ウマ娘「エアシャカール」という存在についての解説と見解と怪文書

ご挨拶

初めましての方は初めまして、初めてではない人も初めまして。M/と申します。
ふざけて「釈迦釈迦謝意謝意」とかいう名前にしていた過去があるので、釈迦さんとも呼ばれてます。
よろしくお願いします。

本日(2/26)は競走馬「エアシャカール号」のお誕生日です!本当に生まれてきてくれて有難う!
そんな感謝の意も込めて、私から微力ながらではありますが、「エアシャカール」の魅力についてお伝え出来たらと思います。

とても長いnoteになると思いますが、最後までお付き合いいただけると嬉しいです。



1.注意事項

・アプリウマ娘の「エアシャカール」に関するあらゆるネタバレを含みます。

・あくまでも「考察」です。「こんな考えもありだな」程度に受け取って下さい。

・途中、「エアシャカール」への攻撃的な文言が出てきます。(史実ネタです)

・上記を踏まえて御気分が悪くなる前に、閲覧を終了する、または読み飛ばす事をおすすめします(注意文を沿えます)

・引用元が曖昧だったり、抜けている要素があったりする場合がございます。
 その際はコメントなどで補足を加えて頂けたり、ご協力頂けますと幸いです。(感想もお待ちしてます)

・全て個人の見解です、鵜呑みにせず、信じずでお願いします。

・ウマ娘は「エアシャカール」、史実馬を「エアシャカール号」と表記しています。


2.ウマ娘ストーリーについて

・脈打つアルゴリズム

アルゴリズムとは
「問題を解決したり、目標を達成したりするための手順や計算方法」

ウマ娘ストーリー第1話「脈打つアルゴリズム」は、エアシャカールの独白から始まります。
エアシャカールのストーリーにはノートPC、名を「Parcae(パルカイ)」といった代物が登場。
エアシャカールは、自らの手でPCを作り上げ、更に学習させて育てた「相棒」を大切にしています。
独白の内容を簡潔に纏めると、以下の通りです。

Parcaeは理解する
 入力さえ正しく行えばその答えは絶対的であり
 覆しようのない完璧な答え
 あらゆる推量を拒む、well-definedな演算(有効かつ有意義)
Parcaeは理解しない
 0と1しかない世界に、感情を処理するコードは存在しない

「人の判断には願望が入り込む、思い込みで判断をする」
「正しいデータを入力しさえすれば、必ず正答を吐き出し、曖昧なニュアンスを含まない」
「Parcaeが万能ではないのは、扱う側の問題である」

ここで「キモ」って言われるのが最高なんだよな。

エアシャカールは、「Parcae」の事をものすごく信頼しています。
それは「依存」と置き換えても遜色はありません。
「Parcae」がNOといえばNO、YESといえばYESであり、その答えを疑う方がおかしい、そんなレベルです。

最初はトレーナーも、「多分、真面目な子だな」といった、思い込みから始まります。
それを言われたエアシャカールも、また思い込みで物を言ってるな、という印象。(真面目であって欲しいという、トレーナーの願望を言われている、と思っている)
そこまで奇跡的な出会いというわけではありませんでした。


・ブラックボックスから聞こえる

ブラックボックスとは
「内部構造は問題にせず、それに対する入力と出力の関係だけが考察の対象とされるような過程。また、そのような装置」
「使い方は解っていて、動作原理の解らない装置」

前述していた通り、エアシャカールが「Parcae」に向ける感情は「依存」と遜色のないほどの入れ込み具合です。
では、そこまで信頼を置いて絶対だと思っているものを、「思い込みで否定」されたら、どんな反応をするでしょうか。

誰だって、好きなものを否定されたり、信頼している人を馬鹿にされたら怒りますよね?
エアシャカールだって、それは同じです。

この時、仮トレーナーと共にトレーニングをしていたエアシャカール。
仮トレーナーからの指示を無視して、独自のトレーニングを始めてしまいました。
これは、「Parcae」基、エアシャカールのデータ上、「不必要である」と判断されたことをやろうとしたからです。
仮トレーナーから勿論小言を言われますが、ある事を言われてしまいます。

「君の持ってるデータが全部”正しいとは限らない“だろう?」

お察しの通りの大地雷です。
絶対エアシャカールに対して言ってはいけない言葉ランキングの2位です。
当然エアシャカールは「やっぱりお前もそうだった」と呟き、仮トレーナーを追い帰してしまいます。

第1話の最後に、同室のメイショウドトウと仮トレーナーの話題になっていました。
「どうせ、また」と、そんな風に呟くエアシャカールを心配するメイショウドトウ。
エアシャカールは、どんなトレーナーがついても「自分のデータを否定される」(=「Parcae」を否定される)ので、「どうせ、また」と呟いています。
例外に漏れなく、結局今回も同じ結果になってしまったわけです。

仮トレーナーを強制的に追い帰した様をみて、その様子を見ていた周りのトレーナーから、陰口を言われます。
痺れを切らしそうなエアシャカール、そんな険悪の場にメイショウドトウが現れ、場は和やかに。

いつだってドジ踏んで、エアシャカールが世話を焼いているメイショウドトウ。
ドトウが、タイムが縮まらないと悩みを零します。
エアシャカールは、客観的な意見として「壁」の存在、そして一方向からの攻めるのを諦めて、多角的に攻めるべきだ、とアドバイスします。

一生懸命頑張るしかできないんです。」
「そうやって、体当たりし続けていれば、壁もいつか壊れてくれるんじゃないかなって、思うんですけど・・・。」

「そうかよ、お前がぶっ壊すところ、ぜひ見せてほしいモンだな。」
「いつか、なァ。」
無意味だ、そンな希望は・・・。」

あれ程真剣な眼差しを向けて、一生懸命データを打ち込んでいたエアシャカールの、全てを諦めたかのような表情。
そして、悲痛な叫び声ともとれる、か細い呟き。

その夜、偶々コースに立ち寄ったトレーナー。
エアシャカールが息を切らしてした。
「後7㎝、たったそれだけだ!なのに!」
心の奥底から溢れたであろうその声と、7cmという数字も引っ掛かります。

その場に現れたのはアグネスタキオン、史実ではエアシャカールと1年違いの、同じ皐月賞馬でもある。

信じる神が、自分の未来を否定している
それは絶対的な啓示で、どれほど願っても覆えらない
覆ればそれは啓示ではなくなり、信仰する神が信じられなくなる

エアシャカールが背負っているものを教えてくれるアグネスタキオン。
「彼女はデータの信奉者だ。信者は運命を受け入れるしかない、呪うこともできない。」
「それでも、彼女は何かを変えたがっている。」
トレーニングを終えたエアシャカール、すぐに追いかけなければ!


・“Premission Denied”

Premission Denied(パーミッションディナイド)とは
主にLinuxにおける)エラーの一種
Premission (許可、権限) Denied(否定した)
「権限がありません」

追いかけた先に、佇むエアシャカール。
トレーナーは溢れる思いを言葉にします、「貴方のトレーナーになりたい」

勿論、エアシャカールからは断られます。
明確な根拠がない話、ロジックが説明できないような話はする意味がないのです。
エアシャカールの知識量であれば、本来トレーナーに任せるべき分野を全て一人ですることができます。
練習メニューなどの、データ関係も全て「Parcae」で出来てしまいます。

だからこそ、エアシャカールは全てを疑います

「本当は”お前が”そうしたいだけなンだろ?
 誰かを助けられる、救えると思いあがりたいだけ。
 誰にも何もできやしないのに。」

「まだ何もしていない。」
なのになぜ、何もできないって思う?」

余りのしつこさに観念したエアシャカールは、その”答え”を見せてくれます。

「-7」

この数字が示すのは「日本ダービーでの着差」
「7cm差で負ける。で、三冠を逃す。」
エアシャカールが告げる、「Parcae」から与えられた運命。
それを聞いたトレーナーは、エアシャカールに言葉を伝えます。

「その想いがあれば、きっと変わる!」

あっ、と思った皆さま。大正解で御座います。
絶対エアシャカールに対して言ってはいけない言葉ランキング堂々の第1位です。
大地雷中の大地雷、恋愛ゲームなら好感度急降下どころか即終了ものです。

唐突ですが、「頑張れ」という言葉ってどう思いますか?
応援されて嬉しい、というのもあると思います。
しかし、「こっちは既に頑張っているのにこれ以上を求めるの?」と、言葉を真っ直ぐに受け止められない事ってありますよね。

エアシャカールは、既に幾度となく計算と検証を重ねていました。
それはトレセン学園に入学してから程なくして、「Parcae」が完成された後からずっとです。
「Parcae」の答えは絶対で、完璧だと断言しているエアシャカール。
その答えを、何度も何度も疑って、変わらないと理解しているにも関わらず、ずっと答えを模索し続けている。
これに対して「変わりたいと思っていればいつか変えられるよ」なんて、無責任な言葉を掛けられますか?
事前情報が無いので、言ってしまう可能性も無きにしも非ずなのが残念ですが、トレーナーは意図せず、エアシャカールの大地雷を踏み荒らします。

ここからのセリフは、是非津田美波さんの声をそのまま聞いてほしいです。
余りにも迫真の演技で、引き込まれてしまう事間違いなし。
とりあえず、地雷の上でタップダンスしてるトレーナーに、エアシャカールは激高します。
エアシャカールからは、接触禁止令がでてしまいますが、トレーナーは諦めていませんでした。

多分、ものすごく相関図がややこしいので以下の通りです。


・描き出すプロトコル

プロトコルとは
「CPU同士の通信や治療などの手順や規格のこと」

「まだ何もしていない」
諦めていないトレーナーは行動を起こします。
仮トレーナーをやっていた人から話を聞いたりしていると、突然タキオンがやってきます。
「メールを送った。エアシャカール君からもらったデータだよ。」
何やら、エアシャカールを理解したいという思いに協力してくれる様子。
有難く受取ながら、何も解らない数字と式の羅列をにらめっこします。


場所は変わって屋上。
デビューまで時間がなく、早くトレーナーを決めないと出走手続きが出来ない。
かといって、適当に決めて、自分の決めたことに口を出されたり、理解できないと言った奇怪な眼差しを向けられ続けても困る。
そんな頭を悩ませている彼女の下に、トレーナーがやってきます。

これから一生かけても、エアシャカールの見ている世界を、覗くことすらできないのかもしれない。
けれど、知りたいのだ。
許されるのなら、言葉を交わして勝利のために協力していきたい。
全く同じではなくても、並んで目指す方向を見て___

「貴方を理解することを、諦めたくない。」

(ウゼェ、しつけェ。
 お前の理解が一体、なンの助けになるっていうンだよ)
「でも、しつけェのは、同じか。」
「どうせ諦めれない…..か。」

エアシャカールのトレーナーになる事を、諦められないトレーナー。
勝つことを諦められないエアシャカール。
形は違っても、諦められない、譲れない思いがある二人。


どうやってトレーナーになったかはその目で見てください!!!!!
たのむ!!!!!!!
見てくれ!!!!!!!!!!!!!!!!


3.育成ストーリー

※育成ストーリー全てのネタバレを含みます

・メイクデビュー

育成始まってすぐ、エアシャカールの夢から始まります。
何かのレースで競っている相手がいるようです。
「コイツさえ引き離せば」
しかし、その相手を引き離せず負けたところで、夢は覚めます。

エアシャカールとのトレーニング初日。
周りの目は奇怪なものを見る目ばかりです。
それら全てを雑音(ノイズ)と判断しているエアシャカールは、シャットダウンすることを、トレーナーに勧めてきます。

そして、エアシャカールは、トレーナーの事を「置物」だと言い切ります。
エアシャカールの知識量はトレーナーなど不要で、ただ形式上、レースに登録するためにトレーナーが必要であった。
この1点のみに、トレーナーとしての需要があったのです。

そんな置物に、一々エアシャカールの周りのことに反応されては叶わない。
そんな好感度0もいい所の関係から、彼女との関係は始まっていきます。

トレーニング初回はデビュー戦を想定した、シミュレーションを行う様子。

東京レース場、芝左周り2000m、天候は曇り、良バ場。
コレが「Parcae」が導き出した、デビュー戦に最適な条件だ。

この条件は、「エアシャカール号」が実際にデビュー戦をした条件です。
既に「Parcae」が史実馬と同じ選択をしていました。
トレーニングに励むエアシャカール、それを見てトレーナーは称賛の声を掛けます。

「今の走りなら、5着あたりだ。」

これも、「エアシャカール号」のデビュー戦の着順です。
それすらも、全て理解している「Parcae」、そしてそれを扱うエアシャカール。
そして、それらを含めた「最高のルート」なるものが存在するという。

「Parcae」の画面が映し出される。
しかし、そこに何やら気になる数字を発見するトレーナー。

「991031021222」

この数字はエアシャカールが、レースローテーションを導き出したときに現れ、以降ずっと表示され続けているらしい。
何をどう頑張っても消えないので、エアシャカール自身も放置をしている数字です。

そして「Parcae」の決めた最高のローテーション。
クラシック級、皐月賞、日本ダービー、菊花賞、そしてジャパンカップ。
そして、三冠に最も大事なのが日本ダービー。
「Parcae」が出した「-7cm」という答え、何をどう頑張っても覆らないそれを、エアシャカールは「運命」だと言う。

そして、勝利できるレースは皐月賞と菊花賞のみで、それ以上の結果は「Parcae」の中に存在しない。
つまり、運命を司る「Parcae」の中にない=エアシャカールの未来には存在しない。

それを覆すために、一緒に歩む。
そういった目標の確認をします。
そして、そんな丁寧に説明したのは、トレーナーにトレーニングの方針を理解させ、一部のトレーニングメニューを任せる為だとのこと。

「あれ、置物っていってたんじゃ、、、」
と、反応を示すトレーナーですが、エアシャカールは言葉を続けます。

”不確定要素”としてなら、置物以上に使える可能性はある。」

エアシャカールとは違う存在であること、それがエアシャカールの運命と交わることで、何かしらの違うことを得られるのではないか。
エアシャカールは期待していない、と切り捨てますが、トレーナーは役に立つように努力をする、とやる気満々です。

そして、エアシャカールに今後の参考に、と尋ねます。

「シニア級の”最高のルート”は?」

その話はしない、とばかりにはぐらかすエアシャカール。
教えてくれ、と懇願するトレーナーを煙たがり、必要と判断すれば情報を与えるが、それ以外は教えない。
本当は、7㎝の件も話す気はなかった。
そう伝えるエアシャカール。
しかし、トレーナーは「知らないままなら、考えることすらできない。」と話し、エアシャカールは口を開きます。

「シニア級の”最高のルート”はな、勝てねェってことだ。」
「『Parcae』は菊花賞以降、一度も勝利しないと予測してる。」

悲惨で、残酷な運命。
その諸悪の根源を断つ、それが「7cm」を覆すことなのだと話すエアシャカール。
「運命を変えよう」
更に気合が入った様子のトレーナー、エアシャカールに煙たがられて所に初日は終わります。

ここで「やっぱキモ」って言われるの最高なんだよな。

皆様には、この知識を入れてから見ると見るもの全て変わるので先にお伝えします。
「991031021222」
この数字が表すのは「エアシャカール号」のデビューから引退までの日付です。
そして、エアシャカールはこの数字は何をやっても消えないと、言ってしました。
この数字を背負った、運命を示してくるもの。
つまり、「Parcae」は「エアシャカール号」
「Parcae」はエアシャカールに「エアシャカール号」と同じ運命を辿ることを、示しているのです。

「Parcae」の示す最高のルートとは、史実と同じ運命を辿ることだと伝えています。
エアシャカールは、これを壊したいと望んでいるのです。


一方変わって、少し日常の様子を見たいと思ったトレーナー。
用事のついでに教室を除くと、エアシャカールは友人(?)の「アグネスタキオン」「マンハッタンカフェ」と話している様子。
そこは、いつものピリピリした様子はなく、穏やかな様子。

また、エアシャカールの教室から追い出された後、ファインモーションと出会います。
「シャカールは、思考と体と言葉、全てをズレなく見せてくれた。
 だから私も、出来る限り素直でいたいなって思うの。」
それを言われたトレーナーは、何か気付きを得た様子。

ファインモーションと会話しているのを、エアシャカールに見つかってしまいました。
エアシャカールは余計なことを言われた、と呆れつつも、そんな暇はあるのか、と問うてきます。
未だ動かない数字に焦りが滲む、エアシャカール。
ファインモーションは「自分のなすべきことをすることが、エアシャカールと向き合うことに繋がると信じている」とトレーナーに話していました。

「不確定要素でも、使えるものは使う。だからお前も考えろ。」
エアシャカールは、トレーナーの事を置物扱い程度はするものの、その存在自体を否定したことは一度もありませんでした。
少しでも、自分という存在を必要としてくれている。
そう思ったトレーナーはまたやる気に満ちて張り切ります。
そんな様子をウザがるエアシャカール、二人の距離が少し縮まったのかもしれませんね。

デビュー戦、深く集中するエアシャカール。
着順は関係なく、どんな着順でも2冠のルートは確保されていると答える「Parcae」
試合が終わり、早速結果を「Parcae」に打ち込みます。

結果の範疇を誤差で届ませた「Parcae」、しかしエアシャカールは何か思うことがある様子。
聞けば、心拍数が予測よりも高いとのこと。
トレーナーは「それだけ楽しかったんだね」と言いますが、エアシャカールは感情という不確定なものデータにするのはコスパが悪いと話します。
条件や定義、そしてその感情のデータを使えるのかも怪しい。
ならば、感情の方向性だけ分類し、それ以外は捨てる方がデータの純度を高められる。
トレーナーはなるほど、と納得して話は終わります。

次はホープフルS、そこに向けてのトレーニングへと意気込むエアシャカール。
ふと、トレーナーは気になります。

「7cmって、誰との差なんだろうね」

「Parcae」でもそれが誰かはわからない、とのこと。
きっと実装できてないからっていう大人の事情なんでしょうけども、お願いはやく来て何でもするから、何でもするとは言ってないけども
更なるデータ収集に意気込み、デビュー戦は無事終わります。


・ホープフルステークス

ホープフルSに向けて、データ収集の毎日。
とにかく細かいサイズの違いも見逃さす、そんなエアシャカールをサポートし続けるトレーナー。
またある時は、エアシャカール自作の計測アプリを共有してもらい、そこに表示された数字を読み上げる仕事を貰ったり。

しかし、そんな毎日を送っていても以前「7cm」を変えるきっかけは見つかっていませんでした。
ただ、エアシャカールの手伝いだけをするトレーナー。
もっと何かできることがないか、考えます。

「感情とかいう不確定なモンは、
そのままデータにするとコスパが悪ィ。」

コストパフォーマンスが悪いなら、それを自分が担えば使えるデータになる?
閃いたトレーナーは、偶々声を掛けてくれた「ナリタトップロード」「テイエムオペラオー」「メイショウドトウ」に相談をします。

レースを知っている彼女たちなら、その時の感情にも詳しいはず。
彼女たちから、不確定要素に溢れた話を聞いて、データとしてまとめることができれば、役に立てるのでは。

ひらめいたトレーナーは、ナリタトップロードから話を聞いて、感情が作用したデータをまとめ上げました。
エアシャカールは一言目に「このデータは使えない」と言い捨てます。

「オレが応援されて、能力が伸びると思うかァ?」

「でも、シャカールにもあるかもしれない。
 ロジカルじゃない変化が。」

そんなところに、突破口があるのかもしれない。
それでも、エアシャカールは感情を計算に入れるコスパを苦言をします。
しかし、それはトレーナーが担えばいいこと。
エアシャカールは「毎回お前が色々なヤツから話を聞いて、時間をかけてまとめるのか?」と問います。
しかし、トレーナーにとってそんなものは苦ではないのです。
「これらをデータに組み込んで欲しい。」

「それで何かが変わるとは、思えねェな。」

「でも、0.01cmは変わるかも。」
「明日には6.99cmになっているかも。」

エアシャカールは、あまりの屁理屈に笑みをこぼします。
それでも、データを組み込むことは考えてくれるようです。

「それがお前の、思考の結果なンだろ。」

「自分のなすべきことをすることが、エアシャカールと向き合うことに繋がると信じている」
いつかの、ファインモーションが話した言葉が、しっかりとトレーナーには伝わっていたのです。


ホープフルS当日、周囲の声を全く意に介していないエアシャカール。

「どんな雑音も、7cmが変わりさえすれば消える。
 数字は誰から見ても明白な結果だ。」
「お前のもってきたデータは、なンの影響もしなさそうだがな。」

どうやら、渡したデータはしっかり組み込んでくれたらしい。
う~ん、好きだ。
シミュレーション結果も最良なエアシャカールは、そのままホープフルSに向かいます。

ホープフルS終了後、エアシャカールの来年の活躍に期待する一方、「ライバル」不在へのささやきが生まれます。

当の本人は汗も拭わず、地下バ道で「Parcae」に結果を入力します。
すると、すごく驚いた様子。

「6.9cm」

短く呟いただけの数字は、絶対に動くことのなかった「7cm」が変化したことを意味していました。
本来であれば喜んでいいはずの事ですが、エアシャカール本人が長い時間をかけて動かなかったものが動いた、それに対する困惑が強い様子。

過度な期待はしてはいけない、そう自分に言い聞かせるエアシャカール。
まずは皐月賞、そこで勝っていよいよ本番へ。
このまま順当にいけば、そう思わせる1戦でありました。


・皐月賞


皐月賞当日、出場するウマ娘達の声や、周囲の声が、普段とは違い多い為、大きく聞こえる。
エアシャカール自身も、流石に全てをシャットアウトすることはできなかった様子。
雰囲気からしてピリピリしており、走る前に無駄なエネルギーを使うなと言葉を漏らします。
トレーナーが何か言いかけるのを威嚇して遮るほど、余裕がありません。

「いつもより口数が多い」と指摘しようとしたが、
水を差しかねないと思い、口を閉ざしたのだった。

地下バ道にて、幾分か落ち着きを取り戻したエアシャカール。

「理論値には届いたんだよね。」
「じゃあ、今日1番強いのはシュカールだね。」

その言葉を聞いて、エアシャカールはゲートへと向かいます。

(深呼吸しろ。そうだ、数字がソレを証明してンじゃねェか)

「今日、1番強いのは間違いなく、オレだってな。」

※ここでは勝ったルートのみ紹介します

皐月賞を勝利したエアシャカール。
しかし「この勝ち方じゃない」と、想定していた結果との相違を「Parcae」に打ち込みます。(ファンサとかしないです)

「7cmが、3cmまで縮まった。」

答えが更に変わり、もっと縮まった。
これにはエアシャカールも喜びが溢れそうになり、無理やり落ち着きます。
ただ、まだ0になっていない。
更に模索しなければならない、そうして中山レース場を後にします。

エアシャカールは一人になって落ち着きたい様子、「先に行ってろ」とトレーナーは置いていかれます。
それを見ていた周囲は引き気味、そしてエアシャカールがクラシック級の主役に躍り出たことに不満をにじませる。
トレーナーは、その意見を否定したい気持ちで溢れましたが、堪えます。

「7cmが変わりさえすれば、消える」
エアシャカールの言葉を信じ、今は堪えます。
間違いなく、エアシャカールの強さは本物であり、日本ダービーでも必ず結果を出す。
周囲の目は否応なしにも変わるはずなのですから。

一人になったエアシャカール、変わり始めた数字について思いを馳せます。

「あのクソみたいな悪夢も、もう見ない。
 終わるンだ、終わってまた始まる。」

でも、3cmがこれ以上縮まらないとしたら?
運命は据え置きで、期待に弄ばれただけだとすれば…。

否定的な意見が頭を埋め尽くし、諦めそうに。
それを一生懸命振り払って、思考を止めるなと言い聞かせます。
最大の壁、「日本ダービー」へ向かっていきます。


・東京優駿~日本ダービー~

The Monster Under My Bed
「魔物は自分のベッドの下に潜んでいる」

トレーニング初日にも見た、悪夢。
何度も何度も負け続けるこのレースは、いったい何なのか。
エアシャカールはわかっていました。

日本ダービー直前になっても、「3cm」は動いていません。
結局「負ける」ということは動いていないのです。

夜中に何度も目覚めるエアシャカールは心配するメイショウドトウ。
トレーナーに、エアシャカールが悪夢を見ていることを伝えます。

「シャカールさんのこと、お願いしますぅ!」

トレーナーである自分になら、エアシャカールの力になってくれるはず。
そう思って声を掛けてくれたメイショウドトウ。
彼女も彼女で、エアシャカールの事をとても心配して気にかけてくれていたようです。
「任せて!」と伝えると、メイショウドトウは安心したようでした。

「悪夢を見るほど恐ろしいこと」が目前と迫っています。
自分が沈んでいくとわかっている道へ向かう事、それがどれ程恐ろしいのか。
自分の想像だけでは、その恐怖は計り知れません。
それでも、エアシャカールは向かうことを選びました。

「Parcae」を手に、イライラしている様子。
幾度もなく繰り返した試行錯誤と、変化なしの数値に焦りが出ます。
オカルトなどの、彼女が嫌う「ロジカルで説明できない物」にも縋りそうになります。
ただ、炎の中に入るだけの彼女を、見守るしかできないのか。


日本ダービー当日、ついに「Parcae」は0を示さずのままでした。
地下バ道、記者からレース前のコメントを求められるも、追い帰します。
周りも、大事なレース前で緊張しているのだろうと口を揃えますが、トレーナーだけが、エアシャカールの内情を知っていました。

「不安」
彼女を襲うのは、敗北する運命、そしてそれでも勝ちたいと願う相反した心。
そんな心配が顔に出ていたのか、エアシャカールに「ジロジロと、ウゼェ。」と怒られます。

掛ける言葉を悩む姿に、エアシャカールは去っていきます。
ファインモーションが言った「なすべきことをすることが、エアシャカールに向き合う事だと信じている」
トレーナーとしてなるべきこと、それはエアシャカールに憂いなくレースに臨んでもらう事あった。

その言葉に、責任と覚悟を持っているのなら、
エアシャカールは聞いてくれるはずだ

控室、エアシャカールのイラつきは更にヒートアップしています。
やっと言いたいことを言うのか、とエアシャカールは言葉を投げます。

「黙らせてェンだろ?バカみたいにイラついて、みっともないって。」
「お前のしてきたことは全部無駄だった、運命を受け入れろって。」
「お前なら、人生に一度しかないダービーを楽しめ、結果は終わるまでわからないって。」

まるで予防線を張るかのように、言葉が溢れ出します。
トレーナーは「怖くて当たり前でしょう。」と伝えます。

エアシャカールにとって、データは絶対。
エアシャカールが捉える現実では、「Parcae」の出したものこそが「史実」となるルートなのです。
それでも、

「私の現実では、貴方が最強だよ!」
「今目の前にいる貴方なら、運命を超えられる。」
「貴方の”意地”を貫いて!」

何の根拠もない、その言葉にエアシャカールが納得することもない。
それはトレーナーもわかっているはず。
なのに、何故そのような言葉をかけたのか、エアシャカールは問います。

「私にも意地があるから。」
「貴方に自分を信じて欲しい。」
「悪夢はここで全て断ち切ろう。」

「時間だ。」と控室を出ていくエアシャカール。
きっと伝わったはず、とトレーナーはその背中を見送ります。

わかってる
もう、夢は見ねェ

エアシャカールが控室を出た後、パソコンを片付けようとしたとき。
ひとりでに「Parcae」は動き出していました。

「99103102122」が消えている


※ここでは特殊イベント「日本ダービーの後に・7?」を紹介します。
(解放条件・日本ダービーをハナ差で負ける)

ゴール板が遠い、動けない。
エアシャカールは、日本ダービーをハナ差2着で負けてしまいました。

ハナ差、その敗北は「Parcae」の推測通り。
だが、何cm差かはまだ出ていない。

「_____悪夢だ。
 いつもの悪夢じゃねェか。
 もう何回見てンのかもわかンねェ…。」

「違うな…。もう、現実だ。」

「無意味だった。全てが…。」

全てを無に帰すと虚ろになっているエアシャカールに、トレーナーが呼びかけます。
余りの様子に、エアシャカールも気になる様子。

「7cm差じゃないよ!3cm差も違う。
 確認したから間違いない。」

実際の結果は、「Parcae」の予測と違ったものでした。
同じ負けでも、エアシャカールは自らの手で「Parcae」の定めた運命を乗り越えたのです。

エアシャカールも最初は疑いますが、トレーナーが自分の目でも確認できるよ、と伝えます。
しかし、それもいいのだと言います。

「雑な慰めなンか、しねェだろ。」

エアシャカールの表情が少し緩む、その事実を噛み締めている様でした。
「Parcae」にこの結果を伝えなければ。
最も重要なのは、この先の「一度も勝てない」運命を覆すこと、それの一番の山が日本ダービーでした。
問題の解決は、寧ろここからだったのです。

場所は変わってトレーナー室。
「Parcae」への入力を進めていると、エアシャカールの手が止まります。
「Parcaeがエラーを吐いた。」
聞くと、原因不明だが、勝敗に関する結果についてだけ、エラーが出るようになったとのこと。

「この先の全てのレースで、着順が見えなくなった」

「それって、運命が変わったってこと?」

肯定するエアシャカール。
「この先に待っているのは、地獄ではない。真っ新な未知だ。」
ということは、シニア級で一度も勝てないということが否定されたのでは!
気が逸るトレーナーを静止して、エアシャカールは続けます。

「この先勝つはずだった菊花賞も、ボロ負けするかもしれねェし。
 ボロ負けもありえるってことは、上振れの可能性もある。」

エアシャカールは、今初めて「未来の可能性」を楽しもうとしているのかもしれない。
話題はこの先の夏合宿の話に。

「『Parcae』…。お前は、オレに何を言いたい?」

突然現れては消えた「991031021222」
何かメッセージのようなものを感じるエアシャカール。
しかし、AIが意思を持ったなど、ロジカルじゃない事はありえないと、その考えを頭から消します。


・菊花賞※注意

※途中エアシャカールに対する厳しい言葉が並びます

菊花賞当日、ここまでのトレーニングで無事に菊花賞の理論値まで能力を高めることができたエアシャカール。
しかし、ここにはかつて全ての計算の答えを持っていた「Parcae」はもう当てにならない。
運命はもう変わった、自らの手で勝利ルートをハメて行くしかない。

「必ずその道を見つける。
 最後の栄光にさせないためにな。」


※ここでは3冠未達成ルートを紹介します。

菊花賞を走り終え、目標変えずにそのまま「ジャパンカップ」「天皇賞春」「宝塚記念」を目指すことが伝えられます。
「運命が変わったなら、はじき出される結果も違うはず。」
一筋の希望を胸に、次のシニア級相手への挑戦も前向きな様子。
しかし、「Parcae」はエアシャカールが14着であることを示していました。

けど、既にその「Parcae」の算出はエラーにより不明になっている。
つまりはこの結果が違う可能性もあるのです。
ただ、エアシャカールは「Parcae」のボロ負け予想の理由を突き止めない限りは、安心できないと言います。

エアシャカールと今後のトレーニングについて話し終え、カフェから解散しようとしたとき。
近くの席から話し声が聞こえてきます。
「菊花賞面白かった~、それより天皇賞秋のオペラオーが….。」

菊花賞の話題がすぐに流れてしまった。
些細なことが引っ掛かるトレーナーでした。

解散した帰路で、エアシャカールは運命の分岐点について考えていました。
予定にない事、「トレーナーと契約を結んでから」
いつの日か、救世主ヅラをするなと怒ったのを思い出し、「本当に救世主だったってか?」と半笑い。

「結局、オレ1人じゃ、無理だったのかもな。」

言葉にしたのを飲み込んで、エアシャカールは来年は自分の時代にするのだと意気込みます。


ジャパンカップに向けてトレーニングを行う日々、エアシャカールから呼び出しを受けます。
コースを見るとテイエムオペラオーとメイショウドトウが練習している様子。
一度走ればその強さは歴然、今のレース界を引っ張る2強の存在でした。

「Parcae」が導いた、エアシャカールがジャパンカップを大敗する予想。
その理由について教えてくれます。
・1つ上の世代が壁になること。
・同世代全員、誰も影すら踏めず沈んでいくこと。
・下の世代も華々しく出てきて、すぐに追い抜かれること。
以上の理由により、「最弱世代」が誕生すること。

エアシャカールが言う、「最悪のルート」の中に、エアシャカールの勝ち負けだけでなく、周りからの評価も含まれていたようです。
改めて、自分の挑む壁が高い事を認識させられるエアシャカールと、トレーナー。
それでもエアシャカールは闘志を失っているわけはないようでした。

しかし、テイエムオペラオーとメイショウドトウは、お互いを更に高め合いました。
今さっき走ったのを遥かに超える素晴らしい脚で、周囲を驚かせました。
軽々と限界を超えて見せる二人に、エアシャカールは呆然としてしまいます。

「今は何を望んで、なぜ走るの?」

「勝利だ。」
「勝利は絶対的な解だ。誰が正しくないと反証できる?」
「オレが正しい事を証明できれば、うるさい雑音は消える。」
「そのために、プロップスを根こそぎ奪う。」

「ジャパンカップで落ちるわけにはいかない。」

プロップスとは、HIPHOP用語で「名声」です。
つまりはオペラオーやドトウに向けられている称賛を全て自分のものにするのだと言います。
そして、そうすることで自分達の世代が「弱い」とは言わせない。
そうしようと躍起になっているのでした。

「”最弱世代の代表”、上にも下にも敵わない。」
「当然か、強かったわけじゃない。運が良かっただけだし。」

寝落ちしていたエアシャカールに聞こえた言葉。
悪夢は終わってなどいなかったのです。

”敵わなくても”、ボロ負けするわけにはいかない


・ジャパンカップ※注意

※途中エアシャカールに対する厳しい言葉が並びます

ジャパンカップ当日、SNSでは期待の声が寄せられており、エアシャカールに対しての声も多くありました。
しかし、エアシャカールがトレーナーと共有してくれているはずの身体データの更新が止まっているのです。
データのとり方を変えたから、ジャパンカップが終わればアップデートするから、とその場では言葉は飲み込んだものの。

勝負服に着替えたエアシャカールの様子は、明らかにおかしい物でした。
彼女に呼びかけますが、それも聞こえない様子。

「勝利できる理論値に届かなかったが、想定内だ。
 バカみてェな値だったからな。
 だがボロ負け””しない所に届いた、届かせた。
 掲示板に入れるベストの展開は確か…。」

ぶつぶつと独り言を続けるエアシャカールに、トレーナーはもう一度呼びかけます。
トレーナーは確信をもって、エアシャカールの異変に気付きました。

「今、負ける前提で話してる?」

あれほど勝つことに拘っていたエアシャカールの姿はどこにもありません。
ボロ負けしない事に拘り、掲示板に入る事だけを考えている。
勝つ方法など等に捨てていました。

地下バ道、オペラオーとドトウが待ち構えていました。
いつもの口調で、エアシャカールをあおるオペラオー。
ですが、オペラオーは気付いていました。

「闘志を失くした役者が、果たして舞台に上がれるだろうか?」

オペラオーはわかっていました、エアシャカールは既に闘志を失っていることに。
ドトウは、「シャカールさんはいつでも勝つ方法を考えてる」と言いますが、エアシャカールは心の中で違う、と叫んでいました。

「もう運命は変わったんだよ」

控室を出る前、トレーナーはエアシャカールに伝えていました。

「それでも、結局行きつく先は1つだとしたら。」

それでも、もう。
この勝負から逃げることはできませんでした。


※ジャパンカップで負けたイベントを紹介します

レースは、「Parcae」の予想通り負けました。
しかし、エアシャカール自身、なにも「わかってなかった」と振り返ります。
自分が届かなかった理論値、そんなものを軽々と超えて見せるオペラオーとドトウ。
このレースの中でさえ進化してみせました。

浮かれたんだ、7cmを変えたから….。
運命を変えたと思ったから….。
____これがオレの、運命だったのに。

呆然とするエアシャカール。
心の闇が広がり始めたのを皮切りに、周囲がざわつきます。

「拍子抜けだな」
「あんまり魅力なかったわ」
「三冠レース、面白くなかった気がする」
「運がよかったんだろう」
「ぶっちぎちで弱かったりして」
「“最弱世代の代表”」

レースを終えて、地下バ道に帰ってきたエアシャカール。
その姿は明らかに様子のおかしいものでした。

着替えたらすぐに帰ろう、声をかけレース場を二人で出ます。
周りが今日のレースの感想を話している声ですら、エアシャカールの耳は拾ってしまいます。
全てにおいて感情を揺さぶられている姿に、トレーナーはタクシーで帰ろう、とタクシーを待ちます。
いい、と否定するエアシャカールをダメだ、と拒否します。
「学園の中のほうが、まだ静かだから。」

学園に戻る途中も、一つも言葉を交わさなかった二人。
帰り際、次の目標は変わらず天皇賞春を目指すことを伝えられます。
しかし、そこには間違いなくオペラオーとドトウ、そして「ナリタトップロード」も出てくる。
だから、また、トレーニングを____。

「その話も明日にしよう。」と、二人は解散します。

「シャカール!来年は貴方の時代にしよう。」

去り際にエアシャカールに伝えます、トレーナーはいつだってエアシャカールの事を信じていました。
やるべきことも。

夜、エアシャカールは自主練をしています。
「Parcae」へのデータを入力していると、今まで表示されなかった勝敗が出ています。
それは、「7cm」の運命が変わる前の、最悪の運命の再来。

「これじゃ、何も変わらなかったってことじゃねェか。」


・背負わされた業に立ち向かうという事

ジャパンカップ終了後、それまでのエアシャカールへの評価は一変しました。
「主役級がいない」「ライバルがいないから本物かどうかわからない」「運が良かった」
口々に勝手な言葉を並べて、エアシャカールを嘲笑する風土が出来上がってしまったこの腐った世界め
失敬。

エアシャカールは結果を残してきました。
皐月賞、菊花賞、日本ダービーだって、ちゃんとした結果を出しているのです。
しかし、結局は成績という絶対評価ではなく、レースに魅力があるか、ライバルがいるかどうかの相対的な評価で、人は優劣を付けます。

ここで、トレーナーにエアシャカールは「Parcae」がまた勝てない未来を提示したこと、
これが運命だったのだと、告げます。
周りの評価も気にするとキリがないから、と切り捨て。

しかし、その言葉にトレーナーは疑問を感じていました。
本当に、気にしていないなら、「どうでもいい」とハッキリ口に出すはずなのです。
それをしない理由がある、そう思ってトレーナーはエアシャカールを追いかけます。

System Invalid Operation
「システムが無効です」

エアシャカールの脳内に流れる雑音。
振り払うエアシャカール。

トレーナーが呼びかけると、来ると思った、と言い話を始めます。

「神サマってヤツにさァ。弄ばれてンのかもな。」
「ココまで全部予定調和、結果は変わらないのにもがくオレを、空から笑うヤツがいる。」
「”相棒”ですら、煽ってくる。」

「絶対的な数字を積み上げてきた、誰が見ても明らかなほど。」
「でも、オレを本当に評価するヤツはいない。」
「時代のせいか?相手がいないせいか?」
「違う、オレがオレだからだ。」

「オレがオレだから」
エアシャカールがエアシャカールである以上、一度決められた運命からは逃れることがきない。
そう伝えるエアシャカールに、トレーナーは「本当に変わらなかった?」と問います。

「本当に数字を信じているのなら、自分を誇らなくちゃ。」
「私は、貴方の”相棒”じゃない、でも、
 貴方は最強、私の現実では変わらない。」
「どのルートでも、必ずそう伝える自信がある。」

「希望的観測だ、オレは弱い。」
「不確定要素、お前がいて初めて、オレは前に進めたンだ。」

それを、どう誇ればいい。
あくまで自分の力じゃなくて、トレーナーの力だから。
そんなことを言うエアシャカールに、トレーナーは「それは違う」と言います。

「運命を変えたのは、貴方の意地だよ。
 貴方だから、私はこの場所を選んだ。
(運命を変えようとした)もうその日に、運命は変わっていたんだよ。」

日本ダービーの時も、エアシャカールに伝えたのはトレーナー自身の意地でした。
それと同じだと、エアシャカールは感じてくれたようです。
その言葉に、責任と覚悟を持っているのなら、エアシャカールは聞いてくれるのです。

「シャカールもわからせてやろうよ。
 全員に、貴方の意地をわからせよう。」

エアシャカールはトレーナーに本気で言っているのか、と言いますが、トレーナーも「いつでも本気だよ」と返します。

場所は変わって、エアシャカールの自室。
自分の意地を貫く、そしてトレーナーの言葉を信じるのなら。

「評価されねェなら、無理にでもこっちを向かせる。」
「やってやろうじゃねェか。」

エアシャカールの心は決まりました。
「Parcae」を手に、計算のし直しからです。
しかし、「Parcae」の様子が変です。

Do you start to initialize? (初期化しますか?)
>[y]: (はい)

なんと、システム自ら、自分の存在を消す選択を迫ってきたのです。
そんな演出なんて仕込んでない、と困るエアシャカールですが、これも何かのメッセージと捉えたのでしょう。

「こっからは、オレの”現実”にしろってことかよ。」
「____そうだな。お前とオレは、違うから。」


・ウマ娘の「存在の定義」とParcaeという「神」

「Parcae」に隠された意味
え、まだこのとんでもPC隠してるんですか、と思ったそこの貴方。
正解です。
ここまできて、今とんでも情報をお伝えします。

「Parcae」、元はローマ神話の三女神「Parca」(パルカ)から来ていると思われます。
「Nona」(ノーナ)→「運命の糸を紡ぐ」(現在)
「Decima」(デキマ)→「運命の糸を割り当てる」(過去)
「Morta」(モルタ)→「運命の糸を断つ(死)」(未来)
3人の女神から構成される「Parca」を複数形にした名前が「Parcae」です。

是非、この女神の持つ力が、どのようにエアシャカールに作用していたかは発見して欲しい所ですが。
お伝えしたいことは、これが本命ではないのです。

ローマ神話の神様ですが、元はギリシア神話の神であり、そして「運命の女神」ではありませんでした。
「誕生の女神」です。

「991031021222」という数字、これは「エアシャカール号」の事を表しています、とお伝えしてきました。
その数字が消滅し、完全な初期化をしました。
つまり、「Parcae」は既に「エアシャカール号」ではない存在になっています。

ん?で?どういうこと???
と、なっている皆さま、大丈夫でございます。
更に解説を深めていきます。

お前とオレは違うから

この、「お前」が何を示すのか。
勿論、手には「Parcae」を抱えているので、「Parcae」の事ではあるのですが。
「Parcae」が完全に初期化、そして「991031021222」の消滅により
「Parcae」=「エアシャカール号」という結果は消え去りました。
そして、その「Parcae」とエアシャカールは、「違う」と断言しています。

「お前」=「Parcae」=「エアシャカール号」
「オレ」=「エアシャカール」

「現実のエアシャカール号」と「ウマ娘のエアシャカール」は違うから

今、ここに新しく「誕生」したのが、「ウマ娘のエアシャカール」という存在だったのです。
もう、「エアシャカール号」の「運命」に左右される、「エアシャカール」はいません。
何よりも願った「勝って欲しい」という願いを、我々トレーナーはウマ娘に夢を託すのです。
ここから紡ぐ物語は、私達トレーナーと「ウマ娘のエアシャカール」だけが歩める物語。


・天皇賞春&宝塚記念

再構築したあとの「Parcae」は特に変わった様子はない、計算もしっかりこなしています。
しかし、エアシャカールは確かに”なにも感じなくなった”と思っていました。

天皇賞春、エアシャカールに対する声は期待よりも、走れるのかといった疑問の声でした。
しかし、エアシャカールはもうそんな言葉に一々感情は揺さぶられません。
しっかり、いつものエアシャカールに戻っていたのです。

控室、そういえばとヘイターたちが言っていたことを振り返るエアシャカール。

「でも、好き勝手言わせンのも終わりだ。
 終わりにする、そうだろ?」

もう、ブレる自分は居ません。
確証の無い希望や、絶望を口にすることは無い。
しっかり言い切って、ゲートへと向かいます。

ゲート前。オペラオーとドトウ、トップロードがファンに向かって挨拶をしているのを尻目に、エアシャカールのいつもの態度にぶつくさ小言を言うファン達。
エアシャカールに気にしている様子はありません。

誰の期待もいらない、終われば”本物”の意味がわかる。
「今日こっから、上がっていく!」

天皇賞春を終えて、やはり上の世代の強さを痛感します。
しかし、もうここで心が折れるエアシャカールはいません。
次はもっといける、次なる向上心と闘志を見せます。

地下バ道、確かに少しずつ変わる観客の評価も、今は必要ありません。
もっと、もっと上へ。
積み重なった印象をひっくり返すには、圧倒をする他ない。

「次はアイツらを、完璧に潰す。」

次は宝塚記念、本来であればオペラオーとドトウには敵わないと判断されているところでした。
しかし、そうはさせない。

「___拍手喝采、させてやろうじゃねェか。」

そして迎えた次走、宝塚記念。
レース場に入る前、観客がエアシャカールの存在に気付きます。
すると、近づいてきてエアシャカールに声援を送ったのです。

天皇賞春を終えてから、こうしたファンの声や、取材も増えてきました。
エアシャカールは着実に評価されてきていました。
ここでトレーナーがしっかり、遅いくらいだけどって言ってるのがいいんだよな

地下バ道、出走前。
エアシャカールは評価を受け始めたことに少しの戸惑いを感じていました。
ソレを望んでいたはずなのに。

宝塚記念終了後、ターフにいるエアシャカールに称賛が与えられます。
しかし、エアシャカールは考え込んでいる様子。
地下バ道、トレーナーのもとに戻ってきたエアシャカールは呟きました。

「違う。」

帰り道、なんとなく察したトレーナーが遠回りしつつ、エアシャカールと二人で歩いていました。
ひとりでに、エアシャカールは口を開きます。

「…オレは結局、弱いンだって思ってた。」
「結局、誰かと繋がることが1番の望みで、評価を求めるのはそのため。」
「”わかってほしい”って、奥底では願ってる。
 どうせ、それが1番の望みなンだろうって。」
「どンだけがなり立てても、単なる悲鳴なンだって、思ってた。」

「でも、今日わかった。」
「オレが欲しかったものは、あれじゃねェ。」

ライクじゃねェ。プロップスでもねェ。」
「全ッッッ…然、ちげェ!」

全員が見るしかねェくらい強烈に、存在したかったンだ。」

絶対的な数字を積み上げ、自分が正しい事を証明する。
プロップスを奪う。
言い続けていたことを、本当に成しえたとき、エアシャカールは真に自分が望んでいたものに気付きました。

トレーナーが言っていた、「自分を誇れ」
それはただの虚勢では意味がない、勝って、そして誇る。

答えの出そうなエアシャカールに、トレーナーは問いかけます。
なら、どうするのか。

「最高の舞台で勝つ。オレの時代を、本当の意味でブッ立てる。」
「今まで以上の、誰もが納得するシチュエーションで。」
「どんな鈍いヤツにも、オレを刻み付ける。」

「ヤベェヤツらが揃いそうなレース、ねェか?判断しろ。」

なんと、ここで初めてトレーナーに次走を委ねてきます。
トレーナーは踊りたのもつかの間、次走を天皇賞秋に推薦します。
説明も求められます。

「アグネスデジタルが出てくる。」

自分と同世代で、ダートや芝を走る存在。
面白い、やってやる、と意気込み、次走天皇賞秋へと進みます。


・天皇賞秋~世代の背景~

大雨の天皇賞秋。
エアシャカールとアグネスデジタルの二人が並んでいます。

「お前とオレがぶつかる。面白い”ねじれ”じゃねェか?」
「___世代の顔はどっちか、決めてやろうぜ。」

2000年の世代は、「最弱世代」と揶揄されがちではありますが、それは内国産馬だけで、外国産馬は強い時代だと言われていました。
その代表格が「アグネスデジタル号」です。
後に登場した「タップダンスシチー号」も、外国産馬です。

内国産馬代表「エアシャカール」
外国産馬代表「アグネスデジタル」
どちらが世代の頂点に相応しいか、決めよう。
そういった時代の背景も交えた言葉だったのです。

天皇賞秋終了後、周囲の評価は一変します。
元々応援していた子よりもエアシャカールを見てしまっていた、そんな声が聞こえます。
見てしまったんじゃない、見るしかなかったのだと。

勿論その声はエアシャカールにも届いています。
もっと、デカイところで、レースにも興味ないやつが見るような。
そうだ、有馬記念だ。
次走の目標を決めるエアシャカール、そんなエアシャカールに自らの主役の場だけでなく、劇場すらも破壊されたと言うテイエムオペラオー。
次は奪い返す、そう意気込むテイエムオペラオーの姿がありました。

レース終了後、トレーナーに次走は有馬記念を目指すことを伝えるエアシャカール。
本来「Parcae」は出走しない判断をしていました。
しかし、変化を重ねた今、出走しない選択肢以外ありえない。

誰がリアルか、証明する。」

そうして、次走有馬記念へと向かいます。

帰寮する途中、ファインモーションと出会います。
ファインモーションに「有馬記念を見にこい」と伝えます。

「運命に殉ずる覚悟の殿下サマなんて、おあつらえ向きだぜ。」

ファインモーションはトレセン学園での生活は3年まで、その後は国務に専念する、と決めていたのです。
走っても、結局は辞めなければいけない運命。
似たようなものを背負うファインモーションに、エアシャカールは自分が運命を壊すところを見せてやろうとしているのでした。


・有馬記念と運命

有馬記念、それぞれのウマ娘に夢を託したファンが思いの言葉を並べます。
その完成は地下バ道にまで聞こえていました。
エアシャカールはうるさい、と少し嫌そうです。

トレーナーは、あえて聞いてみたら?と提案をします。
聞く前から、その声がしょうもないもの、と判断しているエアシャカールに、「しょうもないかを一度判断するんだよ」と言い聞かせます。

エアシャカールが耳を澄ませ、周りの音に集中します。
雑音だと思っていたものを解くと、聞こえてくるのは期待、疑念、熱意、敵意。

(あァ、なンだ。こンなモンだったのか)
「全部、クソどうでもイイな。シャットアウトする価値もない。」

聞かなくていい物、いらない物だとおもって捨てていたものが、実は大したものではなかった。
捨て去るほど、完全に無視するほど、大したことではなかったのだと気付きます。

今は静かに見送ろうとするトレーナー、しかしエアシャカールは言葉を待っている様でした。

「言いたいこと、あンだろ。聞くだけ聞いてやる。」
「お前はオレに、何を望む?」

「証明してきて、貴方が本物だってこと。」

「ハッ、うるせェ、バァカ。」

「___当然だろ。」


有馬記念、エアシャカールが勝利をおさめます。
全ての歓声が自分に向けられていることに、笑みが零れます。

ふいにエアシャカールが胸に手を当てた。

「____見てたかよ。聞いてるか?」

「お前の負けだ。」

そして、エアシャカールとトレーナーは目が合います。
エアシャカールは口を開こうとしません。
しかし、その瞳が示す言葉、何を伝えたいか、理解するすべをもう、わかっていました。

最後は「お互いを理解した」二人に、言葉は必要ありませんでした。


4.競走馬「エアシャカール号」

・調教師の見解

エアシャカール号は、皆さんがご存知の通り気性が荒く、くじ引きでお世話係が決められていた、と言う話が残っています。
機嫌を損ねると、場所が広かろうが狭かろうが暴れ回る。
人を載せているのに尻っぱねをして振り落とそうとする。
走っている時に手綱で止まらせようとしても、ひたすら走り続けるので、降りることができない。
しまいには、4本脚のままでジャンプするという、馬らしからぬ技まで持っていたとか。

しかし、走りの能力は桁外れだった。
めちゃくちゃな走りをしても、他の馬に平気でついていく、スピードも並みの馬ではなかったのです。
調教を担当していた森秀行調教師(以下森師)が、生産牧場の社台ファームを訪れた際に、エアシャカール号を気に入り、厩舎に入るよう懇願しました。
エアシャカール号の半姉「エアデジャヴー号」(桜花賞、秋華賞3着、オークス2着)が別の厩舎に預けられており、当然エアシャカール号も姉と同じ厩舎に入ることがセオリーでした。(姉とは1歳差)
牧場内の評価は、後の同世代で戦うことになる「アグネスフライト号」「フサイチゼノン号」らもいましたが、エアシャカール号が間違いなく世代ナンバーワンでした。


エアシャカール号の翌年の方針(クラシック)の最大目標を「日本ダービー」に置くことを決めていた、森師。
鞍上を武豊騎手に任せるのは、エアシャカール号の気性面上、下手に任せられないことも一つの要因でした。
しかし、1998年「スペシャルウィーク号」1999年「アドマイヤベガ号」で日本ダービー2連覇中の武騎手ならば、となるのは至極当然のこと。
森師も、武騎手の事を「厩舎の主戦」とあげるくらいには、良い関係でありました。

余談ですが、最近ウマ娘で発表された「エアメサイア」は、エアデジャヴーの子供で、エアシャカールから見て姪っ子にあたります。

・名手「武豊」との絆

目標を日本ダービーに定めたと同時に、デビュー戦を東京競馬場にした陣営。
しかし、デビュー戦がいきなりの輸送競馬になったこと、当該開催の最終日で、すでに実践を積んだ馬たちであったこと、そして激しい気性。
全ての要因がかみ合って、デビュー戦は大きく出遅れ5着に敗れました。

レース後の武騎手は、「今はまだ全然足りないけど、クラシックには乗ってくれるでしょう」と森厩舎にお伝えしたのだとか。
デビュー当時から、ダービーを意識した発言が出ていたスペシャルウィーク号、アドマイヤベガ号の時より、控えめな発言でした。
当時、武騎手はそこまでエアシャカール号を評価していたわけではありませんでした。

しかし、格上挑戦だったホープフルS(当時はGIではなくOP)に挑み、勝ったことで、武騎手はエアシャカール号の評価を上方修正しました。

「完成度ではスペシャルウィーク、アドマイヤベガに劣るけれど
 将来性では負けない」

ここではかなり割愛しますが、とにかくエアシャカールの世代「01世代」は色々な問題が多くありました。

・2歳時の有力馬が外国産馬や地方馬であり、クラシック出走ができない、または難しいこと
・国内産馬でも、圧倒的な頭角を現している馬が不在であったこと
(当時OP格だったホープフルSも、エアシャカール号の格上挑戦だったと記されている)
・期待を掛けられた馬が怪我で引退したり、厩舎の問題ででられなかったりしたこと

当時の制度や、人間の影響を大いに受けたり、単純にケガで引退の早い馬が多い時代でもありました。
特に許せない、皆さんに知って欲しい事件を一つ、余談ではございますが紹介させて頂きます。

「ラガーレグルス事件」
2000年皐月賞、1番人気「ダイタクリーヴァ号」2番人気「エアシャカール号」そして、3番人気に推されていたのが「ラガーレグルス号」でした。

ラガーレグルス号はとても気性の荒い馬で、尚且つ皐月賞という大舞台の歓声に興奮してしまい、ゲートが開いたと同時に立ち上がり、尻もちをつき、競争中止。
勿論競馬は有効です。
皆さんが知っている話だと、宝塚記念で起ち上がって、大きく出遅れてしまったゴールドシップ号のような感じです。

そして、後日ゲートの再審査を受けることに。
しかし、そこには3番人気に飛ばれた恨みを持ったファンがいました。
ゲート再審査中、手に持っていた傘で金網を叩き、ラガーレグルス号を驚かせてしまいました。
当然、驚いたラガーレグルス号がゲート内で暴れてしまい、ゲート試験不合格。
ラガーレグルス号は「日本ダービー」に出る資格を奪われました。

このように、当時は今よりもっと悪質なファンが存在し、言葉もやり方も汚い事例が多く見られました。
近年だと、川田騎手がゲートから出る前までは、歓声を抑えて静かにして欲しい、とお願いされている事例があります。
馬にも馬の馬生があります、どうか、今後もルールと常識を守って、誠意をもったホースマンでありましょうね。
2000年当時は、他にも「フサイチゼノン事件」がありますので、ご興味あれば調べてみてください。


閑話休題


上記は史実も交えながら書いている部分も多いので、以降はウマ娘ストーリーにはない、お話を綴ります。

1年目の夏合宿の合間に、エアシャカールが「Parcae」を使ってとあるシミュレーションレースを見せてくれます。
ウマ娘では海外レースと暈されていましたが、これは海外GI「キングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドS」の事です。
エアシャカール号は、日本ダービー終了後に海外遠征へ。
結果は5着となりますが、力の差は歴然といったレースでした。(Parcaeも5着という結果を算出していました)

そして、遠征終了後直ぐに神戸新聞杯に出走します。
国際GIに出たのが7月29日、神戸新聞杯は9月24日。
キツキツのスケジュールです、休息の時間など無いに等しいくらいでした。

ここで、いきなり「アグネスフライト号」と再戦となります。
エアシャカール号との2強対決、と期待されたのも束の間。
夏の上がり馬「フサイチソニック号」が二頭に先着し、あっさり2強は負けました。
そして、もう一つのトライアル、セントライト記念でアドマイヤベガ号の全弟「アドマイヤボス号」が勝ちました。
これで菊花賞は4強の対決、となるはずでした。

結果的に「フサイチソニック号」はその後怪我が判明で引退。
「アドマイヤボス号」は菊花賞を回避して、別のレースに出る発表がされました。
結局、菊花賞も2強対決へとなることに。
しかし、この時陣営が抱えていた課題が浮き彫りになるのです。

とにかく「エアシャカール号」が真っ直ぐ走らない。
神戸新聞杯も、先着を許した原因が、何度も左右にヨレて走ってしまったことによる、ロスが原因でした。
神戸新聞杯だけではありません、皐月賞、日本ダービー、キングジョージ、その全てで直線を真っ直ぐに走ったことが無いのです。

森師ら、関係者も馬具をつけたり、特訓などをして矯正しようとしましたが、全く効果がありません。
後はもう、天才騎手、武騎手の手腕に任せるしかないとなるのですが、これには武騎手もお手上げです。
インタビューで「頭の中を見てみたい」と言ったことは、あまりにも有名な話です。

迎えた菊花賞当日、エアシャカール号は先日の神戸新聞杯でアグネスフライト号に先着を許したのもあり、2番人気でした。
しかし、3番人気のセントライト記念2着「トーホウシデン号」が単勝1080円に対して、1番人気アグネスフライト号が単勝190円、2番人気エアシャカール号は単勝280円。
2強との人気差は大きなものでした。

しかし、この菊花賞はいつもとは違いました。
後方追込で、ロングスパートを掛けるエアシャカール号が、今回は先行の位置へつき、その後ペースは落としたものの、中団からの競馬をしていた。

武騎手は、エアシャカール号のヨレ方に特徴があることに気付いていました。
皆さんもなんとなくお気付きかもしれませんが、「右への斜行癖」です。
菊花賞が行われる京都競馬場は、右回り。
内ラチに沿って走れば、これ以上右に行くことがない。
しかし、この作戦をするには、後方一気のまくりをしない、という事になる。
武騎手はここで、大胆な選択を取りました。

そしてエアシャカール号は、武騎手と共に、馬群の僅かな隙間を衝いて飛び込み、抜け出した。
エアシャカール号の一方後ろにトーホウシデン号、アグネスフライト号は馬群に未だに揉まれたまま。
最後は後続を突き放す二頭の叩き合いの末、エアシャカール号と武騎手に軍配が上がったのです。

武騎手には、エアシャカール号に対して悔いていることがありました。
それは、皐月賞馬であり、かつ日本ダービー7㎝差の2着であったのにもかかわらず、斜行癖のせいで低い評価をされがちなエアシャカール号に正当な評価を得らせてやりたい、というものでした。

「ダービーで悔しい思いをしたので、
 世代ナンバーワンの座をとらせてやりたいと思っていました。」

名実ともに、エアシャカールは「世代のナンバーワン」を獲得しました。
そして、誰よりも三冠馬に近い称号、栄光の「準三冠馬」という称号を手に入れました。
世代の頂点を手に入れた次は、日本の頂点、いや、世界の頂点を取りたい。
エアシャカール号陣営は次なる頂へと、ジャパンカップの挑戦を表明しました。

これが、エアシャカール号最後の勝利になるなど、誰も思っていなかったでしょう。



ジャパンカップの勢力図は大きく3つに分かれました。
1番人気が12年勝てなかった天皇賞秋を制覇した、「世紀末覇王・テイエムオペラオー号」
そして、その覇王と共に掲示板に君臨し続けることになる「メイショウドトウ号」ら古馬勢。
マンノウォーS(米Gl)制覇「ファンタスティックライト号」率いる海外勢。
そして、エアシャカール号筆頭、クラシック世代の対決となりました。

クラシック世代から、
皐月賞、菊花賞制覇「エアシャカール号」
日本ダービー馬「アグネスフライト号」
オークス馬「シルクプリマドンナ号」
NHKマイルC制覇「イーグルカフェ号」
4頭が揃う、近年では異例の顔触れでありました。

人気もこの時点で、天皇賞秋、宝塚記念でテイエムオペラオー号の2着だったメイショウドトウ号を抑えて、エアシャカール号、アグネスフライト号の人気が上回りました。
1番人気テイエムオペラオー号、2番人気ファンタスティックライト号、3番人気エアシャカール号、4番人気アグネスフライト号と続いておりました。
クラシック世代の東京競馬場の実績もあり、古馬世代の頂点に立とうとするテイエムオペラオー号を阻む新勢力して、その期待は高いものがありました。

しかし、その日のエアシャカール号は様子がおかしかったのです。
馬体重が480kg、前走の菊花賞からマイナス14kgという状態。
一度も490kg以下でレースを走ったことのないエアシャカール号には、これは異常事態でありました。

されど、戦いはやってきます。
この日は、後方からロングスパートをかけるいつもの競馬をしていたエアシャカール号と武騎手。
直線向いて、ここから動くかとみられたエアシャカール号。
だが、エアシャカール号の脚はそこで止まった。
失速したまま、流れただけのゴール。

「14着」
屈辱的な数字と、大敗。
そして、悲劇はこれだけは収まらない。

アグネスフライト号、13着
エアシャカール号、14着
シルクプリマドンナ号、15着
イーグルカフェ号、16着
クラシック世代を代表したはずの4頭全てが、下位を独占。
勝利馬はテイエムオペラオー号、続いてメイショウドトウ号、ファンタスティックライト号と人気決着。

「2000年クラシック世代は弱い」
彼らに対する評価が一変し、そして地に落ちた瞬間でした。
それに伴って、エアシャカール号が世代の代表となれたのは「世代の弱さ」のおかげ、そして武騎手の実力であること。
そして「エアシャカール号自体は大した馬ではない」とささやかれ始めました。

それまで「エアシャカール号」に送られいた高い評価や、称賛は全て消え失せました。


・掲げるは汚名返上

ジャパンカップ出走の翌年から、武騎手が海外レースに集中する為、海外に滞在することになり、鞍上が変更となりました。

そして、休養明け初戦の産経大阪杯。
いきなり「テイエムオペラオー号」と対戦することになります。
直線に入って、テイエムオペラオー号とエアシャカール号のたたき合いとなり、僅かにエアシャカール号が抜け出す形に。
これで、ジャパンカップの借りは返せる、そう思った瞬間でした。
外からやってきたのは「トーホウドリーム号」9番人気でした。
エアシャカール号と同世代の馬ではありましたが、重賞未勝利馬で、いわば格下の相手のはずでした。
その格下相手にあっさり出し抜けを食らい、テイエムオペラオー号には先着するものの、結局は重賞未勝利馬に後れを取ったということに。

その後も天皇賞春7着、宝塚記念5着と、成績は依然ふるわない。
クラシックを勝った馬がその後も期待されるのは当然のこと、そして世代の頂点に立った馬ならそれは猶の事。
しかし、その期待を背負ったのも背負わされることになったのも人間の勝手なのです。
そして、その人間がエアシャカール号を称える為に付けた「準三冠馬」という称号は、いつしか嘲笑の意味で使われることになってしまったのです。

2001年秋、脚部不安のため休養に入ることになったエアシャカール号。
その間に競馬界の縮図は大きく動く。
圧倒的力を示し続けていた世紀末覇王、「テイエムオペラオー号」
そんなテイエムオペラオー号を宝塚記念で破った「メイショウドトウ号」
この2頭が出走するレースの掲示板に、名前が無い事が無い。
そんな時代の終わりを告げたのは、2001年クラシック世代。
ジャパンカップ、「ジャングルポケット号」
有馬記念、「マンハッタンカフェ号」
それぞれが勝ち、世紀末覇王の時代は終わりを告げました。

そして、エアシャカール号が夢を追った海外への道も、日本馬が香港の国際うGI3連勝という劇的な形で破られました。
皮肉にも、その開局のうち2頭がエアシャカール号と同じ世代の馬でありました。
「アグネスデジタル号」と「エイシンプレストン号」です。
クラシック出走権利を持たない、外国産馬たちでした。

制度の関係で出走権利を持っていなかった外国産馬たち。
そして、現状クラシックにて成績を残した馬が全くと言っていいほど古馬で活躍していない事。
内国産馬と外国産馬の差がはっきりと開いたような結末です。
2001年から日本ダービーに外国産馬への出走権利が与えられ、事実上の内国産馬決定戦は崩壊しました。
つまり、それは「エアシャカール号達が戦った日本ダービーは、最強決定戦などではなかった」という証明でもありました。

エアシャカール号が手に入れたはずの栄光は、偽物であり、時代の流れにそって取り残されてしまったのです。


一度想像して欲しいのです。
自らが勝った試合が、「その試合勝っても大したことないね」と言われてしまったとします。
許せますか?
勝ったという事実には変わりありません。
確かにその時は、その大会では1番であったのです。
それが無意味であったと言われても、「何を言っているのだろう」となるのが当たり前なのです。
そんな不遇な扱いを、人間の制度で振り回し、手に取った栄光はその馬の実力でないと評価を陥れる。

私が皆さんにお伝えすることは1点です。
レースに勝つには、確かに鞍上の力も必要です。
運も必要になるでしょう。
しかし、最も大事な力はなんでしょうか。
その馬の力ではないでしょうか。
馬が一生懸命走ったから、得られた勝利なのではないでしょうか。
鞍上に実力者が乗っていれば、確実に勝てるのでしょうか。
そんなことは決してないと思います。
エアシャカール号が勝ち取ったものは、エアシャカール号だからこそ取れたものだと、私は心の底から信じています。


話が逸れてしまいましたね。
エアシャカール号の引退までのエピソードをつづっていきます。

2002年、エアシャカール号の休養明けの初戦は1年前テイエムオペラオー号と戦った産経大阪杯。
エアシャカール号への評価は残酷なものでした。
この時の1番人気は「サンライズペガサス号」重賞未勝利馬です。
そして2番人気「マチカネキンノホシ号」は前走京都記念2着でした。
二冠馬が3番人気だったのです。
しかし、それが現実でした。

ここでもエアシャカール号は末脚に後れを取り、サンライズペガサス号に2馬身半の差を付けられ敗北。
エアシャカール陣営の苦悩は深まっていくばかりでした。

エアシャカール号はこの後天皇賞春の出走を発表していましたが、「距離適性を考慮して」それを回避。
シンガボール国際C(国際GI)への出走を表明。
しかしそれも結局回避して、金鯱賞へと出走することになりました。

「菊花賞勝利馬が、天皇賞春に距離適性が無いというのはおかしい」
そうした批判はありましたが、海外遠征という大義名分のおかげでした。
しかし、結局その海外遠征を中止してしまっては、意味がありません。

こうしたエアシャカール号の転々としたローテーションは、ファンからすればあまりにもおかしなもので、
「マンハッタンカフェ、ジャングルポケット、ナリタトップロードから逃げて、シンガポールからも逃げ出した」
そんな声が出始めました。

だからこそ、金鯱賞では勝たなければならない。
そして、その背中には武騎手が乗ることになり、ファンの期待が高まりました。
単勝180円の1番人気を背負い、エアシャカール号と武騎手のコンビが復活しました。

いつものエアシャカール号が得意とする後方待機からのロングスパート。
かつての勝利したレースを思い出させる、輝かしい走り。
「やはり豊なら。」
誰もがそう思いました。

しかし、現実はまたもや残酷なものでした。
外を回り、早めに先頭に立ったエアシャカール号。
その内側から現れたのは「ツルマルボーイ号」
エアシャカール号と並び、直線を走るその姿はまるでアグネスフライト号と見せた日本ダービーのような光景でした。
されど、その違いは歴然でした。
エアシャカール号とツルマルボーイ号は並ぶことなく、ツルマルボーイ号が1馬身半の差をつけ差し切り、勝利を収めました。


「豊でも、ダメなのか。」
その衝撃は大きすぎるものでした。


エアシャカール号はGIIを5回出走し、2着4回3着1回と、安定した成績を見せていました。
しかし、世代の頂点だった馬、ましてや2冠馬という実績だったが故に、その着順は常に期待を下回るものばかり。
その中でも重賞未勝利馬であったトーホウドリーム号、サンライズペガサス号
重賞1勝のツルマルボーイ号に後れをとった2冠馬というのは、まぎれもない事実でありました。

その後の宝塚記念、出走馬の中でGI馬はエアシャカール号のみといった、またとないチャンス。
ファンもその期待を膨らませ、前年の皐月賞、日本ダービー2着の「ダンツフレーム号」の2番人気に支持していました。

けれど、その結果はダンツフレーム号だけでなく、ツルマルボーイ号、更に無冠の3歳馬「ローエングリン号」に後れをとり4着。
一歩届かない競馬が続きました。

2002年秋、古馬3冠の道を走ることになったエアシャカール号。
武騎手を背に挑んだ天皇賞秋は「シンボリクリスエス号」の4着。
ジャパンカップはジャングルポケット号との騎乗依頼があった武騎手は、そちらに。
田中勝春騎手と挑み、12着惨敗。
天皇賞秋で好調の兆しを見せていたその期待は、またしてもすぐに萎んでしまいました。
そして、有馬記念のラストラン9着。
エアシャカール号の競走馬生活は終わりを告げました。


・後継を残せなかった無念

エアシャカール号は菊花賞後、1度も勝てませんでした。
しかし、菊花賞以降の10戦の中に「3つの連対、3つのGI掲示板」があり、世間一般で思われているほど、成績は悪くありません。
エアシャカール号を知る上で、この情報は頭に留めておく必要があるでしょう。

2冠馬であるが故、その成績を軽んじられてしまうことは、その意味では非常に不運でした。

そんなエアシャカール号の汚名を晴らすのは、種牡馬としての成功の道しかありませんでした。
偉大なる種牡馬、「サンデーサイレンス号」の直子であり、母系の評価も高い「アイドリームドアドリーム号」
種牡馬としての人気もそれなり集めていました。

しかし、種牡馬としての生活は儚く終わりを迎えました。
種牡馬としての仕事を終え、放牧地へと戻されていたエアシャカール号。
係員が次にエアシャカール号を見たとき、三本脚で呆然と立ち尽くしていたといいます。
その傍には、エアシャカール号が破壊したと思われる牧柵が倒れ、その代償に左後脚が複雑骨折に。
エアシャカール号は獣医の診察を受けるも、予後不良の診断を受け、その日に安楽死となりました。
わずか6歳でその生涯を閉じました。
2003年3月13日のことです。

エアシャカール号が種付けしたのは11頭のみ、そのうちの4頭が受胎。
そして全て牝馬であったことも重なり、エアシャカール号の後継種牡馬を残すという可能性も絶たれてしまいました。


5.最後に

エアシャカール号は、自分以外の事にも翻弄された馬でございました。
制度の変更、他馬の事情、総てが絡み合って、最後に残されたのは「酷評」という最悪の結末でございました。

ウマ娘のエアシャカールも、自分の運命を受け入れるしかない状況で、呪う事も出来ない。
それでも、勝ちたい、変えたいと願っている。
そんな不器用で、それでも足掻き続けてる彼女の支えになりたいと、トレーナーは彼女の直向きに頑張る姿に心打たれました。
しかし、そんな彼女にも残酷な運命が、最大の壁となり立ちはだかる。
つきまとう「世代」という評価、「ライバルがいるかどうか」で左右される人間の心。
そんな人間の心無い、言葉。

皮肉にも”周りの意見に囚われない”(雑音を聞かない)ようにすることに、”囚われていた”のです。
この周りの評価に囚われていたのは、エアシャカール号とその陣営も同じです。


だからこそ、心の奥底でわかってほしい。認めてほしい。
【本当は助けてほしい】と願い続けていたのです。
聞かないようにしていた物が、目に見えてわかり、聞こえるようになると、あまりの情報量の多さに人は困惑してしまいます。
そして、心を病んで疲弊していき、折れて行く。
エアシャカールにも、「結局運命には勝てない、変わらない」とあきらめてしまう事もありました。


それでも、起ち上がったのは彼女自身の力です。
そんな彼女の何か一つでも、自分が役に立ったのなら。
こんなにも、一生懸命頑張って、自分が作り上げた神と戦う彼女の支えに成れたのなら。
これ程までにも嬉しいことがありますでしょうか。
報われて欲しい、周りの意見や評価に圧し潰されて、ずっと縮こまっていた彼女に、本当に幸せになって欲しいと、思わぬことができますでしょうか。

このnoteを読んだ皆さんが、私と同じような気持ちになっていればいいな、と願っています。


しかし、それだけでは終われません。
ここまで、約何万と文字を綴ってきましたが、冒頭にあった通り、これは「正解」ではないのです。

エアシャカールの事を理解したい、その努力をさせて欲しい。
しかし、エアシャカールは「理解したと思うのも思われるのも嫌だ、思い込みは捨てるべきだ」と、発言しています。
それでも、理解する努力をさせて欲しい。

必要最低限の関りを許してもらえて、尚且つこの先も共に歩む為に関係をリセットする。
これらは、ずっと繰り返されるのです。
その度に、エアシャカールに対しての新しい発見と、新しい疑問。
理解できないところを理解できるようになるまで、共に在る。
これはジレンマであり、我々が「問題解決を諦める」という選択肢を取って初めて抜け出せるものです。(放棄と言いますが)


永遠なんてありません。
人の生死も、時間も、心も、永久・永遠なんてありません。
それでも、時間の許す限り「エアシャカール」という存在を、理解したい。
「エアシャカール」という、唯一無二の存在と共に在りたい。
そんな限りある時の中を、過ごしたい。


だからこそ、今日のような、貴方がこの世に生を受けた日に。
おめでとう。
そして、ありがとう。





ご感想は直接、リプ、コメント、引用なんでもお待ちします。
マシュマロでもどうぞ。




6.出典

アプリ「ウマ娘プリティ―ダービー」より
ウマ娘ストーリー
第1話「脈打つアルゴリズム」
第2話「ブラックボックスから聴こえる」
第3話「”Permission Denied”」
第4話「描き写すプロトコル」
育成イベント
「エアシャカール登場!」
「Noizy Dayz」
「デビュー戦にむけて」
「デビュー戦の後に・Shadow」
「”Uncertainty”」
「ホープフルSにむけて」
「ホープフルSの後に・0.1」
「皐月賞にむけて」
「皐月賞の後に・3」
「The Monster Under My Bed」
「日本ダービーにむけて」
「日本ダービーの後に・7?」
「菊花賞にむけて」
「菊花賞の後に・Next Level」
「FFA」
「ジャパンCにむけて」
「ジャパンCの後に・Noise」
「Changes」
「天皇賞(春)むけて」
「天皇賞(春)の後に・Hands Up」
「宝塚記念にむけて」
「宝塚記念の後に・Can't C Me」
「天皇賞(秋)にむけて」
「天皇賞(秋)の後に・Ambitionz」
「有馬記念にむけて」
「有馬記念の後に・All Eyez On Me」
「温泉旅行」

『ギリシア・ローマ神話辞典』 高津春繁 編

Retsuden | エアシャカール列伝~みんな夢でありました~

エアシャカール (Air Shakur) | 競走馬データ - netkeiba.com

アイドリームドアドリーム (I Dreamed a Dream)の血統表 | 競走馬データ - netkeiba.com

1999年代後期~2003年あたりの優駿とgallop





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