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【気になることば】本当に「感謝しかない」のか

よく耳にする言葉で、引っ掛かるものが結構ある。
実際に突っ込むことはほとんどないのだが、なんで引っ掛かるのかをつらつらと書いてみようというシリーズ。

第一弾は「感謝しかありません」

「とても感謝しています」を強調したいような場面で使われるのを、テレビのインタビューなどで頻繁に聞く。

「支えてくれた妻には感謝しかありません
「医療従事者の皆さんには感謝しかありません
等々。

感謝の気持ちを持っていること自体を否定する気はないのだけど、
こう言われると、自分は却って雑な印象を受けてしまう。

自分がとても感謝している知人を思い浮かべつつ「本当に感謝しかないと言えるか?と考えると、知り合ってからずっと良好な関係でもなかったし、今でも厳しいことを言われるときはコノヤローという気持ちを持ったりもするから、感謝以外が3%くらいはあるな、決して「感謝100%」ではないな…。と何分か考え込んだあげく、「あー、とても…感謝…してます」と言うのが精一杯かな。

そもそも誰かに対して「●●しかない」なんてことはあるのか。

めちゃくちゃ怒っているときに、一時的に「怒りしかない」状態になることはあるかもしれない。でもめっちゃ感謝するような関係だったら、もっといろんな感情がミックスされてるんではないか。憧れとか反発とか。それを「感謝しかありません!」って言い切られると、対象者への感謝を構成している思いの、見えにくい部分をバサッと切り落としたみたいに感じるんだ。

「感謝しかありません」と言うからには「このインタビューを受けるに当たって三日間自分の気持ちに向き合ってみましたが…結果、感謝しかありませんでした」くらいの強さをもって言ってほしいものだ。

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