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ふしぎが浮かびあがらせる私のなりたい姿

ちょっとふしぎな話をさせてほしい。

大学時代に霊感?みたいなものを持つ「ノンタン(仮名)」と仲良くなった。
曰く、人ではない存在を見聞きできるらしい。
世の中は私の知らないことであふれまくっているので、科学などでは解き明かせないふしぎがあってもおかしくないと常々思っていた。
だから私は沸き立つ好奇心を抑えて「へーそうなんだ」と返した気がする。そのこともあってか、ノンタンはちょこちょこ私にそういう話をするようになった。(その後好奇心負けた私は話せる範囲でどんな感じなのか教えてもらった。)

ある時ノンタンにこんなことを言われる。
「あなたの近くには〇〇がいるよ」
どうやら私の近くには私を導いてくれる?守ってくれる?存在??がいるらしい。ここでは便宜上「隣人」と呼ぶことにする。
続けて「詳しくは自分で聞くといいよ。あなたにはその力があるから」と彼女からめちゃくちゃスパルタな手ほどきを受けた。
その甲斐あってか(?) なんとなく隣人の声というよりは、気配みたいなものを感じるようになった…気がする。

ちなみに卒業後、ノンタンとはいつの間にか連絡が取れなくなった。

そんなちょっとふしぎな話をしてみたのは、今回お話したいことがこの話無くしては成り立たないから。

どこまで信じるかはあなた次第だ。(言ってみたかっただけ。)

*******

とある水曜日。
ロエベのHPで気になるバッグを見つけた。

好みドンピシャ!ショルダーにもできるらしい。

調べたところ、京都の高島屋に在庫があるらしい。
これはぜひとも実物を見て、試着したい!
次の日は整体行くから、金曜半休だし明後日行くかな〜とこの時は思っていた。

翌日。木曜日。
その日はずっと誰かに服の裾をくいくい掴まれているような、耳元で何かを囁かれているような心地がしていた。
そして、頭の中でチラチラするあのバッグ。

…これは、今日ロエベ行けってことかなぁ…。

時々こういうことがある。
誰かによばれているような、導かれているような、そんなふしぎな感覚。
物がよんでいるのか、隣人が導いてくれているのか、はたまたその両方か。
その辺りはよくはわからないが、数少なくない経験で素直に従った方がいいのはわかっている。

この感覚を覚え始めた時は、なんだかめちゃくちゃ悔しくて抗ってばかりいた。
だって、大体この感覚の時は何か物を買うことになるのである。当時学生でとあるジャンルのオタクをしていた私はそこまでお金に余裕があるわけではなかったので、この感覚があるたびにげんなりしていた。
ちなみにこのことをノンタンに相談したところ、「あなたがこの感覚を無視したいならそれでもいいけど、その代わりこの先でもっと値段が張る物とか買うことになると思うよ」と言われた。

うまくできてるね☆

そんなことがあって無駄な悪あがきをできるだけ辞めることにした私は、この感覚の元いろんな物を購入してきた。
アクセサリーや文具に服、時には食べ物や行った方がいい場所なんかもあった。
どういう意図で購入した方が良いかを決めているのか、十年近くこの感覚と付き合っててもいまだにわからない。
だが、確実に言えるのは、なんかその方がいい気がするという、めちゃくちゃふわっとした感覚。もっと言いようあるだろ!と自分で思わなくないが、こうとしか言いようがないのが実情だ。

そういう経緯もあって、今回もふしぎな感覚に素直に従うことにした私は整体後、京都の高島屋へ向かった。
平日の夕方ということもあり、微妙な喧騒に包まれたデパートの中をロエベ目指してゆっくり歩く。

ロエベに到着した私は店内をぐるりと一つ見渡した。
目的であるトートは店内には置いていなかったが、ずっと気になっていたゲートバッグが置いてあって、後で試着させてもらおうとひそかに決意する。
その前に目的のバッグだ。バッグのスクショを店員さんに見せたところ、店内の奥から持ってきてくださった。

実は私はこのバッグこそが私の演歌バッグなのではないかと期待していた。
前述の通り、よばれるような感覚がある時は何かが呼んでいる、あるいは導いてくれている時なのだ。そして、そういう時は圧倒的に何かを購入することが多い。
さすがにこの金額の物を今すぐにぽんとは買えないがその可能性は大いにある。
だから私はめちゃくちゃわくわくしていた。

店員さんからトートを受け取る。
どうぞ鏡の前で合わせてみてください!と勧めてくださったので、わくわくしながら鏡に映る自分を見た瞬間。

…あれ? 違うな?????

ベージュみがかった白のキャンバス生地にレザーの持ち手、バッグの中は明るめのブラウン。
自分の好みドンピシャなバッグは、それはそれはかわいい。
でも、違う。
いつも物から感じるような引力がない。

私をよぶ物を手に取ると必ず、私から離れたくないと言わんばかりにぎゅうとくっついてくるような、吸い付いてくるような感覚がある。ちなみに手から離すと別れたばかりの恋人かよというほどに自分の手が寂しい感じを覚える。

でも、今回はその感覚がない。
これではないのかと思った。ならばずっと気になっていたゲートバッグかと思って、こちらの試着もさせて頂く。
けど、これも違った。さっきよりも、よりはっきり感じる。これは私のバッグじゃないと。晴れて憧れ消化。

対応してくださった店員さんにお礼を伝えて退店する。
穏やかなざわめきに溢れるデパートの中を歩きながら私は心の中で頭を抱えた。
正直あれぇ!??って感じだし、感覚鈍っちゃったかなとすら思った。

ふと時刻を確認すれば、そろそろ7時半になろうとしていた。
食べてから帰るか〜と入ったのは、近くのドトール。(どうでもいいが私はドトールがとても好き。特にシーズン限定のミラノサンドがありそうでなかった組み合わせが多く、どれも美味しい。個人的に過去のきんぴらと大葉の組み合わせがめちゃくちゃ好きだ。)

ミラノサンドをペロリとたいらげた私は、スマホの写真アプリを立ち上げる。
スクロールして出てくるのはバッグの写真ばかり。
それもそのはず。ここ最近はいろんなブランドのサイトを眺めては、好きな感じのバッグがあったらスクショ…を繰り返していた。
そして、気付く。

あれ?なんか似たようなバッグばっかだな…???

たまに例外はあるが、私がいいなと思ったのは似たような感じのばかり。
自分なりに好みも理想の形も当然ある。だけど、そうじゃない。
改めて見返してみてようやく気付いた。

これ、あのバッグじゃん!!!

説明しよう!(初出)あのバッグとは、このバッグである。

シンプルでめちゃくちゃかわいい😍💕

実はこのバッグは一年ほど前にファッション雑誌で初めて知った。
明るめのブラウンに、半月型でころんとした感じがとても可愛くて、一目見ていいなと思ったのを覚えている。
思わず近くの伊勢丹に試着しに行ったくらいには気になって気になって仕方なかったし、去年の夏はこのバッグで頭がいっぱいだった。結局買わなかったのだけども。
なんで買わなかったというと、絶賛その頃休職中でお金にも心にも余裕がなかったからである。買うのは現実的じゃないと思い、当時断腸の思いで購入を見送った。
なのに、ここに来て再びこのバッグが浮上するとは…!
まさか、まさかである。

しかしながら、ブラウンのバッグってほっこり感がすごくない??
他の人が持っているのを見るとおっしゃれ〜!ってなるけど、こと自分が持つとなんだかほっこりというか、ほんわかしてる気がするのだ。
多分私の中で森ガールが持ってそうなイメージが強いからな気がする。

でも、惹かれるのブラウンのバッグばっかなんだよ〜〜!!

ここでブラウの色彩心理を見てみよう!

ブラウンは通常、ニュートラルで自然な色として認識されます。 そのため、「温もり」、「安心感」、「土っぽさ」といった感情を呼び起こすと考えられています。 ブラウンは、自然界に関連することや、有機的で健全な雰囲気を表現するのにピッタリです。

https://www.adobe.com/jp/creativecloud/design/hub/guides/meaning-of-brown.html#:~:text=ブラウンは通常、ニュートラルで,するのにピッタリです%E3%80%82

あ…安心感か〜!!!!!!!
安心感を得たいがためにブラウンに惹かれている、と考えるとめちゃくちゃ納得してしまった。

というのも私底無し沼か!?というレベルで自己肯定感缶が低い。簡単にいうと自分に自信がない。気付いた時には周りの大人にもっと自信持ってと言われるほどだった。(自分だと根拠のない変な自信めちゃくちゃあるし、自分のこと自己愛的な意味で結構好きな方なんだけどな??)
それに加え、歳を重ねるにつれて自分が微妙に周りとズレていることに気付いた。
普通になりたいわけではない。だけど、ズレを前向きに捉えてくれる人はこの世では少数派で、ほとんどは異端者として見るのではないだろうか。そのこともあり、周りとのズレというのは私にはとてもいいことには思えなかった。
そんな感じで自分に自信が持てない私は、安心感が欲しくてたまらない。

生きてて大丈夫だと許せるような、この私で大丈夫と思えるような、そんな感じのが。

とりあえず、ブラウンのバッグに惹かれる理由はわかったけど、やっぱりほっこりさせてしまう気がするな…と思っていたら、ふと気付く。

いや、待てよ。自問自答ファッションだと靴と鞄から選ぶから、鞄以外でほっこりさせないようにできるのでは…!!?

今まで靴と鞄から選んだ方がコーデ考えやすいくらいの感覚でこの教えに倣ってたけど、そういう側面もあるのでは???
そう考えると靴と鞄から考えるのめちゃくちゃ大事!!!
だったら、私がA.P.Cのバッグ買わない理由ないよね!?ないよね!!
でも、靴から選ぶ方がいいって言ってたから、とりあえず買うのは靴決めてからでも遅くないよね。
というわけで、バッグは一旦保留!

そういえば安心感でもう一つ思ったのが、私が惹かれる人って男女関係なくそういうのを感じさせる人が多い。
いつも穏やかで精神的に安定しており、人をむやみに否定しないのだ。
私の周りは他人に対して攻撃的な人や自分の不機嫌を撒き散らす人が多かったので、いつも変わらない態度で穏やかな人に憧れたし、そんな人になりたいなと思って穏やかに努めてきた。
でも悲しいかな。こういう人って舐められやすい。
特に私は事を荒立てないことが穏やかだと勘違いしていたので、失礼なことを言われてもかみつく事が出来なかった。(単純に咄嗟に言葉を返すのが苦手なのもあるけど。)
おまけに人に嫌われたら終わりだと思っていたので死ぬほど言葉を返すのが怖かった。
でも、穏やかな人って言うべき時はちゃんと言うし、合わないものは合わないとちゃんと理解している。
こういう人達っていい意味で自分本位で、この人に言っても無駄だとか、自分に合わないとわかったら、自分が大事にする必要のない人たちだとすっぱり切り捨てる事が出来る人だと私は思っている。
シビアな言い方かもしれないが、人の容量は人によって違う。自分の容量をちゃんと理解できているからこそ、他人に気を遣える余裕があるのだ。
他人あっての自分じゃない、自分あっての他人だ。
そこを履き違えたていたからこそ私は人に舐められ、かみつく事が出来なかったのだろう。
他人に迎合せず、媚を売らないって言うほど簡単じゃない。だけど、私はそんな人になりたい。

柔らかだけど、自分という芯を持った、凛と前を向く人に。

あ。もしかして、これか。
今日バッグ見に行った方がよかったの、これに気付かせるためだった感じ??
あー…なるほどね、そういうことね~。
隣人になりたい姿早く自覚しろってやきもきされてて、私の自問自答を助けてくれたのかなぁと思った。
おかげでなりたい姿を自覚することができたよ!

かわいいバッグちゃんに、隣人、教えてくれてありがとう!