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Ragura Floating World59

退院おめでとう
そして‥


はい
エノクです!


最後のリハビリを
終えた私

先生から
偏りが戻る様で
あればまた後日
ご連絡下さいと
言う。

最後の診察

私は笑顔で
もう来ません!
とだけ言って
診察は無事終わった

ママとスクが
待ってる

病院では
患者や通院の
方々の為にも
駐車場を分けて
欲しい事から
家族での
お迎えは
ご遠慮下さい
との事で
じじやハハ達の
お迎えは無し

それでも
退院祝いのメールが
届いていた

スク
「無事退院できたね」
エノク
「ん」
スク
「何か‥?」
マヤ
「あら、席外そうか?」
エノク
「とりあえず町に
戻ろう、ママ」



病院を後にし
ネオコロッサルの
街へと向かう
長い縦の
ゴンドラに乗り
大穴を下る



久しぶりの
奈落の底に伸びる
街並みが見える

エノク
「じゃあ、ちょっと
行って来ます」
マヤ
「すっ飛ばすん
じゃないわよ」

私は手をひらひら
させて
スクと歩道を歩く

スクと二人で
学校の校舎の
裏側へと向かい
歩いた


学校の裏側
花壇の手入れは
既に完了していた

全部スクが
やってくれたのね

エノク
「もう少しで咲く?」
スク
「うん。あと少し」

私達は更に奥の
侵食者と
対峙したあの
場所へと向かう

エノク
「此処なら」
スク
「エノク?」
「 」

エノク
「聖釘リニアバージョン2.0」
スク
「これは‥」
エノク
「お別れね」
スク
「え?」
エノク
「行って。ラグラの
防衛を託すわ」

総数44本の
聖釘が一斉に
並ぶ

程なくして
一斉に転移

私達から消えた


スク
「聖釘‥初めて
見せてくれたね」
エノク
「完全自立性よ
ラグラを囲む必要は
無くなったわ」
スク
「それじゃあ」
エノク
「侵食者に魔神具に
有効な手段は聖釘だった」
スク
「なるほど‥」

スクと私は
互いに見つめ‥

エノク
「何故そっち向く?」
スク
「いや、その」
「今僕は変な顔して」
エノク
「こんな顔?」

回り込み
赤面で笑う

スク
「///」
エノク
「改めて宜しく
スク‥!」


スク
「よ、宜しく」


風が吹いた
私の髪が靡く

スクと手を繋いだ

遠くを見つめる

エノク
「スク、私夢があるの」
スク
「夢‥どんな?」
エノク
「チョウワソウ」
スク
「初めて聞く」
エノク
「私も」
「見たいの
スクと二人で」
スク
「探そう」
エノク
「ん!何年かかっても」


顔真っ赤にして
笑い合う
私達とスク

亡き曽祖父が
私に伝えた

その
チョウワソウを

何処にあるか

何処で咲いて
いるのか

私は分からない


それでも

いつか見つけ出したい

このラグラの
何処かで

咲いているで
あろう
その花を

生きている間に
必ず見つけ出す

私とスクの
二人だけの約束

そして‥

小さいけど
大きな壮大な
夢へと
変わった
瞬間だった



‥ねぇ
曽祖父



私達に
見れるかしら?



Ragura Floating World
2期
完結

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