白いワンピースの幽霊

初めて一人暮らしをした時の心霊体験談です。

家賃も安く駅から徒歩5分。手狭で古めかしい建物でしたが鉄筋コンクリートで日当たりも好いことから一件目の物件で即決。

その部屋で起こった事象は一度ではなく数度、形を変えて私の身に降りかかりました。
霊感があるわけではないです。
過去に不思議な体験をしたのは一度のみ。
それは又いつか機会があれば書いていこうかと思います。

(1つ目)

引っ越しを終えて1週間過ぎた晴天の昼間。
部屋の掃除を終え、「少し横になるか」と枕とは反対側へ頭をごろんと仰向けに寝そべりボーッとしていました。
体感的には5分後、

突然ベッドの下から『ドンドンドン』と突き上げられたのです。同じ場所ではなく頭から足へ移動するように。
ノックという軽さではありません。
下の住人が天井を叩いたという振動ではなく、ベッド(木製の骨組み)の板を叩いたという振動。

体が固まってしまいましたが、数分後勇気を振り絞ってベッドの下を覗きました。

物もなく、ましてや人が入れるスペースはない。

気のせいだと自身に言い聞かせ、嫌だけど「もしかしたら鼠が跳ねたのかな」とその日は思うようにしました。

(2つ目)

当時、私はリラクゼーション系の施術スタッフとして働いており、いつも帰宅は営業終了後の22:00過ぎでした。

自宅の玄関の扉を開けて、直ぐに左側のスイッチで廊下兼キッチンの灯りをつける。
真っ直ぐ進み、目の前の扉を開き右側にあるスイッチで灯りをつけるというのが習慣でした。

一人暮らしを始めて一ヶ月が経ち、新しい生活に慣れ始めた夜のこと。

仕事を終え帰宅。
玄関に入って灯りをつけ、そして扉を開けて部屋の灯りもつける。
そして同時に左側のべッドへと目線を移すと、白いワンピースの女性がベッドの足下側の位置で座っていました。

「え??」と数秒固まっているうちに、すうっと消えていき、目線を外してもう一度確認した時にはいつも通りの景色に戻っていました。

全然眠くないし、寝ている訳でもない。
職場からの真っ直ぐ帰ってきたので酔ってもいない。というか酒は普段からあまり飲まない。

廊下と部屋の照明はオレンジ系色。更に部屋の方は点けた直後は暗めで徐々に明るくなるタイプなので、眩しさで目がおかしくなることもない。

女の幽霊の妄想をした事もないのに突然現れたものだから、本当にビックリしてしまいました。
少しの間考え込み、
そのまま急いで当時付き合っていた彼氏に連絡をとりつつ家を出ました。

1週間は彼氏の家で過ごさせてもらいましたが、いつまでもお邪魔する訳にもいかないので、女の幽霊もお帰りになっただろうと自分自身を納得させ、家に帰宅。
それから暫くは何事もなかったと思います。

(3つ目)

あの日から3~5ヶ月経った頃。
熟睡していたと思います。

(1つ目)で体験した時よりも更に早いリズムで、突然ベッドの下から突き上げられたのです。
頭から足下へ
『ドドドン』
又頭へ戻って足下にかけて
『ドドドン』

『ドドドン』

『ドドドン』
『ドドドン』
何度も何度も何度も。

怖いですよね。
すごく怖いです。
これは気のせいで済ませられる現象じゃない。
鼠では絶対にない

実際に起こってる。

掛け布団を引っ張り頭をすっぽり隠し、足も隠す。

ずっと止まらない。

何故かだんだんと怒りが湧いて来ました。
一体何なの。

声を出そうとしました。

それなのに口が閉じたまま 動かない。
必死にモゴモゴするも閉じたまま開かない。

そう、金縛りです。口だけだったのか、身体全部だったのかはもう10年以上前のことなので覚えていません。

その間もずっと下から突き上げられています。

必死にもごもごもごもごもごもごしていたら、

するっと「ふざけんなっ!!!」と声が出たのです。

もごもごしていた時は怒りが強かったのに、
いざ「ふざけんな」という言葉を発したら怖さが戻ってきました。

目をぎゅうぎゅうに瞑っていても、瞼の暗闇の向こうから、睨めつける目が浮かびあがり、錯覚なのか想像なのか実際に見えているのか分からない恐慌状態でした。

気を失ったのかは分かりません。

次は足を引っ張られる感覚で気がつき、必死に床に下ろされないように踏ん張り続け…

3回目に気がついた時は「電気をつけよう!」と咄嗟に思いベッドからおりて、スイッチではない方の 、紐で引っ張り電気をつけました。

部屋を見回してもなにも変わった事はなかったです。

時間は覚えていません。
灯りをつけたままベッドに横になっていたら、朝になっていました。

一旦終わり