィールドは
既に解除され

降下の
プログラムを
同時に
実行中だ

船団は
一方的な
砲撃を
開始する


カナ
「‥‼︎」


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